NO.93 けいこさんの声2014年12月3日

前回のかよ先輩よりご指名受けました、トロンボーンK子でございます。しばらくのお付き合い、よろしくお願いします。
私達、吹奏楽団せせらぎは、毎週金曜の夜にニューセンチュリースタジオという場所で練習しているのですが、それはもう何十年も変わっていません。
私は高校を卒業してすぐに、せせらぎ(当時は堀川吹奏楽団)に入団したのですが、もう何年間、そのスタジオの敷居をまたいでいることになるのでしょう︎。

18〜21時の練習時間で、滞在時間は短いものの、今のところ私の人生の中で1番長い年数関わりを持っている建物になっています。生まれ育った家よりも、通い続けた学校よりも、就職した会社よりも、結婚して住んでる家よりも…! 今までの人生の半分近い年数、このスタジオに通い続けていることになります。
この20ん年の間に、世の中は色んな事が随分変わりました。私の生活も、山あり谷あり波瀾万丈…(?)
しかし、このニューセンチュリースタジオは、壬生の団地の側であまり目立たない存在ながら、ほとんど変わらずに私達の団を見守り続けてくれています。私が入団するもっと前からだから、もう何十年になるのか私にもわかりません。
今や、設備の整った綺麗な施設があちこちにできていますが、私はこの昔ながらのスタジオが好きです。
地下にあるスタジオに続く、細く青い階段を一段ずつ下りていくと、一歩ずつ日常から別世界へ入り込んでいける気分です。窓もない閉塞された空間だけど、それが吹奏楽に没頭させてくれて、私を完全に日常から切り離してくれます。見渡せば、目に入るのは団員達の顔のみ。昔からの顔馴染みもいれば、新しい顔ぶれもありますが、不思議と一つの空間に包み込まれてしまえば、新旧・老若男女、なんの違和感もありません。
楽器を持って階段を下りて、パイプ椅子を並べて練習。終われば椅子を雪崩が起きないように上手く片付けて、金管楽器はツバを捨てた新聞紙をツバが溢れないようにそぉーっと、これまた上手く片付けて、打楽器を皆んなで手分けして持って階段を上がって地上に出る。もう何十年も同じ。ずっと変わらないから安心できる。日常にどんなに疲れていても、何かを求めて足が向く。
こんな素敵なスタジオを、長年に渡り管理するのは本当に大変な事でしょうね。管理、提供して頂いているOさんには本当に感謝です。ありがとうございます!
さて、日常から切り離された『せせらぎの時間』を堪能してきた私ですが、最近その練習中に「お母さーん」という声で一気に日常に引き戻されるという事態になっています。春に高校を卒業した長女が、なんと!私と同じくこのニューセンチュリースタジオの敷居をまたぐ事になったのです!
年の差も忘れて若い人達とのお喋りを楽しんでいるその横から、遠慮なく「お母さん」と呼んでくる…団員。なんとも複雑な心境で、こそばゆいような照れ臭いような、ウザいような…苦笑いになってしまいます。それでも親がやってきた事を認めてくれて、自分もまた同じ場所に抵抗なく入ってきた娘は変わり者かもしれないけど、一緒に演奏できるのはやっぱり嬉しいものです。それも、こんな変わり者一家(旦那も団員)を温かく受け入れてくれる団員の皆や、変わらず包み込んでくれる空
間、ニューセンチュリースタジオのお陰だと、感謝の気持ちでいっぱいの今日この頃であります。
さぁ、そこのあなた! この素敵なせせらぎ空間や、変わり者一家を見に来ませんか?

はい、長くなってすみません…。次回は、ニューフェイスだけど、せせらぎ空間にすっかり包み込まれているサックスの浅野さん!よろしくお願いします〜。

トロンボーン かさはら