『楽譜の風景』、ホント、勉強になります。2017年6月19日

岩城宏之さんの著書『楽譜の風景』。
共感しまくりです。
指揮した経験がある人ならば誰でも共感できると思います。

逆に、そうでない人はどんな風に読むのでしょうか?
「はぁ~、そういうものなのかぁ~」という感じでしょうか?

※※※

スコアを暗譜すべきかどうか、という話が出てきます。

岩城宏之さんは、
譜めくりをしなくて済むのをメリットとして挙げておられたと思います。

私もそれは感じますが、
それにも増して、
目の前の空間の広さが有難いと思います。
指揮棒を振る自由度が上がると思うのです。

指揮棒を振る下限点は、
概ねベルトの高さだと言われます。

ということは、
指揮用譜面台の高さをうまく調節しておけば、
指揮棒の邪魔にはなりません。

が、
自動車の最高速度に余裕があるように、
指揮棒を振るのに可能な空間にも余裕が欲しいのです。

ならば、
指揮用譜面台はない方が指揮の余裕が生まれます。

つまり、
暗譜で振った方が自由度が上がると思います。

※※※

が、
気を付けたいのが、
本番中の「事故」。

もう何年も前のことですが、
『スペイン奇想曲』を演奏したとき、
ホルンのソロが全く違う場所で入りました。
演奏をストップすべきレベルのミスでした。

(岩城さんも『春の祭典』で振りミスの経験があるそうです)

もしもスコアなしで指揮していたら、
収拾がつかずにホントに止めざるを得なかったと思います。

ここ数年、暗譜で指揮していますが、
万が一に備えてスコアを置いてやった方がいいような気がします。

もちろん、
スコアなしでも振ることができるようにしておいた上での話ですが。