迷いを振りきる。が …2019年9月16日

安全のための装具を使用せず、
全くの素手で岩壁を登る「フリーソロ」。

その第一人者を追ったドキュメンタリー映画『フリーソロ』。

観るべき作品に違いないと思います。
が、高所恐怖症の私にとっては、
ホラー映画ばりの怖さなのも間違いありません。

映画館に足を運ぶべきか否か、
大いに迷いました。
会社からの帰り、
上映時間の20分前くらいに映画館に辿り着くことが出来る電車があるのに、
やっぱりもうちょっと仕事しといたほうがいいだろうとか何とか言って、
会社から出るのを遅らせてみたり、
今日は疲れたからやっぱり呑みに行くべきだろうとか何とか言って、
映画館の前をスルーしてみたり、
いろんな言い訳を自分にしていました。

が、神戸在住のライバル(同志)が、
『フリーソロ』を観たっていうんです。

負けてられないと思い、
遂に観る決意を固めました。

クライミングのシーンばかりではありません。
フリーソロの第一人者であるアレックス・オノルドの日常も描かれます。
と言ってもクライマックスはやっぱりクライミング。
エル・キャピタンという名の絶壁をフリーソロで登ります。

ドキュメンタリーですから、
事実を追いかけています。
もしかすると彼の最後のフリーソロの取材となってしまった可能性だってある訳です。

ほんのちょっと指先が突起を掴み損ねただけで、
ほんのちょっと足先が滑っただけで、
真っ逆さまなのです。

嫌な想像ばかりして、
掌が汗まみれになりました。
足の裏がじっとりしているのも分かります。
(この稿を書きながらも掌に汗が滲んでいます)

最終的に、
彼はエル・キャピタンを完登します。
ハッピーエンドです。
が、私はぐったりしてしまいました。