2010年12月
私は、歩くの大好き「アルキニスト」と自称しております。
京都駅から6~7kmの自宅までも歩きますし、
仕事帰りに酔っぱらっていても歩いちゃいます。
タクシーに乗ることなど滅多にありません。
やたら話のくどい運転手さんに付き合わされるのがイヤなんです。
荷物がやたら多い時や、へべれけに泥酔してたらお世話になるんですけど、
そうでなければ歩きか公共交通機関。
歩くペースはかなり速いと思います。
小さな交差点なら、赤信号でもどんどん渡ってしまいます。
が、ある本の影響で、どんなに小さな交差点でも、赤信号では止まろうと決めました。
すると、不思議と街の様子がよく見えるようになったのです。
「アルキニスト」ですから、これまでもよく見えていると思っていたのです。
もちろん、車を運転している時よりはよく見えているでしょう。
が、立ち止まって見る景色は、また違うものだったのです。
そういえば、師走かどうかにかかわらず、
私はいつもせかせかしていたような気がします。
そこで、意識的にいろんなことのスピードを落としてみようと考えました。
例えば、腹筋運動。
勢いでバンバンやれば、回数を稼ぐことはできます。
が、勢いをつけずにゆっくり起こして倒してするのは、本当にしんどい。
きっと、後者の方が効果があるように思います。
(やったことはないけど、太極拳のあのゆっくりした動き、難しいのでしょうね)
2010年ももうすぐ終わり。
が、なんとか慌てずに今年を締めくくりたい。
そして2011年、いろんな物事をじっくり味わいながら歩いていきたいな、と思います。
書き込み2010年12月28日
皆さんは、ご自身の楽譜に何を使って書き込みされるでしょうか?
鉛筆でしょうか?
シャープペンシルでしょうか?
それとも赤色や青色のペンでしょうか?
私が使うのは5Bか6Bの鉛筆です。
何と言っても「濃い」のがいい。
演奏中の読み取りは一瞬にして行わないといけないので、
濃くて目立つというのは本当にありがたい。
そして、消しやすい。
例えば、楽曲の解釈に関わることを書き込んだとします。
でも、合奏しているうちに考えが変わることもあります。
前に書き込んだことを一旦消して、新たに書き込むのが簡単。
5Bや6Bを使うようになったのは、
ある編曲家の先生と話をしていて思い浮かんだことでした。
先生の編曲作品をレンタルしたい、
ついては返却の際に書き込みをどうすればいいのか聞いたのです。
5Bとか6Bとかの芯が軟らかい鉛筆で書き込みすれば、
消すのが容易だと教えられました。
「なるほど、それならば普段の書き込みも5Bや6Bを使ってみたらいいんじゃないかな」
と思った訳です。
早速、JR京都伊勢丹のステーショナリー売場に行きました。
先日退団してしまいましたが、せせらぎで長年ホルンを吹いてきたMさんが働いているからです。
2Bまでしか知らない私は、5Bや6Bなんてのは特殊な鉛筆で、
特別に取り寄せてもらわないと手に入らないと思い込んでいたのです。
が、Mさんに聞くまでもなく、店頭に沢山売っていました。
別に、特殊なものではありませんでした。
(今では近所のホームセンターで普通に買っています)
使ってみると、これがいい!
先述の如く、濃いのがとても気に入りました。
ただし、芯が軟らかいということは、丸くなるのも早い。
しょっちゅう鉛筆削りしているような気がします。
私は元々ホルン吹きです。
トランペットやクラリネットのように華々しく目立つ楽器ではありません。
和音命!な面が強いと思います。
中学時代、そんなホルン吹きの心情をテーマに弁論大会に出ました。
いやいや、誰も出たがらないので担任の先生の指名で出されたのです。
お題は『縁の下の力持ち』。
大学時代から棒振りとなって二十数年、
いろんな楽器の特性と触れあってきました。
それぞれが、それぞれの役割を果たしていることを感じ取ってきました。
ホルンが縁の下の力持ちであるという考えに変わりありませんが、
ホルン以外にも縁の下の力持ちが沢山います。
その中から、今日は敢えて、
ユーフォニアム、E♭クラリネット、アルト・クラリネットの3つについて
私自身の思いを述べてみたいと思います。
(1)ユーフォニアム
管弦楽では滅多に編成されません。
しかし、ユーフォニアムの編成されない吹奏楽なんて考えられません。
テューバとともにベースラインを形成したり、
あるいはベースラインの5度上を響かせたかと思えば、
トロンボーンとともにメロディーや和音を演奏したかと思えば、
ホルンのオクターヴ下を支えたかと思えば、
バスーンやテナー・サックスとともに対旋律を吹いたかと思えば、
クラリネットやトランペットやコルネットのオクターヴ下でメロディーを奏でたりする。
こんなにマルチな楽器、他に知りません。
モッチー先輩、カヨお姉様、いつも大忙しですな。
ありがとうございます。
(2)E♭クラリネット
一般的に、クラリネットといえばB♭管。
B♭は「ベー」と発音し、ピアノ鍵盤ではシ・フラット。
B♭クラリネットが吹くドの音は、ピアノではシ♭に相当します。
E♭の発音は「エス」。ピアノ鍵盤ではミ・フラット。
E♭クラリネットのドは、ピアノではミ♭です。
E♭クラリネットはB♭クラリネットより短いので、より高い音域で活躍します。
E♭クラリネットより高い音域にはフルート、ピッコロがいますので、
E♭クラリネットはフルート/ピッコロとB♭クラリネットのつなぎ役を果たします。
野球で言えば、トップバッターとクリーンナップをつなぐ2番打者かな。
それだけじゃなく、その硬質な音色を活かしたソロも多いので、
長打力のある2番バッターって感じでしょうか。
ミサキちゃん、ご苦労さんアルヨ。
(3)アルト・クラリネット
E♭管というと、なぜか目立つ楽器が多いようです。
先程のE♭クラリネットもそうだし、アルト・サックスもE♭管です。
同じE♭管でも、アルト・クラリネットは、
華やかというより、いぶし銀の渋さを感じさせてくれます。
『水戸黄門』の登場人物に例えるなら、やっぱ「風車の弥七」でしょうな。
ここぞ!というところをビシッと締めてくれるのです。
B♭クラリネットとバス・クラリネットの隙間を埋めてくれるのも、
対旋律を吹くユーフォニアムとテナー・サックスをつないでくれるのも、
み~んなアルト・クラリネットです。
さすが、ケイコ団長!
~他の楽器についても、追々、私の存念を述べてまいりましょう。
12/5(日)、臨時の合奏日でした。
スパークの交響曲第1番「大地、水、太陽、風」との格闘が続きます。
指揮者としては、意外と読みやすい楽曲です。
音のパターンが捉えやすいからです。
フラットやシャープが多いとしても、和音はとてもシンプル。
ソ♭・シ♭・レ♭と並んで、な~んだ、G♭のドミソやんか、
シ・レ♯・ファ♯と並んで、な~んだ、Bのドミソでんがな、
といった具合。
が、演奏する立場からいったら、やはり厄介なもの。
例えば、第750小節でD♭と書いてあったものが、
第751小節ではC♯と書かれたりすると、
「なんでやねん?」となるでしょう。
まさにここでG♭のドミソからBのドミソへの切替えが発生しています。
♭系の和音から♯系の和音への転換な訳です。
理屈はそうですが、プレイヤーにとっては負担ですな。
でもまた、この曲の中でも特筆すべき美しい場面なのであります。
さてさて、この曲は北アリゾナ大学の委嘱により書かれたそうです。
スパーク自身は行ったことがないけれども、
アリゾナの大自然を想像して描写したそうです。
私は勝手に“地球愛”の表現だと思っていますが、
ガミラスの遊星爆弾攻撃による放射能汚染から地球を救うべく、
放射能除去装置があるという14万8千光年彼方のイスカンダル星へ旅立つ
『宇宙戦艦ヤマト』に通じるスピリットを感じます。
「地球をおもって」という共通点があるのではないでしょうか。
なぜか今回の選曲はヤマトに繋がるものを感じています。
カッパドキアはトルコのアナトリア高原中部に広がる地域。
地底都市の遺跡が発掘されています。
一説には、ローマ帝国の迫害から逃れたキリスト教徒が建設したものと言われています。
ガミラスの遊星爆弾攻撃による放射能汚染から逃れ、
地下都市を築き生き延びている地球人類。
ヤマトの世界観と何か似ていませんか?
しかし、コンサート実行委員によると、
これらの選曲意図とヤマトとは何の関係もないそうです。
う~ん…
ただ、せっかく選曲されたんだから、
少しでも地球のため、エコな暮らし方を目指してみようかな、と思っています。
地球のために残さず食べる、というCMがありますが、
注いだ酒は残さず呑む、ということから始めてみようか、と。
あっ、既にできてますけど…
今から約20年前、初めて聴いたスパークの曲が『オリエント急行』。
ラジオから流れてきたのはブラスバンド(金管バンド)原典版。
スパーク自身による吹奏楽編曲は未だ世に出ていない頃です。
コンテンポラリーなのに、ちっとも難しくない。
いや、むしろ馴染みやすい。
すっかりスパーク・ミュージックの虜となったのでした。
せせらぎの皆さんもスパークが好きで、
『ジュビリー序曲』『祝典のための音楽』『セレブレーション』等、
多くの曲を演奏させていただいてきました。
この度、『交響曲第1番「大地、水、太陽、風」』に取り組むことになりました。
夏には『ダンス・ムーヴメント』を少しかじってみました。
やはり“スパーク節”を感じさせるところはありますが、
『オリエント急行』の頃とはかなり変わってきたな、と感じます。
まず、最初から吹奏楽用として書かれていること。
スパークといえばブラスバンドを先に書いて、
後から吹奏楽に編曲するパターンが多かったのですが、
『交響曲第1番』も『ダンス・ムーヴメント』も最初から吹奏楽です。
次に、楽器の使い方がかなり変わりました。
以前は編成されていたコルネットを、最近は見かけなくなりました。
代わりにトランペットが4番まであるケースが多いようです。
ピアノやハープも大活躍します。
最近のスパーク・サウンドには不可欠な音色だと思います。
それから、音楽がゆったりしてきたなぁ、と感じます。
もちろんスパークらしい忙しいパッセージは沢山ありますが、
音楽の幅がぐっと広がってきたように思います。
でも、調号を用いず、臨時記号に追いまくられる書法は相変わらず。
ついていくのが大変ですが、頑張っていきましょう。
スパークの“地球愛”を表現すべく。