ほめほめふせん2011年2月8日

どのように音楽作りしていくか、
いつもいつも悩んでいます。
丁寧にやらなきゃ!と思いつつ、
気になったこともついつい流してしまいがち。
というのも、実質的に1回当たり1時間強くらいしか合奏時間がないので、
とにかく楽器を演奏してもらったほうがいいだろうと思ってしまうため。
この状況から長々と抜け出せずにいました。

スパークの交響曲第1番には、
とにかく丁寧に取り組んできています。
その際、スタディ・スコアの存在がとても役立っています。
出番がなかなか回ってこないパートの人は、
スコアを見ながら出番を待っています。
あるパートだけ抜き出して練習するときには、
他のパートの人はスコアを見ながら聴いています。
また、気になることがあれば、
ちょくちょくスコアを覗く姿をよく見掛けます。

一番気になる「出番待ち時間の有効利用」が出来てきているようです。

しかし、一人一人持つことのできるスタディ・スコアは、
スパークの交響曲しかありません。
他の曲の合奏中、
あるパートだけ抜き出して稽古していたら、
待っている間に寝てしまう人もいるんじゃなかろうか?
ついつい、そんな心配もしてしまいます。
一日の仕事を終えての合奏ですから、
学校の放課後、吹奏楽部の合奏よりも状況は厳しいのです。

そんなとき、若いメンバーが新たなアイディアを出してくれました。
それが表題の『ほめほめふせん』です。

これは、自分以外のプレイヤーの良かったところを付箋に書いて、
その人に渡してあげるというシステム。

良かったところを書くためには、
まずはよく聴かないといけません。
音楽の練習の大基本、
「聴く」ことのトレーニングになりますな。

また「待ち時間の有効利用」につながります。
仕事を持ちながら合奏に参加する人たちの集まりである一般バンド、
そして、その指揮者にとり、
大変ありがたいシステムだと感じています。
寝てたら聴くことも書くこともままなりませんからな。

聴いて、その感想を言葉にする。
これって、結構難しいことです。
が、敢えて言葉に変換するという行為は、
表現力を磨くことにもつながる筈です。

そして、その言葉を相手に伝えるという行為。
一般バンドをやっていると、ほとんどが合奏時間のため、
指揮者とプレイヤーは向かい合っている時間が多いですが、
プレイヤー同士だと、
よく知っている人とそうでない人の差が大きくなりがち。
でも、本当はみんながよく知っている人であったほうが、
演奏、というかアンサンブルはスムーズになると思います。
よく知らない人に付箋を渡すことで、
少しでも知り合いになっていってくれたらなあ、と思います。

まだスタートしたばかりのシステムですが、
いい感じで運用していけたらいいな、と思います。

さて、プレイヤーの方々は待ち時間があるでしょうが、
指揮者にはそれがない。
合奏後に走り書きする時間くらいしかないのですが、
これまたスタジオからの撤収が優先するので、
結構難しい。
打楽器パートの人も相当難しいでしょうね。

申し訳ありませんが、
運用開始の2/4(金)は、私は何も書けませんでした。
そこで、「ほめほめふせん」の代わりに、
ここでぼそっと「ひとりごと」を。

『雷神』の途中、トランペットが信号ラッパ風のメロディを吹くところ。
そのメロディ自体はユニゾンなのですが、
アウフタクトはdiv.しています。
この日の合奏に参加できたトランペットの中川さんと柴田さんは、
そのdiv.の箇所を、
何回やっても見事にドとレでぶつけていました。
2度音程なので、結構不安になる箇所だろうと思うのですが、
本当に見事なぶつけ方でした。

もしかすると、他のパートの方で、
何回やっても二人の音が当たりっぱなしだと思ったとしたら、
それはそれでよく聴いていると思いますよ。
何せ、div.するのはアウフタクトだけで、
その後はずっとユニゾンですからね。

では、次のステップを提案します。
疑問に思ったら、合奏後にトランペット・パートを訪ねてみましょう。
二人のパート譜を見たら、
「ああ、そうなんや」と勉強になると思います。
ここで新たなコミュニケーションが生まれるんとちゃうかな。

または、スコアを覗いてみてください。
一人一人に行き渡るスタディ・スコアはありませんが、
スタジオ留置のスコアは各曲に1冊ずつは用意してありますので。
もちろん私を訪ねてくださることでも
スコアをご覧いただけますよ。