2017年11月

こんなに怖いゴジラは初めて観た2017年11月28日

『 GODZILLA 怪獣惑星』を観ました。
ゴジラ映画として、かつてない怖さを経験しました。

子供の頃みたゴジラ映画の中では、
『ゴジラ対ヘドラ』が怖かったのを覚えています。
最後まで観ることができずに途中で映画館から出てしまったくらい。
ヘドラの容姿が堪らなく嫌だったのです。

今ならば公害問題がベースにある「社会派ゴジラ」として鑑賞できると思うのですが。

『シン・ゴジラ』も怖い作品でした。
ゴジラが現実に存在する状況を思い浮かべたとき、
本当に起こりそうな世の中の動きが描かれていたからです。

ゴジラよりも人間社会が恐ろしい。
やはり「社会派ゴジラ」と言えるのでは。

『 GODZILLA 怪獣惑星』はゴジラ初のアニメ化だとそうですが、
その恐ろしさたるやこれまでの比ではありません。
絶望感に打ちのめされそうになりました。

少しだけ希望があるとすれば、
続編が制作されていること。
『 GODZILLA 怪獣惑星』だけで終わりでは、
全く救いがなかったので。。。

それから、音楽も斬新でした。
伊福部昭さんの、ゴジラのテーマ音楽を全く使っていませんから。

2017年映画ベスト52017年11月26日

京都シネマから送られてきた会報に、
「 2017 京都シネマ BEST 10 投票用紙」が挟まれていました。
京都シネマ以外で上映されたものも含めて5作品書くことができます。
例年のことですが、今年も考えてみます。

今年観た作品の中から、
洋画・邦画に関係なく、
シネコンで観たかミニ・シアターで観たかに関係なく、
まずは以下の18本をノミネートしてみました。

『本能寺ホテル』
『沈黙 -サイレンス-』
『ザ・コンサルタント』
『愚行録』
『ラ・ラ・ランド』
『わたしは、ダニエル・ブレイク』
『幸せなひとりぼっち』
『ひるね姫』
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
『メッセージ』
『美しい星』
『ジーサンズ』
『パターソン』
『ドリーム』
『ユリゴコロ』
『エルネスト』
『女神の見えざる手』
『ローガン・ラッキー』

第1位以外は散々悩みましたが、
私なりに以下としてみました。

第1位 『メッセージ』

私の中では揺るぎようがありません。
あまりにも良かったのでリピートした作品です。
その2回目の鑑賞の2時間が、
今年私が味わった時間の中で、
最も幸せな時間でした。

第2位 『ドリーム』

努力の素晴らしさを信じさせてくれる映画だと思います。
ブラボー!

第3位 『女神の見えざる手』

いや~、やられました。
ダーク・ヒーロー(ヒロイン)が活躍するという点では、
『ナイトクローラー』の女性版と言えるかも知れません。

第4位 『美しい星』

三島由紀夫唯一の SF 小説を吉田大八監督がメガホンを取って映画化。
監督の作家性が際立つ一本。

第5位 『愚行録』

妻夫木聡さんと満島ひかりさんが兄と妹の役で共演。
トップ・ランナーが渾身の演技をすると、
こんなに凄い映画ができるのですな。

※※※

ちょいと番外となりますが、
注目する俳優さんはアダム・ドライバーです。
上記の中でも、
『沈黙 -サイレンス-』
『パターソン』
『ローガン・ラッキー』
に出演。
『スター・ウォーズ』でカイロ・レンを演じているのも彼。
特に『パターソン』での佇まいが良かったと思います。

メトロノームよりも走ってしまう現象2017年11月25日

11月24日(金)は、

ピッコロ × 1
フルート × 1
バスーン × 2(見学1含む)
E♭クラリネット × 1
B♭クラリネット × 6
アルト・サックス × 1
トランペット × 6
ホルン × 4
トロンボーン × 2
ユーフォニアム × 2
テューバ × 1
パーカッション × 2

そして私の計30人で合奏しました。

『「リヴァーダンス」よりハイライト』の3回目。
5つの楽章に分かれていて、
連続演奏(アタッカ)する楽章もあれば、
一旦止めてから次の楽章に入るパターンもあります。
が、楽章ごとに練習の仕切りが必要なので、
今のところアタッカはやっていません。
(雰囲気だけ味わうため数小節のアタッカをすることはありますが)

目下の集中ポイントは変拍子と格闘する第2楽章。
先週は8分音符=100 、144 で練習しましたが、
今週は 144 、184 で練習しました。

この楽章のテンポ設定としてはまだまだ遅いのですが、
土台作りをしっかりしたいので、
バッチリ遅くやってます。

面白いもので、
どのテンポ設定でも、
メトロノームを突破して速くなってしまう箇所って決まってます。
4分音符が2つ並ぶとき、
8分音符4つ分のカウントが速くなるのです。

私の恩師から、
それは余裕のない証拠であり、
しっかり練習しなきゃならないポイントだと教わっています。

大人になるとメトロノームを使って練習しなくなる傾向にあると思いますが、
中高生の頃を思い出し、
がっつりメトロノームに向き合う練習も大切だと思います。

東京佼成ウインドオーケストラ第136回定期演奏会を聴く2017年11月24日

11月23日、勤労感謝の日。
若手社員が休日出勤を志願してくれたおかげで、
思いがけず休めることになり、
日帰りで東京へ行ってきました。
池袋の東京芸術劇場で開催される、
東京佼成ウインドオーケストラ第136回定期演奏会を聴くためです。

雨の中の東京行きかと思いきや、
すっきり晴れました。
これまで何度も新幹線に乗っていますが、
浜名湖から富士山を見たのは初めてです。
(そもそも、見えるとは知りませんでした)

今回の指揮は飯森範親さん。
プログラムは、
コンサートマスター田中靖人さんのソロによるコンチェルト、
クロード・スミスの『華麗なる舞曲』、
高橋悠治さんへの委嘱作品が世界初演されるなど盛り沢山。
開演前から会場の熱気がいつもと違います。

1曲目はクロード・スミス作曲『バンドへの贈りもの』。
アメリカの高校の委嘱作品ということですが、
こんなに音が動き回る曲が高校の委嘱とはビックリです。
ですが、TKWO は、いともあっさりと演奏してしまいます。

2曲目はポール・クレストン作曲『アルトサクソフォン協奏曲』。
とても有名なコンチェルトで、
かつて前任のコンサートマスター須川展也さんのソロで聴いたことがあります。
今回のソロは前述の通り、
現在のコンマス、田中靖人さんです。

とても素晴らしい演奏!
最終小節の和音が鳴り響いた瞬間に「ブラボー!」を発したのは、
私の5列前に座る須川さんでした。

3曲目はクロード・スミス作曲『華麗なる舞曲』。
のっけからテンポの速さに圧倒されました。

この曲を日本で始めて演奏したのは、
おそらく我が母校です。
高校生らしい、溌剌としたハイ・テンポでしたが、
今回の TKWO はそれを上回る速さ。

飯森さんが全くタクトを緩めようとしません。
例えば、
16分音符が連続するパッセージの途中、
8分音符が何個か挟まると、
途端にテンポ感が緩むものです。
自然とそうなるのです。
が、飯森さんはあくまでも緊張感を持続させようとします。
プレイヤーの皆さんも必死で喰らいついてきます。

まるで F1 パイロットが、
マシンを限界ギリギリまで追い込んでいるかのようです。

万雷の拍手が鳴り響き、
これですべてのプログラムが終わったみたいでしたが、
あくまで第1部の終了。
休憩後、第2部に突入です。

4曲目は TKWO 委嘱作品の世界初演となる、
高橋悠治さん作曲の『透影』。
「すきかげ」と読むそうです。

現代音楽で、私には難しかった。
興味深いとは思うのですが。。。

演奏後、飯森さんに手招きされて客席から舞台に上がった高橋さん。
80近いご高齢だからか、ひょこひょこ歩く姿がとてもチャーミング。
スーツを着るでもなく、おそらく普段着であろうラフな着こなしが逆に好印象でした。

ラストの5曲目は、
ショスタコーヴィチ作曲『バレエ組曲「ボルト」』。
私は初めて聴きます。

ここでの飯森さんは『華麗なる舞曲』とは違い、
テンポを追い込んでいきません。
割と自然な流れに任せているようです。

演奏会を聴きに行っても、
タクトを持つ指揮者の「手元」がどうなっているのか、
よく分かりません。
当たり前のことですが、
指揮者は客席に背中を向けているからです。

が、飯森さんの動きはダイナミックで、
下手側や上手側にハッキリ向き直って指揮する場面が多々あります。
そんなときに手元がよく見えて、
とても勉強になりました。

おそらくこの定期の模様は、
ライブ録音盤が発売されるのではないかと思います。
最近の TKWO は、
セッション・レコーディングよりもライブ盤に力を入れているようなので。

CD あるいは DVD、はたまた BD などをゆっくり見聴きすると、
生で見聴きしたそのものまでは感じ取れないかもしれません。
そんなことを差し引いても、
この日の演奏は凄かったと断言できます。

変拍子との格闘2017年11月18日

11月17日(金)は、

ピッコロ × 1
フルート × 2
バスーン × 1
E♭クラリネット × 1
B♭クラリネット × 6
アルト・サックス × 2
トランペット × 5
ホルン × 4
ユーフォニアム × 1
テューバ × 2
パーカッション × 3
ピアノ × 1

そして私の計30人で合奏しました。

『「リヴァーダンス」よりハイライト』に取り組み始めています。
ビル・ウィーラン作曲、ヨハン・デメイ編曲。
第2楽章の変拍子がとても難しい曲です。

第1回目の先週は、
指揮者である自分自身の制御が効かなくなり、
どんどんテンポを速くしてしまいました。

もちろん、
最終的にはハイ・テンポで演奏できるようにしたいですが、
初合奏の段階としては「やっちまった」なテンポ設定でした。

反省しきりです。

第2回目の昨日は、
メトロノームのお世話になることにしました。
転がりそうになるテンポ感を、
メトロノームを聴きながら振ることで抑えを効かせました。

8分音符=100。
楽曲指定のテンポが4分音符=200 ですから、
4倍の遅さということになります。
まずはしっかり慣れていこうということですな。

この日の2回目のトライでは、
8分音符=144 にアップしてみました。
さすがに 100 は遅すぎたかもしれません、
144 のほうがノリやすそうに感じました。

次回は 144 でスタートし、
できればもう少しテンポ・アップできたらと思います。
が、他の楽章にも取り組まないといけないので、
あまりやり過ぎないようにも気を付けたいと思います。

ところで、
7/8拍子は、
2+2+3の場合と、
3+2+2の場合があります。
やはり合奏だけでお伝えするのは難しいので、
別の方法でお伝えしようと思います。

あと、
リハーサル記号「124」の記入をお願いします。

『ノクターナル・アニマルズ』を観る2017年11月14日

あまりに衝撃的な内容。
いつもならパンフレットを買って、
映画を反芻するのですが、
この映画はもう充分だと思い、
パンフを買いませんでした。

が、観てから数日経っても思い出されるばかりの映画。
そんなに気になるなら、ということで、
改めてパンフレットを買い、読んでみました。

私にとっての今年のベストは『メッセージ』で揺るぎません。
その『メッセージ』に主演したエイミー・アダムスが『ノクターナル・アニマルズ』でも主演。
演技力のある人は何だってできるんですな。

あひるが丘保育園・依頼演奏2017年11月13日

秋晴れの11月12日(日)。
向日市物集女の「あひるが丘保育園」さんの、
「秋のお楽しみ会」での依頼演奏に行ってきました。

「行ってきました」と書くと、
私も演奏したみたいに聞こえますが、
私は取材に行っただけ。

出演してくれたのは「マイマイズ」。
せせらぎのホルン・チームです。
楽器の形状がネーミングの由来です。

20171112あひるが丘保育園依頼演奏その6

持ち時間が20分弱だったので、
演目は3曲。

まず1曲目は『でんでん虫組曲』。
あの、「で~んでんむ~しむしか~たつむり~」の変奏曲です。
ホルンらしさを活かした見事な選曲。

楽団内のアンサンブル発表会でも演奏されていた楽曲です。

2曲目は E テレの『ピタゴラスイッチ』のテーマ曲。
ホルン・アンサンブルをベースとしつつ、
リコーダー、ウッドブロック、鈴、ヴィブラスラップも取り入れた楽しい演奏。

もしも30年前の就職活動をやり直せるのなら、
ピタゴラ装置の制作か、
泥ニメーションの制作に携わりたい、
というのを思い出しました。

そして最後に『となりのトトロ・メドレー』。
テーマ音楽だけでなく、
劇中音楽を巧みに取り入れた編曲。

作品世界とホルンの音色とがベスト・マッチ。

あひるが丘保育園の皆さん、
楽しんでいただけたでしょうか。

実は私自身が楽しませてもらいました。

そしてマイマイズの皆さん、お疲れ様でした。

※※※

この日、
西は物集女から、
東は高野まで歩き倒しました。

帰り道の出雲路橋から観た夕焼けがきれいでした。

20171112出雲路橋からの夕景

リズムと音程2017年11月11日

11月10日(金)は、

ピッコロ × 1
フルート × 3(見学1含む)
E♭クラリネット × 1
B♭クラリネット × 8
アルト・サックス × 1
トランペット × 8
ホルン × 3
トロンボーン × 2
ユーフォニアム × 2
テューバ × 1
パーカッション × 3

そして私の計34人で合奏しました。

来年の1月末の日曜練習で、
選曲されている楽曲すべてを合わせることができるよう、
「広く浅く」取り組んでいるところです。

ただし、
「広く浅く」と言っても、
「荒っぽくて無茶苦茶」とはならないよう、
注意しているつもりです。

肝心なのはリズムですかな。

せめてリズムが理解できているところまでは、
今の段階で詰めておきたいところ。

そして音程ですな。

この際、
強弱の変化は無視したとしても、
リズムと音程はなんとか嵌め込んでおきたい。

『ゴースト・トレイン』を聴く2017年11月10日

堤俊作指揮・大阪市音楽団の CD 『ニュー・ウィンド・レパートリー1999』。
何気なく聴いていて、
トラック2~4に収録されている『ゴースト・トレイン』という楽曲に心を鷲掴みにされました。
エリック・ウイッテカーの1996年の作品。
今から21年前に作られたことになります。

せせらぎで演奏したことのあるロバート・スミスの『海の男達の歌』や、
スティーヴン・ライニキーの『ホープタウンの休日』も収録されている CD なので、
聴いたことがある筈です。
また、
『ゴースト・トレイン』っていう凄い楽曲があると話題になったのは覚えているので、
聴き飛ばした筈はありません。

以前聴いたときは、
印象に残らなかったのでしょうか?
それとも、
1990年代後半というのは仕事が忙しすぎた時期なので、
もしかしたら聴いていなかったのかも。

神秘的。
ロマンチック。
旅に出たくなる。

変拍子との格闘2017年11月9日

高速変拍子が炸裂する難曲『「リヴァーダンス」よりハイライト』。
その合奏練習にもうすぐ突入します。

4/4拍子なら「4/4」、
6/8拍子なら「6/8」と、
濃く太く 5B 以上の鉛筆で書き込んでおくのが常の準備ですが、
『リヴァーダンス』はそれでは追いつかない気がします。

そこで、
多くの指揮者の方々が書き込みされる、
直感的に分かりやすい図形を用いてみることにしました。

決まった書き方はなく、
各自がよいように書けば OK 。

ではあるんですが、
例が欲しいと思い、
『学ぼう指揮法』や、
岩城宏之さんの『楽譜の風景』に書いてある例を参考にしました。

特に岩城宏之さんの本に書いてあった、
1950年代半ばに来日し N 響を振ったジャン・マルティノンの図形に近いものにさせてもらいました。

ひとまず書き込みできましたが、
それで安心してしまわないように気を付けます。