無題2009年1月13日
年が明けて2009年となりました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
新年の初練習を1/9(金)に行いました。曲目は変わり映えしませんが、『ベルキス』第4楽章を引き続き、です。
今回思ったのは、全体のバランスについてです。
ファースト・トランペットにハイDやハイDesなんかが出てくる終結部、私は無理して超高音を絞り出す必要はないと思います(曲で使えるレベルまで鍛えこんである音ならば別ですが)。
ですのでファースト・トランペットには超高音の箇所だけ一時的にセカンドをプレイしてもらい、代わりにE♭クラリネットとソロB♭クラリネットのパートにファースト・ペットの音を吹いてもらうことにしています。 (遂にコンマス宇野君がE♭クラを入手しました!)
このとき、クラリネット・プレーヤーには、すんなりファースト・ペットから流れを引き継ぐことができているか、不安だそうです。特に、ペットからクラに移ったところで、ガクンと音量が落ちるのではないかと心配なんだそうです。
お答えしましょう。大丈夫です。何の違和感もありません。
かつて、『となりのトトロ』の主題歌『さんぽ』を幼稚園の依頼演奏などで採り上げたことがあります。ファースト・ペットにハイB♭の3連符が書いてあるのをFに下げ、代わりにファースト・クラでハイB♭をやるようにちょこっと手直ししたのですが、実にうまく響きました。
このような経験もありますので、本当に大丈夫です。
このコーナーが始まった頃、『ディスコ・キッド』のホルンを絶賛したことがあります。1/9の『ベルキス』も同じ顔ぶれでしたが、やはりペットにもボーンにも負けていません。ボリュームという観点からは小さいかも知れませんが、
実際にホルンがよく聴こえるのです。
いったいなぜでしょうか?
それは、音色が美しく、音の立ち上がり(アタック)がハッキリしていて、二人の演奏が揃っているからだと思います。
もしも人でごった返すパーティーに出席したとしましょう。いろんな人がいろんな人といろんな話題でガヤガヤしています。そこに、素敵な異性が近づいてきました。耳元で「ふたりで外の風に当たりに出ませんか」と甘く美しい声でささ
やかれます。絶対聴こえるでしょう?
僕は「バランス」に通じるものがここにあると思っています。
大切なのは力任せに吹くことではなく、心をこめて美しく奏すること。美しく、かつ楽器毎に揃った音ならば伝わるのです、たとえボリュームが小さかったとしても。
筋肉ムキムキにならなくていいのだ、ただジャストミートを目指せばいいのだということを、これからもっと伝えていかなければならない、そう感じた年初の練習でした。