縁の下の力持ち2010年12月20日

私は元々ホルン吹きです。
トランペットやクラリネットのように華々しく目立つ楽器ではありません。
和音命!な面が強いと思います。
中学時代、そんなホルン吹きの心情をテーマに弁論大会に出ました。
いやいや、誰も出たがらないので担任の先生の指名で出されたのです。
お題は『縁の下の力持ち』。

大学時代から棒振りとなって二十数年、
いろんな楽器の特性と触れあってきました。
それぞれが、それぞれの役割を果たしていることを感じ取ってきました。
ホルンが縁の下の力持ちであるという考えに変わりありませんが、
ホルン以外にも縁の下の力持ちが沢山います。
その中から、今日は敢えて、
ユーフォニアム、E♭クラリネット、アルト・クラリネットの3つについて
私自身の思いを述べてみたいと思います。

(1)ユーフォニアム

管弦楽では滅多に編成されません。
しかし、ユーフォニアムの編成されない吹奏楽なんて考えられません。

テューバとともにベースラインを形成したり、
あるいはベースラインの5度上を響かせたかと思えば、
トロンボーンとともにメロディーや和音を演奏したかと思えば、
ホルンのオクターヴ下を支えたかと思えば、
バスーンやテナー・サックスとともに対旋律を吹いたかと思えば、
クラリネットやトランペットやコルネットのオクターヴ下でメロディーを奏でたりする。

こんなにマルチな楽器、他に知りません。
モッチー先輩、カヨお姉様、いつも大忙しですな。
ありがとうございます。

(2)E♭クラリネット

一般的に、クラリネットといえばB♭管。
B♭は「ベー」と発音し、ピアノ鍵盤ではシ・フラット。
B♭クラリネットが吹くドの音は、ピアノではシ♭に相当します。

E♭の発音は「エス」。ピアノ鍵盤ではミ・フラット。
E♭クラリネットのドは、ピアノではミ♭です。

E♭クラリネットはB♭クラリネットより短いので、より高い音域で活躍します。
E♭クラリネットより高い音域にはフルート、ピッコロがいますので、
E♭クラリネットはフルート/ピッコロとB♭クラリネットのつなぎ役を果たします。
野球で言えば、トップバッターとクリーンナップをつなぐ2番打者かな。

それだけじゃなく、その硬質な音色を活かしたソロも多いので、
長打力のある2番バッターって感じでしょうか。

ミサキちゃん、ご苦労さんアルヨ。

(3)アルト・クラリネット

E♭管というと、なぜか目立つ楽器が多いようです。
先程のE♭クラリネットもそうだし、アルト・サックスもE♭管です。

同じE♭管でも、アルト・クラリネットは、
華やかというより、いぶし銀の渋さを感じさせてくれます。
『水戸黄門』の登場人物に例えるなら、やっぱ「風車の弥七」でしょうな。
ここぞ!というところをビシッと締めてくれるのです。

B♭クラリネットとバス・クラリネットの隙間を埋めてくれるのも、
対旋律を吹くユーフォニアムとテナー・サックスをつないでくれるのも、
み~んなアルト・クラリネットです。

さすが、ケイコ団長!

~他の楽器についても、追々、私の存念を述べてまいりましょう。