2015年03月
映画『タイタンの戦い』の DVD を借りるためツタヤに行きました。
イヤ~、実に久々のツタヤです。
やはり映画は映画館で観ることが多いですし。
自宅で観るにしても、NHK BS プレミアムでかかっていたのを録画しておいて、というのが多いので、このところツタヤに行ってませんでした。
ところで、なぜ『タイタンの戦い』なのか?
それは私たちが演奏する『ペルセウス』と大いに関係があります。
この曲はギリシャ神話のペルセウスの冒険譚に想を得ており、作曲者自身が『タイタンの戦い』の影響を受けたと明言しているからです。
ダイレクトな楽曲研究に繋がると思い、レンタルしたのです。
棚には、1981年の映画と、2010年の映画とがありました。
2010年のほうはリメイク版のようです。
作曲者が影響を受けたのは1981年版のようですので、もちろんそちらを借りました。
ストーリーは………有名なのだと思います。
登場人物の名前はほとんど耳にしたことのあるものばかり。
ただし、その繋がりや関係性が全く分かっていなかったので、ようやく私の頭の中で繋がりました。
(いつまで覚えていられるか甚だ不安ですが…)
海の怪物クラーケンや空飛ぶ馬ペガサスなどがストップモーションで表現されていて、今となっては逆に新鮮な映像でした。
どうでもいいんですが、ペルセウス役の若者が、なんだか江口洋介さんに見えて仕方ありませんでした。。。
さてさて、『ペルセウス』ではオーシャン・ドラムやレインメーカー(レインスティック)といった “ 水の音 ” を表現するパーカッションが登場します。
なぜ水の音が必要なのか、映画を観て私なりに理解できた気がします。
ペルセウスの母国はクラーケンの引き起こす津波によって滅ぼされること。
クラーケンの生贄にされかかった王女アンドロメダをペルセウスが救出したとき、二人の足元には静かな波が寄せては返していたこと。
こうした重要な要素を表現するのに必要なのではないでしょうか。
強弱記号に「fp」というのがあります。
「フォルテピアノ」と読みます。
「フォルテ」が強い、「ピアノ」が弱いという意味。
強く弾いた直後に弱くせよという指示です。
似たような記号に「ffp」「ffpp」「sfp」「sfzp」「sffp」「sffzp」など、様々。
作曲者の思い、考え方等で記譜方法は変わりますが、ざっくり申し上げて「強く弾いた後に弱くせよ」というのには変わりありません。
ところで、「フォルテピアノ」した直後にクレッシェンド、つまり音量を上げていくというケースが結構多いです。
プレイヤー諸氏にとっては、クレッシェンドの指示を見た途端、音量を上げたくなるようです。
なので、「ピアノ」の時間をなかなか作れない、という現象がよく起こります。
つまり、クレッシェンドの効果があまりないということに繋がります。
昨日稽古した『モンハン』でそれが顕著でした。
「音を強くするのを急がない」というのは常々伝えていきたいと思います。
もちろん、全部が全部じゃないですけどね。
また、静かな場面を引き継ぎ途中からインしてくる楽器の音量も、「フォルテ」と書いてあるからと言ってビックリするほど大きな「フォルテ」ではなく、密やかにしゃべりかえるような感じがいいと思える場合もあります。
よ~く研究してほしいと思うし、私からも要望を伝えていきたいなと思います。
一直線に暖かくなるぞ!とは思っていませんが、これほどの寒さがぶり返すとも思ってもいませんでした。
雪がちらつく日もありましたし。
そんなこんなで桜の開花ペースはゆっくりになった感じです。
その代わりといっては何ですが、桃の花が満開です!
通勤途上の京都御苑の桃林、とっても綺麗です。

アップしてみますと…

よい香りがたちこめています。
(と言いたいところですが、花粉症でして…)
『ペルセウス』という楽曲を合わせていると、「アクセント・テヌート」という記号が付加された音符がよく出てきます。
「アクセント・テヌート」っていうのは別に珍しい記号ではありません。
ただ、『ペルセウス』をやるときには、より「テヌート」成分の強い表現がいいかな、と感じています。
「テヌート」とは、「音価(音の長さ)を保持する」という風に習ってきました。
私が習ったピアノの先生は、それだけではなく、「はっきり発音する」という解釈もあるんだよと教えてくれました。
となると、「アクセント」や「マルカート」に近いかも知れませんが、そこまでキツイ発音でもないような感もあります。
記号一つとってみても人によって演奏法は様々です。
音楽の面白さの一つといっていいでしょう。
さて、『ペルセウス』の「アクセント・テヌート」に話を戻します。
この曲で出てくる「アクセント・テヌート」全てという訳ではないのですが、要所要所では、“ かまぼこ板のような ” テヌートをお願いしています。
1拍分のテヌートなら、ホントにギリギリいっぱい、次の拍の直前までビターッと音価が保たれるイメージです。
で、ふと思ったんです。
「 “ かまぼこ板スタイル ” のテヌートって、今の人にイメージとして伝わるのかな?」と。
私が中学に入って吹奏楽を始めた頃、先生にしても先輩にしてもこういう表現でテヌートのイメージを伝えてくれました。
そして私が上級生になったら、後輩にやっぱり “ かまぼこ板 ” という言葉を使いました。
誰もがイメージできるものだったからです。
今の若い人にも、蒲鉾が、かまぼこ板にのって売られているというイメージが伝わるのでしょうか。
私自身が蒲鉾を買わないので何とも言えませんが、もしも蒲鉾の売り方が変わっていたら、もやは死語ってことにもなりかねない。
納豆というと、私のイメージでは藁に包まれて売っているというイメージしかなかったんです。
が、今やプラのパックで売っているのしか見ません。
それを知ったのはホンのちょっと前…
そんなこんなで蒲鉾も気になったのです。
「置き換えて」表現するのって、とても難しいです。
音楽に限らず「表現する」活動をしているならば、街歩きやスーパーマーケットにも観察すべきものがゴロゴロしているのですな。
桜咲く2015年3月22日
花粉や黄砂や PM2.5 が飛び交ってつらい春。
ではありますが、暖かくて、開放感があって、やっぱり春っていいですね。
気象庁の正式発表はまだかも知れませんが、近所の家の桜は見事に咲いています。
既に七分咲きくらいの感じです。
早咲きなんでしょうか。
中学生のときからずっと観てきた京都御苑・近衛邸跡の糸桜も咲き始めています。

もう10年くらい前になると思いますが、楽団のメンバーでお花見したこともある糸桜。
今年も池にかかる姿が綺麗です。
気をつけなきゃ!と思うのが、合奏を急ぎ過ぎないこと。
何せ、練習時間が限られるものですから、いろいろ詰め込もうと思い過ぎる傾向にあります。
しかし、焦っていろいろやろうとしても、結局どうしようもないってことが多い。
それなら開き直って…と思うのですが、開き直りきれなかったりもする。。。
それでも、生音を聴かせてもらうと、「ああ、今日もいい一日やったな」と思うのです。
前回の練習に参加できなかった翌週なんか、特に。
『くちびるに歌を』なんかを思い起こすのは、いいことだと思います。
映画好きの私が、ここのところあまり映画を観ていません(←ってなこと言う割に、映画ネタ多過ぎやろ!)
理由はいろいろ考えられますが、一応真面目に、仕事が詰め詰めになってる感がありますので。
「仕事を理由にするなんて、俺も年齢(とし)食ったな…」と思いました。
そんな時、ライヴァルの一言が思い出されました。
「仕事の後に映画に行ったら、落っこちちゃって…」
あっ、そうか!
仕事の後に観りゃええんや!
なんで思いつかなかったんやろ?
もちろん私も落っこちてしまう危険・大です。
でも、まずはレッツ・ビギン!(←『飛び出せ!青春』風に)(←分かるかな~?)
なんていっても20時を過ぎて開映する作品はレイトショーで1300円。
そりゃ、魅力ですわな。
でもって観たのが『くちびるに歌を』。
新垣結衣さん主演の音楽映画です。
そういや、今年は音楽が主役の映画が割とかかってるし、観てます。
『はじまりのうた』でしょ、『マエストロ』でしょ…
で、『くちびるに歌を』も、もちろん気になっていたのです。
が、宣伝が気に食わなかった。
「絶対泣ける」っていう宣伝文句が。
ってことは、泣けない映画はダメってこと?
涙活できなきゃ映画じゃないの?
そんなことないでしょ!
じっと考え込まされる終わり方をする名画だっていっぱいありますよ。
ってな訳で、絶対泣くまいと思って観に行ったのですが、おいおい泣いてしまいました。
20時開映のレイトショーで、私を含めて男(おっさん?)6人しかいませんでした。
が、全員見事に涙ボロボロの有様でした。
新垣結衣さん演ずる元ピアニストの先生は、なぜピアノを弾かないのか?
それとも、弾くことができない程のトラウマに捕らわれているのか?
ファルセットの少年は、なぜそんなに悲しい眼をしているのか?
彼のお兄さんの想いは?
彼のガールフレンドの想いは?
合唱部の部長の女の子は、なぜそんなに男を毛嫌いするのか?
どんな過去を背負っているのか?
その彼女を見つめる男子生徒の想いは?
もう、書き出したらキリがありません。
本当にやられました。
いい映画でした。
リピートしそうでヤバいです。
シャーリー・マクレーンとクリストファー・プラマーのダブル主演映画『トレヴィの泉で二度目の恋を』を観ました。
まぁ、なんて素敵な映画なんでしょう!
老境の二人の、燃えるような恋!
名優二人の存在感に圧倒されっぱなしでした。
と書いておきながら、シャーリー・マクレーンのかつての出演作を観た記憶が…
彼女のフィルモグラフィーを読むと、観たことのある映画が何本か載っているのですが、私にはどうも…
クリストファー・プラマーはよく知ってますよ。
『サウンド・オブ・ミュージック』のトラップ大佐ですからな。
素晴らしい歌声だったし、マリアや子供たちを愛するさまが素敵だったな。
近年ではユアン・マクレガーと共演した『人生はビギナーズ』の演技が印象に残っています。
ところでこの『トレヴィの泉で~』は「どっかで見たことあるんやけどなぁ~、思い出せへんなぁ~」という人が何人か出てきて、やたらと気になってしようがありませんでした。
幸い、大概の人は映画の途中で思い出すことができましたが…
まず、クリストファー・プラマーの孫を演じた10代の少年。
ジャレッド・ギルマンというアメリカの若手俳優です。
ウェス・アンダーソン監督の『ムーンライズ・キングダム』でヒロインと駆け落ちする少年を演じたのでした。
髪の毛のモジャモジャ具合とか、黒縁眼鏡とか、風貌がほとんど変わっていません。
一種独特な雰囲気を持った少年ですな。
もう一人、シャーリー・マクレーンの息子を演じた中年俳優。
この人を思い出すのには少し時間を要しました。
が、何とか出てきました。
スコット・バクラといいます。
テレビシリーズの『スタートレック:エンタープライズ』でアーチャー船長を演じた人です。
(って言ってもトレッキーじゃないと分かりませんわな…)
船長役のときは、国際宇宙ステーションのクルーのようなコスチューム。
しかし今回はごくごく普通のサラリーマンといったいでたち。
全く違う衣装ですが、太い眉毛と垂れた目は一緒でしたな。
実は他にも何人か見たことがあるんですが、思い出せません。
ただ、その中の一人は分かったのですが、この場にはふさわしくないので伏せておきます。
職場の先先先代の部長、Y本さんが、最近いろんなチケットをくれます。
「おいおい、映画好きだからって、俺のこと引っ張ってんじゃないの?」なぁ~んてことはないとは思うんですが…
(Y本さんは現在、映画をはじめとしたコンテンツ事業に関わる部長)
まず頂いたのが映画『深夜食堂』の招待券。
何枚もくださったのを、酔った勢いで、近所の呑み屋で全部ばらまいてしまいました。
なので自腹で、しかもTジョイ京都なので何の割引システムにも入っていない状態で観ました。
そのことには文句はないのですが、映画そのものは ……… やめておきます。
次にくださったのが高島屋でやっている『細見美術館 琳派のきらめき』の招待券。
これもやっぱり近所の呑み屋でばらまいたのですが、奇跡的に1枚キープしていました。
行ってみたらもんの凄い人!
次はY本さんからではなく、寺町夷川の小料理屋のご夫妻からいただいたチケット。
美術館「えき」KYOTO で開かれた岩合光昭さんの『ネコライオン』という写真展の招待券。
お二人ともネコ好きなのです。
やっぱり凄い人混み!
招待券(=タダ)だからか、人が多過ぎるからか、遠巻きにしか鑑賞していません。
おそらく、信じられないような高速で観て回っています。
しかし、展示品たちが
「お前、何でそんなに急いでんねん。
もっとゆっくり生きろよ」
と言っていたような気がします。
一流シェフがレストランのオーナーや料理評論家と対立。
店を辞め、フードトラックを買って、自分の作りたい料理を作り、それを売りながら旅をする物語。
とても楽しく鑑賞しました。
ノリのいい映画です。
音楽、良かったナぁ~
今、練習している『ビター・スウィート・ボンバ』の感覚に繋がるような曲が沢山ありました。
シェフがお客さんの目の前でキューバサンド等をハイ・テンションで作っていく姿がとても印象的。
そんな話をしていたら、そう言えばこういう姿って、聴衆の前で演奏する本番に似てるなと思い至りました。
私たちには年に一回の定期演奏会はありますが、それ以外の本番が殆どありません。
楽員の中には依頼演奏でアンサンブルを組み本番経験を積んでいる人もいますが、一握りです。
本番を経験するのが成長に一番いいと言います。
練習を本番のつもりで、本番を練習のつもりでやるのがいいとも言います。
本番はとっても大切。
すぐに本番を増やすことはできないかも知れませんが、本番のテンションに近い気持ちを持ちたいものですな。
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