みちのく一人旅~その9~2011年12月19日

11月14日(月) 天気:晴れ 歩数:2629

盛岡で2万4千歩歩いたのに、この日はその10分の1。
十和田南駅から京都駅まで、殆んどを列車内で過ごしたせいです。
ゆっくりじっくり北上してきた「みちのく一人旅」、
最終日は一気に帰京です。

大湯温泉・龍門亭千葉旅館から十和田南駅まで送ってくれたタクシーの運転手さんに、
とても興味深い話を伺いました。
カメムシが大量発生する年は、
雪が多くて寒い冬になるのだそうです。
東北地方のじっちゃん、ばあちゃんは、皆そう言うのだそうです。

確かに、
花巻の台温泉・中嶋旅館で、
やたらとカメムシが目につきました。
この運転手さんも、
あちこちでカメムシと出会っているそうです。

お年寄りの皆さんが伝えてきてくださったことには、
不思議と真実が潜んでいるような気がします。
さて、今年の冬はどんな冬になるのでしょうか?

京都⇔十和田南の往復で購入した切符、
前日は十和田南の2駅手前、鹿角花輪(かづのはなわ)までしか使っていません。
が、ご心配なく。
往復割引が効いているので、
これでいいんです。

宿のチェックアウト時刻の都合上、
十和田南駅に着いたのは午前10時過ぎ。
しかし、大館(おおだて)発・盛岡行きの快速「八幡平(はちまんたい)」の十和田南入線は11:23。
十和田南駅はスイッチバックとなっているので、
発車には少し時間がかかって11:28。
兎にも角にも約1時間半待ちです。

スイッチバックとなっている十和田南駅

 

この間、
切符の払い戻しにやってきた青年が一人。
旅行のチラシをやたらと取りに来たおばちゃんが一人。
計2人が駅を訪れただけ。
新幹線の特急券をゆっくりゆっくり作ってくれた駅長さんと二人で、
まったりした時間を過ごしたのでありました。

十和田南駅で快速「八幡平」を降りた乗客、ゼロ。
乗りこんだのは私だけ。
4両編成の先頭車両に乗りましたが、
その車両の乗客は私を含め3人。
究極ですな。

快速「八幡平」

 

十和田南11:28発、花輪線快速「八幡平」、盛岡着13:28。
ぴったし2時間。
盛岡13:41発、東北新幹線はやて・こまち26号、東京着16:08。
所要2時間27分。
東京16:20発、東海道新幹線のぞみ239号、京都着18:41。
所要2時間21分。
時間感覚が変になりそうです。

はやて・こまち26号は、
盛岡を出たあと、仙台まで停まりません。
北上川流域に広がる世界を、ずっと眺め続けました。
新花巻、北上、水沢江刺…
もうすぐ平泉が見える頃だな、と思っていると、
列車は長い長いトンネルに入ってしまいました。
平泉の東方、束稲山(たばしねやま)の地下を新幹線は走るのでした。
トンネルを抜けて右後方を見つめると、
そこには中尊寺の建つ関山(かんざん)の姿が。
どんどん遠ざかり、遂に一ノ関を通過。
ああ、旅は終わったんだな…

※※※

やたらと石やら遺跡やらを巡る旅。
行く先行く先、殆ど誰とも出会わない旅。
自分だけのために設計したスピリチュアルな旅。

こんな「みちのく一人旅」に付き合ってくださった皆さん、
本当にどうもありがとうございました。
「指揮者のひとりごと」というタイトルに甘えて脱線を繰り返してきましたが、
究極の連作をやってしまいました。

親父に教えられた自分のルーツ、確かめられた訳ではありません。
しかし、かつて「奥六郡(おくろくぐん)」と称された岩手県の北上盆地、
そのゆったりした雰囲気が大好きになりました。

「道の奥」だから「陸奥(みちのく)」。
京都や奈良、あるいは東京から見て「東北」。
まつろわぬ民「蝦夷(えみし)」として蔑まれた歴史を持つ地。
今は遠く離れた京都に暮らす身ですが、
私の心は「みちのく」とともにあります。
いえ、「みちのく」とともにありたい、と強く思います。
いつの日か再び訪れます、必ず。

※※※

旅が終わっても全く疲れが出ません。
いや、むしろ旅立つ前よりも元気になりました。
リュックサックを担いで歩き回ったにもかかわらず、
信じられないことに、長年苦しんだ肩こりが消えてしまいました。
コンピュータに向き合うこともなく、
体を使って好き放題歩き回るというのは、
こんなにも健康にいいのですかな。

ただし、仕事に復帰後、
肩こりも復活してしまいましたが。。。