『パターソン』2021年9月25日

今年は新作映画を観るだけでなく、
割とリバイバルを観る機会が多いです。

ざっと挙げてみると、
『おくりびと』
『幸福の黄色いハンカチ』
『男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け』
『男はつらいよ 花も嵐も寅次郎』

そして今日観たのが
『パターソン』

ジム・ジャームッシュ監督の約5年前の作品。
穏やかでいい映画だなとは思ったのですが、
当時は何回も寝落ちしてしまったのでした。

今回は寝ずに最後まで観続けることが出来るか不安でしたが、
予想に反して、
全く眠くなることなく、
むしろ興味津々で観続けることが出来ました。
ただし、
エンドロールで意識が飛びかけましたが。

最初に観たとき、
何だかとても不安な気持ちに苛まれたのです。
アダム・ドライバー扮するバス運転手が交通事故を起こしてしまうんじゃないかとか、
愛妻役のゴルシフテ・ファラハニに何か良からぬ事件が起こるんではないかとか、
飼い犬がさらわれるんじゃないかとか、
いらぬ心配ばかりしたんですな。

その結果、
心が疲れてしまったのと、
穏やかな流れとが相まって、
何度も寝落ちしてしまったのです。

が、今回は余計な心配はしなくていいと分かっています。
事件ゼロではないのですが、
一応織り込み済みです。

すると、もっともっと穏やかな時間が流れると分かっているにもかかわらず、
物語に入り込みながら眠らずに観続けることが出来たのです。

冒頭で、
ファラハニが、
双子を産む夢を見たとドライバーに語りかけます。
不思議なことに、
劇中で双子が登場し続けます。
いろいろなシチュエーションで。
そんな小ネタ、
私は大好きです。

ドライバーは、ドライバーを職としつつ、詩人です。

私には詩が分からないのです。
以前観たときに眠くなった原因の一つです。

今でもやっぱり詩は分かりません。
が、前観たときよりはどことなく心に響くようになりました。
眠くなっていないのがその証拠かと。

ラストで出会う永瀬正敏さんが物凄くいいのですな。
「アハ~」という口癖、
前回は全く気付かなかった(寝ていて?)のですが、
今回は効きました。