2009年02月
無題2009年2月25日
2/23(月)、息子を幼稚園に迎えに行き、家に帰ってほっこりしていました。何の気なしにNHKの3時のニュースを見ていたら、「『おくりびと』が米アカデミー賞外国語映画賞受賞」のニュースが飛び込んできました。最終ノミネート5作品には選ばれていましたが、受賞するのはイスラエルの作品が最有力で、『おくりびと』は3番手か4番手あたりと聞いていたのでビックリ!ノミネートだけでもすごいことなのに、ベストワンに選ばれるとは!!
スポーツと違い、芸術の世界はトップを目指すのが最終目標ではないと思います。とはいうものの、昨年9月の公開前から予告篇だけで引き込まれていた『おくりびと』が多くの方々に認められたのはなぜか我がことのように嬉しいのでした。
この週末は2回の合奏がありました。
まずは『おくりびと』が日本アカデミー賞で10冠を達成した2/20(金)。合奏曲目は『鉄腕アトム』『追憶のテーマ』『ふるさと』。
そして2/22(日)は休日合奏日で、『ベルキス』の全楽章を何とかやってみようと思ったのですが、結局第4楽章のみ合わせました。
『鉄腕アトム』は音価に気をつけたら全く表情が変わりました。長く取り組んでいる曲ですので、注意点はあまり多くありません。
『追憶のテーマ』もいい仕上がりです。
問題は『ふるさと』だと思っていたのですが、大丈夫そうです。
『ベルキス』の第4楽章もなんとか形が見えてきました。
が、いま何とかなっているようでも、他のパートとの関係を理解しきったうえで自分のパートを演奏するには、まだ時間が必要だと思います。習熟のため、もうしばらくテンポを落として、基準音符を小さくしての“合わせ”をしていきたいと思います。
無題2009年2月18日
2/13(金)は『ディスコ・キッド』と『鉄腕アトム』の合奏を行いました。
『ディスコ・キッド』では、ぼちぼち通常のアクセントとヤマ型アクセントの違いを明確にしていこうと思います。
『鉄腕アトム』は音の長さ(音価)に気をつける必要があると思います。特に付点2分音符の長さですが、また次回の合奏にて。
さて、2/15(日)に、京都こども文化会館小ホールで、「第5回団内発表会」を行いました。楽団内でのアンサンブル発表会です。今年は14団体が出
演しました。
いずれ劣らぬアンサンブル揃いです、ほんまに。
全アンサンブルの感想を書きたいところですが、膨大になってしまいそうです。そこで、クラリネット宇野さんとバスーン浅田さんの二重奏についてだけ語らせてください。
せせらぎのアラフォーを代表するこのコンビは、毎回高度な二重奏に挑戦します。はっきり申し上げますが、決して完璧に指が回っている訳ではありませんし、音がズレることだってあります。が、私の感じるところ、その精神性の高さは他の追随を許しません。
空気がすごいのです。山田洋次監督の時代劇三部作の果たし合いの場面のような緊迫感を覚えます。例えば、『たそがれ清兵衛』における真田広之さんと田中泯さんの斬りあいのような。
私は、彼等とともに作品作りに参加できることを感謝せずにはいられません。
無題2009年2月9日
映画『おくりびと』、えらいことになってきています。既にモントリオール世界映画祭でグランプリを獲得していましたが、1月には米アカデミー賞外国語映画賞の最終ノミネート5作品のうちの一つに選ばれました。『たそがれ清兵衛』以来だそうです。
昨年9月13日に公開されたのが、MOVIX京都では1月9日終映というロングランを記録。まるでスタジオ・ジブリ作品のような長期公開だったのですが、1月24日からアンコール上映開始。1日3~4回というロードショー並みのか
かり方です。またこういう場合、1~2週間限定というケースが多いのですが、現時点(2/7)でも終映日未定という異例中の異例。じんわりしたヒット作となっています。
見逃していたミスター・テューバも新人金融レディもこれで観にいくことができました。気に入ってくれたようで何よりです。私もあと何回か劇場に飛び込むことでしょう。
さて、2/6(金)は『ジャパグラ13~スポーツは青春ダァー』を合奏しました。前の週、1/30(金)のラストでざっと通しておきましたので、いきなり細部の詰めから入り、終了時刻間際に通しました。
いくつか感じたことを。
伸ばしの終点が1拍目アタマの8分音符(4/4拍子を想定してください)の場合、長くすると変ですが、ものすごく速いテンポやスタッカーティシモ指定でもない限り、短すぎるのも変だと思います。特に終点の8分音符で和音が変化し
て締めくくりとなるときはなおさらです。半音の長さ(音価)を意識しましょう。
この曲での修飾音は前出しに揃えるほうがよいと思いますが、どソロでない限り、どれくらい前出しするかの打合せが必要ですね。という訳で打合せました。
以後は習熟が必要だと思います。
金管楽器にとってのスラーはやっかいなもの。音の移り変わりをすんなり行うのは難しい技です。
が、難しく考えすぎるのもどうかと。要するにすんなり移り変わっているように聴こえればいい訳であって、何が何でもノー・タンキングで頑張らなければならない訳ではありません。
この曲の場合、トランペットやホルンの『タッチ』のメロディーでは、スラーのところで敢えて「R」系の柔らかいタンキングを使ったほうが曲調にもマッチするのではないかと思うのです。
前の週の『ディスコ・キッド』と同じく全体にテンポを落とした合奏。余裕を持って、音がはまった感覚を捉えてもらえていれば幸いです。
無題2009年2月1日
1/30(金)の合奏曲目は、前回の最後に少しだけ採り上げた『里の秋』、そして『ディスコ・キッド』と『ジャパグラ13~スポーツは青春ダァー』でした。
『里の秋』はほとんど音が濁ることなく、美しく演奏していただきました。ただし、少し音の並びが複雑になったり、5連符が続くなど、心の余裕がちょっとなくなる場面でテンポが速くなる傾向があります。
『ディスコ・キッド』も、テンポを抑えた合奏ではありましたが、リズムがはまり込んだ気持ちのいい演奏でした。ただし、16分音符または16分休符の後に付点8分音符が続く音型がややノリづらい感じでした。
思えば、楽器演奏というのは非常に複雑な技の連続です。同時に沢山のことを統合的にこなしていかなければならないからです。
まずは音を出さなければなりません。今となっては当たり前のように発音できますが、楽器を始めた頃はそれだけでも大変でした。
音を出したら、聴かなければなりません。ひとりで勝手にやっているのではないから、人の音も聴かねばなりません。聴いた音を総合し、微妙な修正を加えながら演奏は続きます。
管楽器ならば、楽器を吹くための呼吸をしながら生命維持のためにも酸素を使わなければなりません。もちろんこれは無意識のうちの行われていることですが。
眼も沢山使います。楽譜を見る、指揮者を見る、他のプレーヤーの様子も見る。
演奏とは、ざっと思いつくだけでもこれだけのことを瞬時にこなしていく、実に複雑な活動だといえます。
ちなみに、私は電車の吊革にぶら下がりながら、脳だけ休めることができます。
体はちゃんと立っているのに、です。つまり“立ち寝”。20年弱のサラリーマン生活で身に着けた「ながら技」です。時々膝カックンしますが。
また、湯船で口元が水面スレスレになりながら眠ることもできます。“風呂寝”です。10分か15分で脳が大変すっきりします。が、風呂上りに時計を見る
と、なぜか信じられないほど時間が経っていることがあります。そんな状態だから正確に何時間眠ってしまったのか分かりません。
風呂寝は一説によると眠っているのではなく、意識を失っているのだというこ
と。常人にできる技ではありません。決してマネしないでください。
…また脱線してしまいました。
難しいリズムは、覚えておいて、歩き「ながら」稽古することをお勧めしたいと思います。楽器を使わなくても練習する工夫はいくらでもあるものです。
また演奏、特に合奏では、複雑な統合的活動の中から何か減らすことはできないだろうか、と工夫してみることも大切。
私は楽譜を覚えることをお勧めします。
全部覚えるべきというのではなく、走ってしまう箇所を中心に、余裕のなくなる箇所を覚えればいいのです。
楽譜を目で追いかけることを減らすと、かなりの余裕ができます。試してみて欲しいと思います。