無題2008年12月2日

『ベルキス』はやはり大変です。運指がやっかいだったり、音程がややこしかったり、ハイ・ノートに苦しんだりするのは当然なのですが、最大の難点は楽器による出番のバラツキが大きいこと。
 それは、どんな曲に取り組む時でも覚悟しなければならないことではあります。1曲まるまる降り番だったり、ある楽章はタチェットだったりは、打楽器奏者にとっては日常茶飯事。
 とはいえ、管楽器奏者はそれに慣れていません。特に吹奏楽では。せせらぎではなおさらです。
 仕事を持ちながらの社会人アマチュア吹奏楽団の練習の主体は「合奏」ですが、11/30(日)は午前中に「木管分奏」をして、昼から「合奏」すること しました。木管の難所を午前中に頑張ってトレーニングし、午後の合奏で金管・打楽器の待ちを少なくしようという目論見です。

 『ベルキス』の第2楽章『暁のベルキスの踊り』をメイン・ターゲットに据えました。午前の「木管分奏」スタートです。
 この楽章のアタマは4/8+5/8拍子、4分音符=84の指定。
 8分音符が1小節に9つありますが、今日は8分音符を1拍として捉え、8分音符=84に設定しました。つまり指定されたテンポの倍の遅さでの練習です。3/4拍子になっても4/4拍子になっても8分音符を1拍として数えるのは変えない方法で、例えば3/4拍子なら6カウントで1小節になる訳です。
 また、本来ならテンポの変化があるところを、一切無視して同一テンポで進めました。指揮者はメトロノームです。
 本日の参加メンバー、実によく準備してきましたね。よく伝わってきました。それでも、アーティキュレーション統一作業などの演奏法打合せや、楽譜の修正なんかでみっちり2時間かかりました。
 きつかったろうと思います。しかし、実り多い稽古になった筈です。

 昼からの「合奏」もメトロノームに合わせました。8分音符を基準とするのもテンポも午前と同じです。
 出る場所を間違えたり、違う音を出してしまったり、人数が増えただけその可能性も高まります。せっかくじっくり練習できる日曜日ですから、そこは要チェックです(金曜日だと、間違いを見つけても、時間に追われて仕方なく流してしまうこと、アドバイスを言うのをやめること、正直言って多々あります)。気が付くと1時間半くらいやってしまったでしょうか。
 待ちを減らすこと、結局できませんでした。長いスタンバイ状態の人が、寝てしまったか、それとも緊張状態を維持してはったか、私には気付く余裕が全くありませんでした。完全に『ベルキス』にのめり込んでいました。
 私は、こういう待ちの多い合奏になると、これまで「早いこと何とかせんといかん」と内心焦ることが多かったのですが、待ってくれた方には申し訳ないけれども、今日は開き直りました。焦っても仕方ないし、だいたい物作りの現場にはよくあることだと。映画の撮影現場よりよっぽどマシだろうと思います。
 とはいうものの、時間は限られていますから、これからも効率的な練習のあり方を模索していきたいと思います。
 今考えているのは、金曜日に『暁のベルキスの踊り』を合奏するのはよした方がいいだろうということです。個人練習を積んでいただき、日曜日に分奏・合
奏し、極力ミスが減った状態にならないと金曜日には持って来れないと思います。指揮者はしょっちゅう体を動かしているので何とかなりますが、私がもし奏者だったら、“暁”ではなく“夜更け”になるでしょう。