地味ィ~な仕事2019年12月16日

楽員の皆さんは、
パート譜をまとめるのに、
透明フォルダを使うことが多いと思います。
シート状の楽譜をササっと片付けるのに便利ですね。

が、
フォルダに光が反射して楽譜が見えなくなる瞬間があったりするし、
書き込みするには一旦引っ張り出さないといけません。
便利なばかりでもないと思います。

指揮者はどうかといいますと、
スコアは製本する以外にないのです。
・メンディングテープ
・透明テープ
・製本テープ
・水糊
を駆使して綴じます。
セロテープは絶対使いません。
黄変しますし、
粘着力も落ちていきますから。
水糊なのは、
敢えてゴワゴワさせて、
譜めくりしやすくするため。
仕上げは背表紙への曲名記入です。
スコアの頁数によって字の太さも変えますが、
一番細い場合は0.3ミリの油性ペンで書き込みます。
老眼鏡なしでは無理です。

ここまで出来ればホッと一息ですが、
まだ完成ではありません。

まず、パーカッション名の書き込みです。

例えば、
複数に分かれるパーカッションの段のうちの1つが鍵盤楽器の段だとします。
・グロッケンシュピール
・シロフォン
・ヴィブラフォン
が代わる代わる書かれていると想定します。

1頁目に「グロッケンシュピール」と書かれていました。
が、
2頁目、3頁目と鍵盤が書いてありませんでした。
4頁目で久しぶりに鍵盤の音符が書いてあります。
が、楽器名がない。
というとき、
楽器に変更がないのでグロッケンシュピールのままなのですが、
合奏中だと何の楽器か分からなくなるのです。
そんな訳で4頁目には手書きで「Glock.」と書き込んでおく。

これを曲の頭から尻尾までやっておきます。

次にやることは、
楽譜の余白に小節番号を書き込むことです。

作曲家・編曲家が書くのか、
出版社の編集者が書くのか分かりませんが、
楽譜にはリハーサル記号が書いてあります。
音楽の区切りとなるポイントに書いてあり、
正しくリハーサルする際に目安となるポイントです。

私の場合、
リハーサル記号を起点として、
その2小節目に「2」、
3小節目に「3」と書き込んでいきます。
あまり目立ち過ぎず、
かと言って老眼でも見えるくらいの、
程よい大きさで書いておきます。
合奏を止めてやり直すとき、
リハーサル記号とリハーサル記号の間という場合も多いので、
これも自分を助ける作業です。

時々、「リハーサル記号 D の12小節目からお願いします」と言ったら、
実は E の1小節前だった、
なんてことがあります。
これはアタマから順番に数字を振ると決めていることと、
頁をめくったらすぐに次のリハーサル記号があるのに気づいていなかった、
という理由です。
ご容赦の程を。

さらに、
最も重要なのが変拍子に対応出来るよう、
自分なりの図形を描いておくこと。
老眼では、
普通の拍子記号は見えないのです。