『火の鳥』1945年版を聴く2020年6月10日

非常事態宣言が終わって早速、
JEUGIA とタワレコに飛び込みました。
朝ドラ『エール』のサントラや、
ストラヴィンスキーの CD を買い漁りました。

最も聴きたかったのは『春の祭典』ですが、
もちろん『ペトルーシュカ』も『火の鳥』も楽しみでした。

私がこれらの楽曲を初めて聴いたのは中学生のとき。
特に『火の鳥』(1919年版)には思い入れがありました。
自分自身の中学生活とリンクするように受け止めたからです。
演奏時間も20数分と聴きやすい長さであるのも良かったです。

『火の鳥』(1910年版)を聴いたのはずっと後になってから。
約1時間かかるのと、
(ストラヴィンスキー先生には大変失礼ながら)音が野暮ったい感じがします。
1919年版が2管編成なので軽やかでスタイリッシュなのに比べ、
4管編成の1910年版は重々しく、古臭く感じます。
(あくまでも私の印象です)

と言いながら、実は、
1910年版ばかり聴いていました。
1919年版の CD を持っていなかったから。

この度、久しぶりに1919年版を聴きました。
レナード・バーンスタイン指揮、
ニューヨーク・フィルハーモニックの演奏です。
おそらく、私が初めて聴いた『火の鳥』がこれだったのです。

今回買った CD の中には、
大変珍しい『火の鳥』(1945年版)があります。
30分強くらいの演奏時間だと思いますが、
私はこの版をかつて聴いたことがあったかどうか、
記憶があやふやです。
もしかすると初めてかも知れません。

ただし、楽譜は見たことがありました。
高校時代に、『火の鳥』の「序奏」を編曲する際、
恩師に渡されたスコアが1945年版だったのです。
1945年版の存在を知ったのもこのときでした。

M 先生は1910年版でも1919年版でもなく、
なぜ1945年版のスコアを選んだのでしょうか?
おそらく1919年版が一番入手しやすいと思うのですが。
もしかして、あまり深く考えず、
手にとったら1945年版だったとか …

今となっては確かめようもありません。
私がそちらへ行ったら、
まず一番に尋ねてみたいと思います。

マリス・ヤンソンス指揮、
バイエルン放送交響楽団の演奏する『火の鳥』(1945年版)は、
とても素晴らしい出来でした。
「終曲」が終わるとすぐに拍手が!
なんとライブ盤だったのです。
ライブでこの仕上がり!
さらに驚きました。