京都こども文化会館ありがとうコンサート(7)2020年10月4日

5曲目『宇宙戦艦ヤマト』を演奏した後はトランペットの K さんのコメント。
団員数が少なかった頃は、
「もう今日は誰も来そうもないし、呑みにいこか」っていうの、よくあったね。

6曲目はそんな時代、
1988年の第3回せせらぎコンサートで演奏した『オーメンズ・オブ・ラブ』。
途中から涙腺が危なくなってきました。

第3回せせらぎコンサートの第1部は、
現在、名古屋フィルで首席フルート奏者を務めておられる、
中学の先輩 F さんの指揮。
私は第2部の指揮を務めさせていただき、
それが指揮者デビューでした。

大学の2年生だった私は、
人生で一番馬鹿で、苦しい毎日を送っていました。
他の誰のせいでもなく、
自分自身で招いた馬鹿さ加減のせいで、
自分で自分を苦しめていたのです。
そして周囲の皆さんにも多大なご迷惑をお掛けしていました。
申し訳ない気持ちでいっぱいです。

第3回せせらぎコンサートの取りだった『オーメンズ・オブ・ラブ』は、
今回、どうしても演奏したかった楽曲でした。

ユーフォニアム M さん、
トロンボーン T さんのコメント紹介の後、
ラスト・プログラム『ニュー・シネマ・パラダイス』演奏の前、
私の挨拶となりました。

何度も何度も推敲し、
何度も何度もしゃべる練習をしましたが、
泣かずに出来たことは一回もありませんでした。
ここに全文を掲載します。

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いつもの「せせらぎ」ですと、『オーメンズ・オブ・ラブ』で賑やかに終わるところですが、今日は『ニュー・シネマ・パラダイス』で締めくくりたいと思います。

今年の7月に亡くなったエンニオ・モリコーネが音楽を担当した、映画『ニュー・シネマ・パラダイス』。
シチリア島の、小さな町の、唯一の娯楽の場所と言ってもいい映画館、パラダイス劇場。
その映写技師・アルフレードと、少年トトの友情を描いています。
大人になって町を出たトトは、映画監督として成功します。
それから30年、アルフレードが亡くなったという知らせを受けて、トトは初めて故郷に帰ります。
彼がそこで出会ったのは、慣れ親しんだパラダイス劇場の、閉館後の姿でした。

こども文化会館で演奏させていただくラストの楽曲は、『ニュー・シネマ・パラダイス』をおいて他にあり得ない。
その思いで選曲いたしました。

僕たちのパラダイス劇場、こども文化会館。
ありがとう、そして、さようなら。

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『ニュー・シネマ・パラダイス』演奏後、
舞台の衣川さんから猛烈なカーテンコールをいただき、
K さん作曲の『コラール in B♭』でアンコールに応えました。