2013年10月
松本清張原作『砂の器』。
映像作品としては、
加藤剛さんが殺人犯のピアニストを演じ、
丹波哲郎さんが彼を追い詰めていく刑事を演じた
野村芳太郎監督の松竹映画『砂の器』(1974年)が最も有名であろう。
2004年1~3月にTBSで放送された『砂の器』。
リメイクという訳ではないと思うが、
上述の映画に対する尊敬の念に満ちた作品だった。
(『半沢直樹』のディレクションで一躍脚光を浴びた
TBSの福澤克雄さんも演出陣の一人として名を連ねている)
2003年12月に東京・名古屋・大阪でスタートした地上波デジタル放送。
その草創期を飾る作品として制作された筈だ。
画角16:9、ハイヴィジョンの映像に圧倒された記憶がある。
が、何よりも凄かったのは音楽だ。
千住明さん作曲の『ピアノ協奏曲「宿命」』。
ドラマに寄り添い、重厚な世界観を紡ぎ出していた。
※※※
ピアニスト和賀英良(中居正広さん)のもとを、
少年時代にお世話になった三木謙一(赤井英和さん)が訪ねてくる。
が、過去を封印して生きてきた和賀英良は、
それが表沙汰になるのを恐れ、三木謙一を殺害。
折りしも『ピアノ協奏曲「宿命」』を作曲中だった和賀。
ピアノと管弦楽の重厚な響きの中、
今西刑事(渡辺謙さん)の捜査によって和賀の半生が少しずつ明らかにされていく。
和賀自身のピアノ演奏により初演された『ピアノ協奏曲「宿命」』。
演奏が終わり舞台袖に引き揚げてきた和賀は、
すべてを悟ったように今西刑事に逮捕される。
しかし、彼が連れて行かれたのは警察ではなく、
父・本浦千代吉(原田芳雄さん)のもとだった、彼が過去を封印するもととなった…
※※※
JEUGIA四条店にフラッと立ち寄ったとき、
「永遠のサントラ999」というCDシリーズがワゴンに積まれているのが目に留まった。
古い映画やドラマ、選りすぐりのサウンドトラックを999円で売っているのだった。
その中に『砂の器』のサントラがあったので大喜びで買って帰った。
聴いて、圧倒された。
老眼鏡2013年10月7日
映画館で、洋画を字幕で観ても、
特段不便を感じたことはない。
が、手元の細かい楽譜や新聞記事を読むのが辛くなってきた。
典型的な老眼だと思われる。
だましだましで凌いできたが、
1つしかない筈の全音符が2個に見えるようになってきて、
これはもう駄目だな、と思った。
実は、家に老眼鏡がひとつある。
医院の受付なんかに置いてあるような、
ホントに度の弱い奴だ。
試しにこれをかけて楽譜修理してみると、
すごくクリアに見えるのだ。
やはり老眼であることは疑いがない。
自分の目にあった老眼鏡を作ろう。
そう決心した。
※※※
トランペットのS谷さんが百貨店のメガネ店にお勤めなので、
一度お誘いいただいたのだが、
もしかすると頻繁に作り直すこともあるかもしれないと思い、
自宅近くの商店街にあるメガネ屋さんにお願いすることにした。
ある機械を覗くと、そこには二重写しの気球の写真が。
店の人が、これをちょこっと調整すると、
あら不思議!
気球が鮮明に見えるようになってきた。
続いて、よくある視力検査の「C」を見せられた。
ダミーのメガネをかけさせられ、
レンズをとっかえひっかえされると、
これまた不思議!
ぼやけていた「C」がクリアになった。
これで私の目に合ったメガネが作れるそうだ。
あまりの手際よさにビックリした。
もっと驚いたのは、
私の目はもちろん老眼なのだが、
遠視であり、
近視であり、
乱視なんだそうだ。
長年、視力はいいものと高をくくっていた。
(睡眠不足でなければ、1.5くらい見えることもある)
それが遠・近・乱になっていたとは…
次の金曜日の合奏に間に合うかと思っていたが、
意外と時間がかかるそうだ。
その次の合奏までには何とか入手できると思う。
早く楽譜をクリアに読めるようになりたい。
1970年代後半。
中学から吹奏楽を始めた私にとって、
アルフレッド・リードやロバート・ジェイガーという作曲家の楽曲は、
定番中の定番といえる。
中1で初めて出たコンクール。
我が校の演目は、
課題曲:ロバート・ジェイガー作曲『ジュビラーテ』
自由曲:アルフレッド・リード作曲『序曲「インペラトリクス」』。
まさしく、といった感じである。
ジェイガーの『ジュビラーテ』という曲、
今、聴いても思うのだが、
何か不思議なテイストなのだ。
前衛的という言葉が当てはまるのかどうかは自信がないが、
ジェイガーという人の才気煥発さが滲み出ている感がある。
ちなみに、中1の頃は「前衛的」とか「現代音楽」という言葉も概念も知らなかった。
今でこそ多くの作曲家が吹奏楽のための「交響曲」を書き著してくれるが、
当時、ジェイガーは「交響曲」を書いた数少ない作曲家の一人だった。
その曲の天理高校の名演をカセット・テープで聴きながら、
いつか自分たちでもやってみたいと思ったものだ。
ジェイガーの作品のうち、
仲間うちで一番人気があったのが『シンフォニア・ノビリッシマ』。
“ 高貴なシンフォニア ” というタイトルのこの曲、
とにかくカッコいい。
とくかく美しい。
中学の2年だったか3年だったか忘れた。
コンクールの自由曲候補の練習だったか、
文化祭発表曲の練習だったか、
それとも単なる練習曲としてだったか、
それも忘れた。
が、顧問の先生に頼み込んで『シンフォニア・ノビリッシマ』をやらせてもらった。
みんな悪戦苦闘した。
僕もホルンがうまく吹けなかった。
なんとも下手くそな『シンフォニア・ノビリッシマ』となった。
けれど、この曲ができただけで幸せだった。
みんなもそう言っていた。
それくらい、誰もが好きな曲だった。
せせらぎでもかつて演奏している。
スコアを引っ張り出してみたら、えらく変色している。
ホームページの「これまでの活動」で調べてみると、
2001年7月1日、第14回せせらぎコンサートだった。
そうか、あれからもう12年も経つのか…
第27回せせらぎコンサートに向けて、
いよいよ10月11日(金)から練習することとなる。
さあ、どんな音が紡ぎ出されることだろう…
10月4日(金)。
スタジオに向かう途中、
自宅近くの相国寺で美しい夕暮れと出会った。

ふと、アルトサックス奏者・須川展也さんのアルバム『美しい夕暮れ』を思い出した。
須川さんは東京佼成ウインドオーケストラの元・コンサートマスター。
『美しい夕暮れ』はドビュッシーの名曲で、
この曲を核としたソロ・アルバムをリリースしておられる。
ドビュッシーの哀切な旋律を見事に表現しておられたのだった。。。
おっと、ゆっくりしてはいられない。
黄昏どきを味わうことができたのはありがたいが、
スタジオ入りには遅刻である。
昼寝のあと、寝坊してしまったのだ!
※※※
今日もトロンボーンのA武さんが椅子並べ&黒板へのメニュー書き出しをしてくださっていた。
いつもいつも、本当にありがとう。
それにひきかえ、おっさんは何をやっていたんだろう。。。
※※※
いよいよ夏の練習曲、最終日。
出来不出来はこの際横に置いておくとして、
とにかく一所懸命取り組んできた2曲を録音した。
相当難しい曲への取り組みだった。
演奏会後の取り組みとしては、もう少し軽めのほうが良かったように思う。
その点は次年度の反省点としたい。
と同時に、せせらぎではまず取り組みそうもない曲を選曲したのは、
音楽経験の面からは良かったと思う。
やりたい曲だからやる、
やりたくない曲だからやらない。
もし、そんな狭い了見があるようなら、
ちょっと悲しいことだと思う、アーティストとして。
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