2014年08月
先週は台風11号による大雨でした。
今日のは秋雨前線によるものでしょうか、とにかく凄かった。
お昼ごはんを食べに近所のカフェに入ってしばらくすると、
いわゆるゲリラ豪雨が。
「食べ終わる頃にはあがってるやろ」と高をくくっていたんですが、
全く勢いが衰える気配なし。
珍しくスマホで気象庁の降水レーダーを調べてみたところ、
約1時間はやみそうもありません。
あきらめて店を出ました。
途中、商店街のアーケードをくぐるので、
そこは大丈夫やろと高をくくっていたんですが、
側溝から水があふれ出た水を商店主さんたちが処理していて、
ここで靴が水浸しになってしまいました。
ニュースによると、堀川通りではアスファルトの下から水が噴き出したとのこと。
もはや、何が起こっても不思議やないという感じです。
お酒を呑みに行って、
そのお店の雰囲気がなんだか自分に合うので何度も通うようになって、
お店の方に覚えてもらえて、
他のお馴染みさんとも顔を合わせば酌み交わす。
若い人の中にはこの感じがまだ分からないという方もいらっしゃるでしょうが、
ある程度年齢を重ねてきた方ならわかっていただけるかと思います。
そんな、寺町夷川の馴染みのお店で、
何度かお会いした、豪放磊落なおっさん(実は私より2歳下)がいます。
いつも奥さんと二人の娘さんを連れて来ておられ、
6席しかないカウンターを4人で占拠。
そこに私が加われば一席しか空いていないことになります。
娘ちゃん二人はまだ小・中学生といった雰囲気で、
お父さんお母さん、そして見ず知らずの私が酌み交わしている中で、
ごく普通に宿題に精を出していたりするのです。
なんだか、凄く自然で楽しい酒席でした。
昨日、私が仕事帰りにふらっと立ち寄ると、
奥さんと二人の娘ちゃんはいるのですが、
かのおっさんはいなくて、
代わりに女性が座ってました(後で分かったのですが、おっさんの妹さんです)
ひとしきり呑んでから、
ぼちぼち帰ろうかと思ってお勘定をお願いするとき、
女将さんに「お父さんは今日はいてないんですか?」
とお聞きしたら、
「亡くなりはりましたんや」
という応えが。
唖然としました。
これも後で分かったことですが、
1年半前から癌を患っていたとのこと。
このお店で何度もお会いしているのに、
そんな素振り、ひとつも見せない方でした。
ホントに楽しいお酒を呑まれる方で、
さすがに肩を組み合って呑むことはありませんでしたが、
気持ちの上ではそんな感じで呑めましたな。
奥さんも、妹さんも、二人の娘ちゃんも、
全く湿っぽくなく、
いつものように呑んで食べてしゃべってはりました。
(この日は宿題はしてなかったかな)
きっと、お父さんを偲びながら、
お父さんが大好きなこの店に来たのでしょうな。
ってなことを思うと急に涙がこみ上げて来て、
取り乱してしまいました。
本当に申し訳ありません。
帰り際、女将さんから一冊の本を渡されました。
癌の告知を受けてからの手記を自費出版されたものでした。
名前も知らない方でしたが、
本当に大きな愛を持っておられたことがよく分かります。
I 藤さん、安らかにお眠りください。
旅の本2014年8月13日
あと数年で定年退職となる、
M浦さんという会社の先輩がおられます。
よく呑みに連れて行ってもらいました。
そのうちの一軒には今でも私一人で通い続けています。
M浦さんはすごくせっかちな人なんですが、
自分では「スローライフを標榜している」と言い切るのです。
周りで見ていると、そのズレ加減がおかしくてしようがありません。
(酔ってくるとメガネまでズレてくるのです)
まあ、生き方は人それぞれやから、
私がどうのこうの言うつもりはないんですが、
ただひとつだけ、どうしても理解できないことがありました。
それは、読み終えた本をすぐに捨ててしまうことです。
一緒に出張に行ったりすると、
読み終えた文庫本を捨ててしまったりするのです。
M浦さんの言い分は「少しでも荷物を減らしたい」ということなのです。
私の父は読書家でした。
本を読み終えたら、その日付のスタンプを押し、
わざわざ作ってある蔵書印も押して書棚にしまうのです。
私も子供の頃は父の真似をして、
スタンプと蔵書印を借りて押したものでした。
さすがに最近はそこまでマメなことはしませんが、
ちゃんと書棚に片付けます。
そして、ふっと気になって読み返したりします。
書棚がどうしようもなく詰まってきたら、
泣く泣く古本屋さんに売ります。
決して捨てるようなことはしません。
M浦さんが社で本を捨てようとしていたとき、
「捨てるくらいやったら僕にくれませんか?」って言ってもらったのが、
温泉に関する本でした。
以来、M浦さんは、
旅や温泉に関する本や雑誌を私にくれるようになりました。
私が全国の温泉について詳しくなっていったのは、
すべてM浦さんのおかげなのです。
先日、社の後輩のM本くんが、
「机の引き出しから、こんなん出てきました」と言ってみせてくれたのは、
『「極み」の日本旅館 いま、どこに泊まるべきか』という新書でした。
元・M浦さんの本に間違いありません。
いろんな人に本をばら撒いてたんですな。
M本くんは別に興味ないというので、
私がかっぱらって読むことにしました。
2003年に刊行されたものですが、
いやはや、まったく古い内容ではありませんでした。
私が旅に求めるもの、つまり、
「非日常への脱出」について述べられているのでした。
頷くことの多い本でした。
読み終えたこの本、決して捨てません。
8月9日(土)。
一日中、雨が降り続きました。
夕方、小降りになったのを見計らって出社。
大阪に向かう阪急電車の車内放送で、
恒例の淀川花火大会が中止になったことを知ります。
どこもかしこも厳戒態勢のようです。
会社の中の雰囲気はいたって静か。
皆さん、台風が近づいているのなんてウソのように冷静です。
ビルの中で働いていると、そんなものなんでしょうか。
夜勤は大忙しでした。
しょっちゅう気象速報を出していました。
8月10日(日)。
仮眠から起きてニュースを見ると、
台風の暴風圏が大阪に迫りつつあります。
厳重に雨合羽と長靴で固めて出社してきた日勤担当者に手早く引継ぎをして、
逃げるように退社しました。
阪急電車は通常運行していました。
途中で運休なんてことにならないように祈りながら、
特急で京都に帰りました。
帰宅後しばらくして、急に雨・風ともに強くなってきました。
大嵐の状態は3~4時間くらい続いたと思います。
生きた心地がしませんでした。
ぶるぶる震えながら、NHK テレビをかじりつくように見続けました。
夕方、どうやら暴風圏を脱したようなので、
近所の鴨川の様子を観に行きました。

手前から奥に向かって賀茂川が濁流となって流れています。
向うの方を流れているのが高野川で、
今出川通に架かる賀茂大橋付近で両川が合流し、鴨川となります。
北西の方角から南東の方角に向かってレンズを向けました。
左奥、遠くに見えるのが大文字山です。
足元のすぐ近くまで水位が上がっていますが、
幸い、河川敷までは上がっていませんでした。
昨年、大雨の特別警報が京都に発令されたときは、
もっと水位が上がっていました。
が、それはこの場所でのことで、
橋の下などの低くなっている箇所は、
泥水に浸かった痕跡がありました。
NHK の中継では鴨川の四条大橋付近(東華菜館の辺り)をよく映していましたが、
ここでは河川敷の上を濁流が流れていて、
鴨川の横を流れる禊川(川床が出ているところ)が全く分からなくなっていました。
改めて自然の恐ろしさを思い知らされました。
台風11号が接近しております。
四国に上陸したあと、日本列島を縦断していくのではないかといわれておりますが、
それって、中心がどこを通っていくかという話ですわな?
やたらとそういった報道が多いような気がするんですが、
台風の影響が及ぶ範囲は驚くほど広いですから、
中心から遠くたって要注意です。
私はとても怖がりなので、かなり警戒しています。
そして、これから出勤しなければならないのが嫌で嫌で…
※※※
さて、昨日は年に一度のせせらぎ定例総会でした。
せせらぎの年度は8月にスタートし、
年度末の7月に定期演奏会(せせらぎコンサート)を開催するという流れです。
新年度2回目の金曜日である昨日は、
合奏をお休みしての総会だったのです。
(本来は新年度初回の8月1日に定例総会を開くべきなんでしょうが、
何らかの都合で8月8日になったのだと思います。
日程を決める会議に私も出席していた筈なんですが、
酔っていたせいか覚えていません。済みません…)
やっぱり議論の中心はお金の使い方になります。
みんなが持ち寄った楽団の活動費をいかに適正に使うかというのは、
一番大切なことだからです。
そういう意味では、国会の予算審議と似たようなところがあるかも。
K団長から昨年度(7月まで)の活動状況の報告や、
新年度(8月から)の活動予定の報告がありましたが、
「フルバンド」での本番よりも、
「アンサンブル」での本番のほうが多いように感じました。
「フルバンド」とは、全員での合奏です。
仕事の都合などで完全な全員ということは難しいですが、
基本はみんなで演奏するスタイル。
せせらぎコンサートはこれにあたります。
「アンサンブル」とは、
クラリネット四重奏だとか金管五重奏といった小編成での演奏。
特に外部からの依頼を受けての演奏の場合、
場所の都合などからアンサンブルでお願いされるケースが多いのです。
「フルバンド」よりも「アンサンブル」での本番が多いというのには、
こういったことが考えられるでしょう。
※※※
ところで、我が師匠フレデリック・フェネルが提唱したのが
「ウインド・アンサンブル」という演奏形態です。
1952年、マエストロ・フェネルがイーストマン音楽学校で作ったのが、
世界初のウインド・アンサンブルである「イーストマン・ウインド・アンサンブル」です。
この「ウインド・アンサンブル」の定義はと申しますと、
「各パートを一人の奏者で、かつ、一人一人が責任を持って演奏する吹奏楽」
となろうかと思います。
(ただし、B♭クラリネットは1st.2nd.3rd.それぞれを3人ずつで、
また、ユーフォニアム、テューバはそれぞれ2人ずつで演奏する。
これらの楽器は div. といってワン・パート内での音分かれが発生するため)
これは、作曲者が指定した編成を厳密に守ることにより、
より澄んだ音色を目指したものだといえるでしょう。
1984年に東京佼成ウインドオーケストラの常任指揮者となったマエストロ・フェネルは、
やはりウインド・アンサンブルの実現に力を注ぎました。
団体名は東京佼成「ウインドオーケストラ」ですが、
演奏の質はまさに「ウインド・アンサンブル」に昇華していきました。
CD で、生演奏で、その様子を肌で感じてきました。
※※※
さあ、これがせせらぎで実現できるかというと、かなり厳しい。
「各パート一人」というのは、一般バンドの運営概念と合わないからです。
楽員は、一人でも多いほうがいいのです。
「一パートを複数人で」というのが理想なのです。
逆に、「あるパートに人がいない」ということも起こりえます。
そうならないように団員募集に励むのですが、
思い通りにいくとは限りません。
結果、全体のバランスがうまくとれないことが多いです。
そこをなんとか遣り繰りしながら活動していくのは大変ですが、
それがまた妙味であったり。
しかし、「一人一人が責任を持った演奏」は目指していくことができるだろうと思います。
せせらぎ新年度の目標は、これかな、と思っているところです。
合奏においても、アンサンブル的な取り組み方ができるのではないでしょうか。
昨日は総会のため合奏なし。
来週8月15日はお盆休みで、そもそもスタジオを借りていません。
次回合奏は8月22日。
それまでに何か考えてみましょうかの。
昨年の夏に引き続き、
今夏も吹奏楽コンクールに出場する母校(高校)の演奏を聴きに行きました。
8月5日(火)9時30分、朝一番での出演です。
朝一から本番っていうのは、ホント、大変です。
私も高校2年生の時に体験したのでよく分かります。
(その時は9時ちょうどからだったような気がします)
早朝にベストコンディションにしないといけないので、
かなり早く起きて調子を整える必要があります。
また、朝一ということは、その日の演奏の基準とみなされるのではないか?
そんなプレッシャーものしかかります。
が、悪いことばかりではありません。
コンクールというと、
12分という短い時間で課題曲と自由曲の2曲を演奏し、
3分以内に次の団体と入れ替わり、
次の団体はまた12分の…
という恐ろしい忙しさ。
よく楽器破損などの事故が起こらないもんやなと感心しますが、
トップバッターはゆっくりセッティングできます。
(撤収の忙しさは変わりませんが…)
※※※
今年も会場は京都コンサートホール。
螺旋状のエントランスは長蛇の列。
席を確保するのもなかなか大変です。
なんとか座ってホッと一息ついていると、
真っ赤なポロシャツを着た人が…
よく見ると打楽器のK原・前リーダーでした。
そして奥さんのK子さんと、
打楽器のT永・新リーダーもご一緒でした。
(この8月をもってパート・リーダーを交代されたのでした)
凄い目立ってまっせ。
※※※
開会の辞があって、いよいよ母校の本番。
いや~、OB が言うのも何なんですけど、
それはそれは立派な演奏でした。
音もタイミングもピタッと合っているし、
何より音色が美しいし、軽やか。
トロンボーンの和音なんて、絶品でしたな。
「これなら、関西大会進出、間違いなしやな」
ということで安心して会場を後にしました。
後で吹奏楽連盟のホームページを見たら、
予想通りの京都代表に選ばれていました。
ホッとしました。
自分自身がコンクールに出場するなんて、
とてもしんどくてできないと思いますが、
母校には頑張ってもらいたい。
そんな心情です。
夏の読書2014年8月5日
近所の酒房「たなかや」の息子さんであるコウスケくんは、
お勤めしているので滅多に店に顔を出すことはありません。
が、出てきた時にはひとしきり話をします。
コウスケくんは大の読書家。
かつて読書家であった私とは少しだけ接点があります。
コウスケくんは、以前、
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を貸してくれました。
映画『ブレードランナー』の原作です。
今年の初めには『夏への扉』という本を貸してくれました。
これもハヤカワ文庫の SF 小説です。
どうしてもスコア読みが優先されますし、
観た映画のパンフレットも読まないといけません。
本を読むのがどうしても後回しになっていきます。
演奏会が近づいてくるとパンフを読む時間も惜しくなってくるので、
映画を観てもパンフを買わないというケースも増えてきます。
すると本を読む頻度はますます低くなり…
演奏会を終えた数日後に読み終えたのですが、
ストーリーがどうにも反芻できないのです。
『夏への扉』は冷凍睡眠やタイムトラベルといった要素が核となっているので、
集中して読まないと私の頭ではとてもついていけないのでした。
そんなこんなで、私としては珍しく、
もう一度読むことにしました。
今度は約一週間、集中して読むことができました。
友人に騙され冷凍睡眠で未来に送り込まれた主人公が、
タイムトラベルで再び過去に戻り、
過去を書き換えてのち二度目の冷凍睡眠で未来に戻る(?)と…
ホント、ザックリまとめるとこんな感じかと。
(ちょいと雑すぎる感もありますが…)
このスカッとした読後感は、
『超高速!参勤交代』以来でしょうか!
岩井直溥先生が昨年の吹奏楽コンクールの課題曲として書かれた『夢の明日に』。
せせらぎでは、昨年夏の練習曲として約3ヶ月取り組みました。
そして今年の夏も再び『夢の明日に』を採り上げることになりました。
まさか、この一年のうちに岩井直溥先生がお亡くなりになるとは思ってもいませんでした…
臨時記号が沢山出てくる曲なので、
昨夏は音の間違いを直していく作業にかなり時間を取られました。
今年はどうだろう?と思いながら3回の合奏をこなしました。
これが予想に反し、割と音が揃っているのです!
ちゃんと一年前の練習曲が染み込んでいるなんて、
なかなかやりますな。
この一年のうちに仲間となった皆さんも、
割といい線行ってると感じます。
(実は汗だくでプレイされているのかも知れませんが…)
しかし、それでもミスがポツポツと。
おそらく、ほんのちょっとの譜読みと、
ほんのちょっとの注意力で回避できるのではないか、と。。。
もう一頑張りしまひょか。
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