2014年10月

静寂2014年10月15日

10月11日(土)。
『宇宙戦艦ヤマト2199』の総集編、『追憶の航海』の劇場公開がスタートしました。

これまで7章に分けて公開されてきた『ヤマト2199』を観るにあたり、
初日の(土)とその次の日の(日)は意図的に避けてきました。
混雑するであろう土日に突っ込むよりも、
空いている筈の平日にゆったり見たいから。
勤務シフト上も平日に時短休日・公休日がありましたし。

しかし、今は土日が時短休・公休。
体があいているにもかかわらず観たい映画を観に行かないというのも落ち着かないので、
思い切って初日の初回を観に行ってきました。
(『ジャージー・ボーイズ』のときもそうでしたが、観たいのならすぐ行くのがいいわな。
 もちろん、諸々の制約がなければ、ですが)

どんな映画を観るときもそうですが、
よっぽどのことがない限りはギリギリに飛び込むことはありません。
早めに席について息を整えておきたいからです。
(『そして父になる』のときは「やっちまったな」って感じでしたな…)

この日も7~8分前には着席し、予告編が始まるのを待っていたのですが、
いつも映画を観るときと様子が違いました。
まるで水を打ったかのように静まり返っているのです。
「予告編の前」なのに、です。

映画の本編中さえ騒がしくなければ、まあ、いいって言えばいいのですが、
「この人たち、一体いつまでしゃべってるんやろか?
 本編始まったら静かにしてくれるんやろか?」
って思うと気になってしまうのが常です。
『 NO MORE 映画泥棒』が終わって本編開始までの数秒間の真っ暗闇では、
ほぼ100%、誰のしゃべり声も聞こえなくなりますが、
あんなギリギリまでしゃべっといてなんで映画に集中できるのか不思議です。

普段なら、これだけ席が埋まっている状態ならざわついているし、
そうでなくてもあちこちでヒソヒソ話しているのが聞こえます。
が、この日はそういうのが一切ナシ。
ギリギリに入ってきた二人組なんかにしても、
サッと着席したかと思えばガサゴソもヒソヒソもなく、
スッと鑑賞態勢を整えます。

きっと誰もが、「ヤマトを観たい!」をいう強い想いを抱いて劇場に足を運んでいるから、
これだけ静かなのでしょう。
他者のことを思い遣っての静かさではないかも知れません。
でも、結果的に、最高のマナーであったと思います。
なかなかに得難い経験でした。

にしても、やはりヤマトは劇場の大スクリーンで観るに限りますな。

台風通過2014年10月14日

お日様がパーッと照らしてくれる朝だったので、
「台風一過」と書きたいところでした。
が、先程からまたパラパラ来ました。
さすがに風は収まっていますが、
そうでした、台風の影響範囲はとても広いのでした。
中心通過後も注意は続くのでした。

今回の台風19号では、
中心がまだ遠く離れた所にある時間帯に風が強かったように感じます。
せせらぎがまさにバンビオLIVE!を開催しようとしていた13日の午後帯、
一番強かったのではないでしょうか。
むしろ中心に近かった夜は、それほどでもなかったかと。
台風の「個性」なのでしょうか。

バンビオLIVE!は中止とさせていただいた訳ですが、
JRもストップしたし、
ドーム球場で行われるパ・リーグ・クライマックスシリーズも中止。
百貨店も早々に店じまいしました。
お客さんからしたら「もう少し何とかしてくれよ」という感もあるでしょうが、
安全確保の観点からは致し方ないと思います。

せせらぎの運営上も、この「安全性」をしっかり考えていきたいと感じました。

台風を警戒2014年10月13日

10月11日(土)の夜。
10月13日(月)のお昼を待つことなく、
早めにバンビオLIVE!の中止を決めたほうがいいのではないかという話が持ち上がりました。

私は怖がりで、特に自然の脅威に敵う訳などないと思っているので、
早めの中止決定に賛成しました。

10月12日(日)の朝の段階で、
正式な中止連絡がありました。

楽しみにしてくださった皆さん、申し訳ありません。
安全確保のため、どうかご理解のほどを。

※※※

久しぶりに(土)夜勤⇒(日)明けだった私は、
大阪から三ノ宮まで阪急電車でお出かけし、
それから京都までJRで帰りました。
10月13日(月)は14時頃から運転本数を減らしはじめ、
16時頃にJR西日本の二十数路線の全列車を運休すると京都駅で放送が。
やはりバンビオLIVE!中止は正解だと思います。
JR長岡京まで来ていただくことはできても、
帰ることができなくては…

本稿を書いているのは、10月13日(月)朝の10時くらい。
曇ってはいるけれども雨は降っておらず、風も穏やか。
しかし、既に台風の外縁部にかかりはじめていており、
これから必ず影響を受ける筈。
厳重警戒でいきましょう。

楽譜をフワッと読む2014年10月12日

例えば、ある1小節を深く読む、というか、調べる。
私がスコアを読む際、そんな感じが多かったと思います。
これで読んだ気になる。

確かに、
リズムの噛み合わせ、
和音の構成、
旋律と対旋律の関係など、
深く調べないと分からないことは多いです。

が、これで読み切った訳ではないのです。
いわば、「木を見て森を見ず」。
楽曲の全体像が把握できていません。

あまり細かいことに拘泥せず、
音楽の流れを掬い取るように読み進めることも大切なんだと、
最近思うようになりました。

きっかけは小澤征爾さんと村上春樹さんの対談本でした。
その中で小澤さんは、
「ひたすら読めば、知らず知らずのうちに覚えてしまう。
 覚えられなかったら、スコアを見ながら本番の指揮をすればいいんだし」
ってことを書いておられたと思います。
「何としても覚えなくっちゃ」と思い込んでいた私の肩の力をスッと抜いてくれた言葉でした。

先日の全曲ぶっ通し合奏までに必死こいでスコアを覚えたわけではなく、
暇さえあればただひたすら読んでいただけでしたが、
ぶっ通しでスコアを見る必要はありませんでした。
小澤さんの仰る通りでした。

ある程度暗譜できたなと思ったら、
あまりスコアに目を通さないというのがこれまでのスタンス。
これからはやはりマメに読もうと思います。

不思議と一致するE♭2014年10月11日

ひとつの演奏会で採り上げる楽曲たちが、
なぜか似たような要素を持つというケース。
この、不思議とよくある話の最たるものが「E♭」。

バンビオ・ライブvol.3で演奏する楽曲のうち、
『東京ブギウギ』はE♭シックスという和音で終わります。
E♭を根音(基音)とした「ド・ミ・ソ」に「ラ」が加わった和音。
明るい響きです。

『マーチ「ブルースカイ」』と『セドナ』に至っては、
E♭の音のみで締めくくられます。
さらにリズムも同じ。

なんでこうも似たもの同士が寄ってくるのでしょうか?

マーチの様式美2014年10月10日

行進曲『旧友』は、リハーサル記号の間隔がとても広いのです。
これじゃ合奏を進めにくいので、
小節番号を振ってくれるよう各プレイヤーにお願いしました。
具体的には、リハーサル記号「A」「B」「C」「D」を起点とした小節数です。

もちろん私もスコアに数字を書き込んでいきました。
それで初めて気が付いたのですが、
「A」も「B」も「C」も「D」もそれぞれ32小節あるのです。
そしてそれぞれを2回ずつ繰り返して演奏するようにできています。

なんと美しい様式でしょう!

長年演奏活動してきましたが、
今ようやくマーチの美しさの一端を知ったような気がします。

いろいろと調べているうちに、
実は「D」が終わったら曲の頭に戻り、
もう一度「A」「B」と演奏してから締めくくる、
というのが最も正式なスタイルなんだそうです。

実際にそれだけ演奏したことはありませんが、
想像するに、ちょっと長過ぎるきらいがあります。
それできっと現在の様式に落ち着いたのだと思われます。

不思議と一致するC♭2014年10月9日

一つの演奏会で採り上げる複数の楽曲に、
一致する、あるいは似通った箇所がある、
というのは不思議とよくあること。

私の印象に一番残っているのは、
スパーク作曲『ディヴァージョンズ』と、
ホルスト作曲『組曲 “ 惑星 ” より「木星」』の、
木管楽器(クラリネット中心)の16分音符のフレーズがよく似ていること。
どちらも非常に難しかったから、印象が強いのでしょう。

今回、バンビオLIVE!vol.3に向けて練習している楽曲のうち、
バリバリの吹奏楽曲『セドナ』と、
あのアナ雪の『レリゴー』とに、
和音の不思議な一致があるのです。
どちらも、経過的に重要な箇所の和音が「C♭」なのです。

両曲の調性は一致しません。
が、重要箇所が「C♭」。
なので聴いた感じではピンと来なかったのですが、
コード・ネーム(和音の名称)を書き出していて気付きました。

音楽って懐が深いなぁ~と、つくづく思います。

たった一つのテーマ2014年10月8日

どんな楽曲にも、複数のメロディが登場します。
しかし、驚くのが現在練習進行中の『セドナ』です。
冒頭で、
トランペット・ホルン・トロンボーン・ユーフォニアムのファンファーレによって提示されるテーマが、
延々とラストまで繰り返されるのです。

まるでラヴェルの『ボレロ』のようだ、と言いたいところですが、
『ボレロ』でも2つの旋律が出てくるのです。

実は、厳密な言い方をすると、
『セドナ』だってたった一つではありません。
中間部のメロディは最初のテーマとは違います。

が、その中間部というのが、
最初のテーマに導かれて始まり、
最初のテーマに帰結するのです。

ここまで最初のテーマにこだわった造りの楽曲も珍しいのではないでしょうか。

では、たった一つのテーマばかりでは飽きてしまうのではないか?
という疑問が湧くところです。
人によってはその通り、飽きちゃうかも知れません。
が、私は飽きないのですな。
なんででしょう?
やはり、「いかにも吹奏楽」って曲が好きだからでしょうか?

久しぶりに『展覧会の絵』を聴く2014年10月7日

トランペットのK星くんが懐かしい中学時代の話を「せせらぎ人語」に書いてくれた同じ頃、
私も中学生の頃を思い出していた、偶然にも。
きっかけは『展覧会の絵』だった…

※※※

中学2年生の吹奏楽コンクールで銅賞だった私たち。
部長に任命された私は、翌年の金賞復帰を期し坊主頭にした。

楽器の練習もさることながら、体作りを重視。
腹筋運動、スクワット、指立て伏せ(腕ではなく!)等をこなした1日の終わりに、
フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルの『展覧会の絵』のレコードを聴く。
これが愉しみであり、かつ、耳からの勉強時間だった。

この曲を聴くと、なぜか「冒険の旅」が連想されるのだった。
興奮、哀愁、苦しみ、楽しさなど、いろんな感情が呼び覚まされ、
組曲ラストの「キエフの大きな門」で大きな喜びとともに締めくくられる。
銅賞に落っこちた私たちも、いろんな経験をして、中3の夏を大きな喜びで締めくくりたい。
そんな心情にピッタリ寄り添ってくれるのが『展覧会の絵』だった。

※※※

今は音楽をジ~っと聴く機会が減りました。
何かしながら、ってことが多いです。

マエストロ・フレデリック・フェネル指揮、
東京佼成ウインドオーケストラのスイス・ライブの CD 『展覧会の絵』を聴いたのは、
ラックに並べてある CD を順番に聴いていて、
その日たまたま順番に行き当たったから。
物凄く気合の入った好演です。

やはり「ながら」なんですが、
この日はたまたま筋トレしながらだったのです。

もちろん中学生の頃のようにハードなトレーニングではありません。
いくら腹筋運動してもアルコール漬けのお腹はブヨブヨですし…
今の年齢での筋トレの目的は、指揮者として体が動き続けるよう、体力を維持することですかな。

『展覧会の絵』と筋トレ。
中学生の頃が自然と思い出されたのでした。

F2 & 3K2014年10月6日

10月5日(日)。
沓掛寮デイサービスセンターで開かれる秋祭りで演奏してほしいとの依頼を受けました。
会場の都合でフルバンドではなく、金管五重奏を披露させていただくこととなりました。

7月26日(土)にもやはり金管五重奏でお伺いしております。
聴いていただいた皆さんに楽しんでいただくことができたのに加え、
演奏する側にも有意義な会だったようです。
(「せせらぎ人語」Vol.95参照)
どんな雰囲気かを感じ取りたいと思い、
テューバで出演するK藤団長の車に便乗させてもらって沓掛まで行ってきました。

運転しなくなって久しい私ですが、人が運転してくれる車に乗せてもらうのは楽チンですな。
格別な気分です。
どうもありがとうございます。

五条通の京都リサーチパーク付近、いつの間にか拡幅されていたのですな。
ゆったり車が流れます。
渋滞が当たり前の千代原口の辺りもやはり流れがスムーズ。
なんとなんと、千代原口の交差点を通らなくて済むように地下トンネルができていたのです!
これには凄く感動しました。

京都芸大付近を過ぎて京都縦貫道の入り口付近もスッキリと整備されていました。
長年にわたる交通渋滞が大幅に緩和、いや、この日は渋滞なしで、素晴らしいと思いました。

老ノ坂への途中に沓掛寮デイサービスセンターはありました。

k藤号到着後ほどなくしてF地号も到着。
5人の演奏メンバー+取材の私を含めた6人が揃いました。
各プレイヤーのイニシャルは、
ファースト・トランペット=F
セカンド・トランペット=K
ホルン=K
ユーフォニアム&ピアノ=F
テューバ=K
という具合にFが2人、Kが3人。
えらくFとKが固まりました。
(ちなみに私はK)

本番はビデオ撮影役で写真が撮れなかったので、以下にリハーサルの様子を掲載します。

≪ F2 ≫

≪ F2 ≫

≪ 3K ≫

≪ 3K ≫

で、本番。
先述の通りビデオ撮影に勤しんだ私。
写真は好きなんですが動画には全く慣れ親しんでいなくて(映画好きやっていうのに)、
バッチリ緊張する作業でした。
足も腰も腕も動かしちゃいけないと思って、ガチガチになって撮影していました。

でも、必死に会場の雰囲気を捉えることにも神経を使いました。
あまり大きな声ではありませんでしたが、
『見上げてごらん夜の星を』や『川の流れのように』を口ずさんだりして、
ナマの音楽を楽しんでくださったと思います。

いつもは舞台と客席が厳然と分かたれた会場での演奏が多い私たち。
今回も作っていただいてあった舞台上での演奏でしたが、
舞台といっても30cm ほどの高さ。
後ろの方のお客さんでも見やすくしようとする配慮で設えられたもので、
客席に同化しているといっていいと思います。
こういう「近さ」で演奏するのは、
厳しくもありますが、
お客さんとの一体感、ダイレクトな反応をいただけることなど、
とても刺激になることが多いです。

今回は「 F2 & 3K 」という顔ぶれの金管五重奏でしたが、
いろんな編制、いろんな顔ぶれでこういった本番を数多く経験してもらえたらいいなと感じました。

にしても、「 F2 & 3K 」の皆さん、短い準備期間だったにもかかわらず、
よくあれだけ仕上げはったと思いますよ、ホンマに。
ナイスな時間をありがとうございました。