「ベーシック・バンド・レパートリー」からは離れてしまい、
はたまた練習曲であるにもかかわらず「交響曲」と仰々しい、
ヴィットリオ・ジャンニーニ作曲『交響曲第3番』。
この曲と私との出会いは、
今から28年前に遡ります。
1993年12月23日(木・祝)。
(合奏中には、私が38歳のときだと申しましたが、正しくは28歳でした)
東京文化会館大ホールで開かれた、
「東京佼成ウインドオーケストラ第53回定期演奏会」で聴いたのです。
指揮はもちろん、
私が勝手に私淑する故マエストロ・フレデリック・フェネル。
わざわざ東京まで出掛けたのは、
ノーマン・デロ=ジョイオ作曲の『ハイドンの主題によるファンタジー』がプログラムされていたからです。
フェネル & TKWO は幾つもの名盤を生み出してきましたが、
1993年にリリースされた「セレブレーション!」は、
その中でも傑出した一枚と言えるでしょう。
フィリップ・スパークのマスターワーク『セレブレーション』で始まるこのアルバムの締めくくりが、
デロ=ジョイオ『ハイドンの主題によるファンタジー』なのです。
これまでレコードや CD でしか聞いたことのなかった TKWO。
CD でほぼ完璧に演奏されている『ハイドンの主題によるファンタジー』を、
是非、生音で聴きたかったのです。
そして、生演奏は CD 以上だったのです!
技術もさることながら、
マエストロと TKWO のグルーヴが凄い!
私は勝手に「踊る TKWO 」と心の中で名付けることになります。
その後、
何度も何度も生演奏を聴きに東京まで出掛けることになるきっかけとなったのが、
「東京佼成ウインドオーケストラ第53回定期演奏会」でした。
そして、
取りで演奏されたのがジャンニーニ作曲『交響曲第3番』だったのです。
2014年。
マエストロ・フレデリック・フェネルの生誕100年を記念し、
「フェネル & TKWO レジェンダリー・ライヴ」という CD が6枚リリースされました。
その3枚目に、
第53回定期演奏会の全曲が収められています。
団長からのメールの数日後、
たまたまこの CD を手にとりました。
きっと何かの縁に違いありません。
第33回せせらぎコンサートが終わった後、
始めての練習日である7月16日(金)は、
B♭クラリネット × 4(いつもE♭クラリネットをプレイしている N さんも今回はB♭クラリネット)
アルト・クラリネット × 1
バス・クラリネット × 1
トランペット & コルネット × 4
ホルン × 1
ユーフォニアム × 2
そして私の計14人で合奏しました。
かつてテューバ奏者として在籍していた A さんが復帰(事情により数か月間)。
ただし、
テューバ奏者としてではなく、
ユーフォニアム奏者として戻ってきてくれました。
いろんなことが出来るもんやなぁ~と感心します。
※※※
演奏会終了後に練習する楽曲の腹積もりはあるか?
6月半ば頃に団長から問い掛けがありました。
私が勝手に私淑する故マエストロ・フレデリック・フェネルが提唱する、
「ベーシック・バンド・レパートリー」から練習曲を選ぶのが妥当かな、
と最初は思っていました。
1.ホルスト作曲『第1組曲』
2.ホルスト作曲『第2組曲」
3.ホルスト作曲『ハマースミス-プレリュードとスケルツォ』
4.ヴォーン=ウィリアムズ作曲『イギリス民謡組曲』
5.ヴォーン=ウィリアムズ作曲『トッカータ・マルチアーレ』
6.ジェイコブ作曲『ウィリアム・バード組曲』
このうち、
ホルストの『第1組曲』、
ヴォーン=ウィリアムズの『イギリス民謡組曲』と『トッカータ・マルチアーレ』は、
かつて練習曲として採り上げたことがあります。
『第1組曲』と『イギリス民謡組曲』は、
音楽としてはもちろん素晴らしいのですが、
練習していて、
奏者の皆さんがどことなく物足りなさそうにしていると感じました。
『トッカータ・マルチアーレ』はカッコイイ曲ですが、
ちょっと難しいかも知れません。
演奏時間が5分と短いのもちょいと考えさせられます。
そして何よりも、
楽譜の手直し作業中なんです。
「ベーシック・バンド・レパートリー」から選ぶならば、
ジェイコブの『ウィリアム・バード組曲』がいいかな、
という方向に傾いていました。
が、「ホントにそれでいいのか?」という引っ掛かりもありました。
というのは …
第34回せせらぎコンサートのことが何も決まっていない。
⇒練習曲を採り上げる期間が長引くかも知れない。
⇒『ウィリアム・バード組曲』では物足りなくなるかも知れない。
そこで急浮上したのが、
ヴィットリオ・ジャンニーニ作曲『交響曲第3番』です。