無題2009年1月25日

1/23(金)は、先週に引き続き『アレックス教授の冒険物語』をメインに合奏しました。
 『ベルキス』ほどではないにしても、やはり木管楽器にとってやっかいな細かい音符がハイ・テンポでジャンジャカ出てきます。今は来るべき本番のための土台造りが大切。テンポを落として練習しました。
 さて、テンポを落とした稽古は、細かい音符を演奏する人のためだけに行う訳ではありません。ひとりごとでそう申して以来、まだコメントしていませんでした。
 私は以下のように思っています。
 まず、長い時間吹き続けることにより、否応なく負荷がかかる効果があると思います。仮に倍の遅さで練習すれば、倍の時間吹いていなければなりません。
長いスラーや伸ばしはさすがに途中でプレスせざるを得ないでしょうが、不思議なもので、一人でマイ・ペースで吹いている時と違い、合奏で楽曲を吹いている時はできるだけ切らないで吹こうとするものです。普段の練習時間を取りづらい社会人プレーヤーにとっては、楽曲を合奏しながら基本練習も行えるものだと思います。「ロングトーン効果」と名付ければいいでしょうか。
 次に、耳を鍛えることになると思います。本来ハイテンポな楽曲をインテンポ練習すると、「吹き飛ばしてしまう」ことがあります。ついつい先のことばかり考えてしまい、「今」の音をおろそかにしてしまうのです。テンポを落とすと、「今」が聴きやすくなります。否応なく聴いてしまいます。聴こえれば気持ち悪い音を修正したくなります。音楽の稽古にとって一番大切な「聴いて」も実現するのがテンポを落とした稽古だと思います。
 第3は、これも「聴いて」に関連しますが、縦の線を合わすにも効果があると思います。ハイテンポで大きな音符を打ち込むとき、つい「何となく」入れてしまうことがあります。が、ローテンポになると、32分音符1個のズレも気になります。細かい音符を演奏している人の音を聴き、自分の体内のテンポ感とシンクロさせ、狙ったタイミングで打ち込むと気持ち悪いズレが解消されます。
 総合しますと、自信を深めるための稽古といえるでしょう。ハイテンポで「何のこっちゃら分からんままに終わってしもうた」では、本番につながっていきません。ゆっくりと、ひとつひとつ確認していく地道な作業を積み重ねてはじめて自信を持って本番の舞台に乗ることができると思うのです。
 金曜日の夜の合奏ということで、参加回数が少なくならざるを得ないプレーヤーもいらっしゃるでしょう。そういう方は、焦ってハイテンポでばかり個人練習すると、余計深みにはまってしまいます。急がば回れ、と申します。地道に、地道に。