映画『ニュー・シネマ・パラダイス』を観る2015年5月13日

何の気なしに TOHO シネマズ二条のホームページを見ていたら、なんと『ニュー・シネマ・パラダイス』がかかっているではありませんか!
「午前十時の映画祭」が今でも続いているのでしょうか?
ナイスですな!
楽曲研究を兼ねて観に行きました。

冒頭であの美しい旋律が流れて、いきなり泣きそうになりました。
オジリナルではヴァイオリンが旋律を奏で、リピートした際にサックスが重なるのですね。

全編を通してモリコーネの音楽が素晴らしく、映画の中に吸い込まれそうでした。

ところで、公開時間が124分で、私としてはアッという間に終わった感がありました。
というのは、私がかつてこの映画を観たとき、3時間弱かかった記憶があったからです。

それもその筈、以前私が観たのは173分かかる「ディレクターズカット版(完全版)」だったのです。
記憶があやふやですが、おそらく NHK の BS プレミアムでかかっていたのを観たのでしょう。
そこには30年振りに故郷に戻った主人公トトの、かつての恋人エレナとの再会と別れが描かれており、この映画の切なさを増幅させていました。

日本で最初に公開されたのは124分版。
つまり、今回私が観たバージョン。
エレナとの30年後のエピソードはすっかりカットされているのでした。

これは私の勝手な想像ですが、173分はあまりに長いということで、124分に短縮して日本公開されたのだと思います。
そして多くの人が、このバージョンを観て絶賛したのでしょう。
異例の大ヒットになったと聞いています。
それがあったからこそ、何年か経った後のディレクターズカット版(完全版)公開(あるいはビデオ販売?レンタル?)が可能だったのではないでしょうか。
『ニュー・シネマ・パラダイス』は素晴らしいという素地ができていたというのは大きいと思います。
何せ、173分は長いですからね。

ところが、私が最初に観たのが173分だったのです。
そこには、30年前のトトとエレナの別離の真の理由や、トトの師匠アルフレードの愛の深さがもっともっと描かれていたと思います。
なので、124分版は、私にはもの足りなく感じました。
けれども、映像と音楽の繋がりを感じ取るには充分でしたので、これはこれでヨシ、といたしましょう。