2022年07月
暗譜で指揮する大きなメリットは、
見台を置かないで済むので、
目の前の空間が広々使えることです。
タクトの打点の高さは、
概ね腰の辺りだと言われます。
それより下の空間を使うことはないのだと。
考えてみたら当たり前で、
腕の長さからしても、
打点を足首の高さにするなんてこと、
あり得ませんから。
ってことは、
見台があってもなくてもタクトの下限点はほぼ同じなんですが、
やっぱり見台がない方が腕が縮こまらなくて動かしやすいんですな。
というのは表向きの理由。
やっぱり暗譜振りってのはええカッコできますからな。
今回、暗譜をやめたのは、
覚えるのが苦しかったからです。
「苦しいけど楽しい」なんていうのは本音じゃありませんな。
また、
暗譜でやると、
その場その場で生きている音楽に感覚を研ぎ澄ませるのではなく、
「まずこうして、次はこう、ほんでもって … 」
と段取りばっかり気にする自分がいるのです。
そして、
演奏会が終わってもヘトヘト感の抜けない自分がいます。
しばらく何もかも放り出して休みたいとしか考えられなくなる自分。
そんな自分が嫌で、
暗譜をやめてみたら、
「忘れたらどうしよ」と心配ばかりしている自分ではなく、
本番で鳴っている音そのものをよく聴いている自分がいました。
演奏会後も疲れ切ってはいなくて、
次のことにトライしてみたいと意欲的な自分がいました。
野外演奏などで暗譜が必須となる場合は別ですが、
定期演奏会はちゃんとスコアを見台に置いてやるのが合っているように思いました。
暗譜2022年7月9日
2018年7月1日、第31回せせらぎコンサート。
例年通りスコアを暗譜して本番に臨みました。
変拍子の激しい『リヴァーダンス』を、
危なっかしいものの何とかクリア。
が、『ジャングル大帝 序曲』のラストのホルン・ソリの辺りで唐突に楽譜のレイヤーが頭から消え、
体が動かなくなるという事態に。
楽員の皆さんが何とか繋いでくださったので演奏は止まらずに済みましたが、
とても危ない状況でした。
にもかかわらず、
やはり暗譜で臨んだ2019年7月7日の第32回せせらぎコンサート。
プログラムの「指揮者のひとりごと」には、
あろうことか、
暗譜するのが「苦しいけど楽しい」と書きました。
そして毎年この流れが続いてくれたらよいのに、と。
2020年。
コロナ禍により、
この流れは唐突に途絶えました。
せせらぎコンサートは中止となり、
私たちの “ パラダイス劇場 ” である京都こども文化会館は閉館が決まりました。
それでも何とかして9月27日には「京都こども文化会館ありがとうコンサート」と銘打ったミニ・コンサートを、
関係者だけに聴いていただく形で行いました。
スコアは暗譜しませんでした。
2021年は抽選で何とか会場確保できた呉竹文化センターで、
7月11日に「第33回せせらぎコンサート」を開催しました。
私自身も楽員の皆さんも、
リハビリに近い状態でした。
とにかく途絶えさせないでおこうという色合いの強いコンサート。
やはりスコアは暗譜しませんでした。
そして2022年7月3日に、
昨年同様に借りることができた呉竹文化センターで「第34回せせらぎコンサート」を開催しました。
第1部と第2部に分かれるステージとなるのは2019年以来。
まだまだ復帰できない楽員の方々も大勢いらっしゃるものの、
本格的開催にかなり近づきました。
そんな訳で、
スコア暗譜も再開しようかな、
と当初は思っていました。
やってやれなくはないと思いましたが、
やはり暗譜せず、
スコアを見台に置いて、
譜めくりしながらの指揮を選択しました。
『ロミオとジュリエット』の「ティボルトの死」を覚えきれないと思ったのが大きな要因です。
演奏会が終わって初の集合日、
7月8日(金)は、
フルート × 1
E♭クラリネット × 1
B♭クラリネット × 2
バス・クラリネット × 1
アルト・サックス × 1
テナー・サックス × 2
トランペット × 2
ホルン × 1
トロンボーン × 2
ユーフォニアム × 1
そして私の計15人で合奏しました。
演奏会からガクンと減りましたが、
緊急事態宣言やらマンボウやらで、
コンマスUさんと私が2人だけで個々に練習したり譜読みしたりして、
20時にはスタジオから出なければならなかった頃のことを思えば、
充実の練習です。
昨夏に引き続きヴィットリオ・ジャンニーニ作曲『交響曲第3番』の練習を始めました。
未だ取り組んでいない第3楽章が今日のお題。
予想していたよりイイ感じで合わせることができました。
ただし、
楽譜の手直しがやはり必要なようです。
これには時間がかかるかも知れません。
さすがに本番ではいなかったと思いますが、
練習中に自分の出番でプレイしない人が時にいます。
出番を捉え損ねた場合もあるのですが、
他の人の演奏に聴き惚れて自分の演奏を忘れたケースもそこそこあります。
以前は結構うるさく「ちゃんと出えや」と注意したもんですが、
最近はあまり指摘しなくなりました。
というのは、「聴く」のが大切だから。
せっかく音楽をやりにスタジオに来ているのに、
「吹く」ことばかりに神経がいって、
「聴く」ことがおろそかになるくらいなら、
素敵な演奏に聴き惚れるくらいの余裕があるほうがいいんじゃないか、
と考えるようになってきたのですな。
第34回せせらぎコンサートのプログラムに、
「リズム」と題したひとりごとを掲載してもらいました。
年齢を重ねたことやコロナ禍などで早寝早起きが定着。
生活のリズムが良くなったことが音楽のリズムにいい影響を及ぼしてくれたらいいな、
ざっとそんな内容でした。
演奏会当日はどうだったかというと、
やはり早寝早起きで一日がスタートしました。
まずは前夜からですが、
夜の9時前に就寝。
何度も目は覚めるのですが、
朝の4時半から5時の間に起床するまで、
かなりゆっくり休むことができています。
ふとんをあげたら、即、腕と肩のストレッチ。
そしてメトロノームを48にセットしての棒振り練習。
終わったらもう一度ストレッチ。
以上で15分くらい。
水を飲んで、ヨーグルトを食べて、朝食。
ピアノの稽古を約1時間。
ここまではいつもの朝とほぼ変わりません。
時間に余裕があるので、
全身のストレッチもしました。
ほぼ毎年、本番で足を攣ります。
部位は足の指だったり、膝の裏だったり、太ももだったり。
朝のストレッチが効いたのかどうか分かりませんが、
今回は攣らずに済みました。
汗びっしょりになったので、
お風呂に入ってから車で出発しました。
ちょっと朝から飛ばし過ぎたのでしょうか、
運転しながら眠気に襲われました。
が、途中で運転するのが怖くなるくらいの大雨に見舞われたせいで、
目が覚めました。
会館に到着してからはなんだかんだと忙しいので、
眠気どころではありませんでした。
生活のリズムとは関係ありませんが、
会館側のセッティングも予定より早く、
おかげでゲネプロもスイスイ進み、
いつもなら時間がなくてドタバタする昼休みが、
今年はゆったりした時間となりました。
2022年7月3日。
第34回せせらぎコンサートの開催日を迎えました。
本番の舞台に出演したプレイヤーは、
フルート × 5(ピッコロ持替あり)
E♭クラリネット × 1(パーカッション持替あり)
B♭クラリネット × 5(パーカッション持替あり)
アルト・クラリネット × 1(B♭クラリネット持替あり)
バス・クラリネット × 1
アルト・サックス × 4(ソプラノ・サックス、テナー・サックス持替あり)
テナー・サックス × 1
トランペット × 4(フリューゲルホルン、エレキベース、パーカッション持替あり)
ホルン × 2(パーカッション持替あり)
トロンボーン × 3
ユーフォニアム × 4(パーカッション持替あり)
テューバ × 3
の計34人。
指揮は私K.S.が務めました。
司会してくださったのは、
かつてのメンバーのT.Y.さん。
ステージマネージャーをしてくれたのは、
これまたかつてのメンバーのM.M.さん。
また、
休団中の方・かつてのメンバーが、
裏方として働いてくれたり、
聴衆として聴きに来てくれたりしました。
いろんな方々の協力で、
何とかコンサートを開催することができました。
お一人お一人の名前を挙げることはできませんが、
皆さんに感謝いたします。
ありがとうございました。
7月1日(金)は、
フルート × 5(ピッコロ持替あり)
E♭クラリネット × 1(パーカッション持替あり)
B♭クラリネット × 3(パーカッション持替あり)
アルト・クラリネット × 1(B♭クラリネット持替あり)
バス・クラリネット × 1
アルト・サックス × 3(ソプラノ・サックス持替あり)
テナー・サックス × 1
トランペット × 3(フリューゲルホルン、エレキベース、パーカッション持替あり)
ホルン × 2(パーカッション持替あり)
トロンボーン × 1
ユーフォニアム × 4(パーカッション持替あり)
テューバ × 2
パーカッション × 1
そして私の計29人で合奏しました。
いやはや、お暑うございます。
この猛暑の中、よくぞ倒れずに練習できたものです。
もしも体調を崩された方がおられるようなら、
休養をとって、
本番までに回復してくださることを祈ります。
演奏自体にも熱が入りました。
全曲通し稽古しましたが、
特に「嵐メドレー」はかなりいいノリで弾けたのではないかと思います。
前日練習はしないのでこれが最後の全体練習でしたが、
皆さん、
気持ちよく終えることができたのではないかと思います。
前述の通り、
暑さ対策をしっかりして、
いい本番を迎えたいものです。
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