東京佼成ウインドオーケストラ第122回定期演奏会2015年1月24日

一週間前の土曜日、1月17日。
阪神淡路大震災発生から20年の節目を迎えたこの日は一日を静かに過ごそうかと思っていました。

が、東京芸術劇場で開かれる東京佼成ウインドオーケストラ第122回定期演奏会を聴きに行きたいという衝動を抑えきれず、翌日の日曜合奏で用いるスコア5曲分を抱えて東京日帰りを敢行しました。

京都駅を10時過ぎに発車する「のぞみ」に飛び乗り、いざ東京へ。

≪富士山が割とキレイに見えました。電線が邪魔ですが…≫

≪富士山が割とキレイに見えました。電線が邪魔ですが…≫

かつては東京駅まで乗ったものですが、東京芸術劇場のある池袋まで行くなら、品川乗り換えで山手線外回りのほうが少し早いでしょうか。
ところが目論見が外れ、何かが線路内に入ってしまったらしく、その確認と撤去作業のため山手線はノロノロ運転。
池袋に着いたらホッと一息、お茶でも飲んでからゆっくり鑑賞、と思っていたのですが、14時の開演ギリギリ、でもないのですが、お茶を飲む時間はありませんでした。

これまで何度か東京芸術劇場に足を運んだことがありますが、いつも池袋駅から地下の連絡通路を通っていたので、地上の様子をよく知りません。
今回、はじめて地上ルートで行ってみました。
巨大な建物だというのは分かっていましたが、今回あらためて、そのデカさに圧倒されました。
20150117東京芸術劇場外観

席は当日券。
せこいことはせず、バーンとS席を求めます。
すると、2階席の前から4列目中央やや下手寄りが横並びで6席スポッと空いています。
おそらく当日売り用に最初から空けてあるのだと思われます。
その6席の中で最も会場の中央に寄っている席を購入。
結局、残り5席には誰も来ず、図らずもベスト・ポジション・ゲットと相成ったのでした。

第122回定期は、TKWO 首席客演指揮者のトーマス・ザンデルリンク(ロシア出身)のタクトによるロシア・プログラム。

第1部一曲目はムソルグスキー作曲『聖ヨハネ祭の夜』。
と書くと、何の曲だかよく分からないかも知れませんが、実は『禿山の一夜』なのです。
中学校の音楽の授業で、標題音楽の代表作として聴いたという方も多いのではないでしょうか。
今回は伊藤康英さんによるオリジナリティあふれる編曲で聴かせていただきました。
激しい曲のイメージが強く、金管楽器の荒々しさなどが印象に残ると思われるかもしれませんが、私には木管楽器の美しさが特に印象的でした。

第1部二曲目はハチャトゥリアン作曲『ヴァイオリン協奏曲』。
18年前にマエストロ・フレデリック・フェネルの TKWO 桂冠指揮者就任を記念したコンサート・ツアーで、ヴァイオリンの代わりにフルートのソリストを招いて演奏された懐かしい楽曲です。
今回は神奈川フィルのソロ・コンサートマスターである石田泰尚さんをソリストに迎えて、ヴァイオリン・ソロをヴァイオリンで奏でる形態です。
いやはや、カッコよかったな。

第2部はムソルグスキー作曲『展覧会の絵』。
久保さんの完璧なトランペット・ソロに導かれ、「キエフの大門」に至る偉大な旅に同行させてもらいました。

アンコールはアストル・ピアソラ作曲『タンゴ・エチュード』。
初めて聴く曲でした。

全曲を通して最も印象に残ったのはクラリネット・セクションの音色の美しさ。
特に弱奏の場面での柔らかさは際立っていたと思います。

久しぶりに聴く TKWO の生演奏。
最初、少し緊張しながら聴いていました。
ちょっと楽しめなかった。
あまりに楽しみにし過ぎていてこうなること、ありますわな。
しかし、だんだん自分自身がほぐれていくのが分かりました。
最後には音楽に没頭して、体全体が耳になる感覚が戻ってきました。

帰りは池袋駅から山手線外回りで東京駅へ。
隣に座った鉄分の多いおばちゃんたちが、今乗っている車両は東京駅開業100周年記念のラッピングが施してあると大声でしゃべっていました。
せっかくなので東京駅で降りた際にカメラに収めました。
20150117山手線の東京駅開業100周年記念ラッピング

さて、新幹線車中でのスコア読みですが、往路はまるまる『レ・ミゼラブル』にかかりきりとなりました。
それでも読み切れず、復路の最初のほうも使って『レ・ミゼラブル』完結。
残り時間を残り4曲のスコア読み&小澤征爾さんの若き日の本を読んで、ちょうど京都。
そして1月18日(日)へと繋がっていきます。