天籟2015年2月12日

「てんらい」と読みます。
映画『マエストロ』で出てきた言葉。
初耳です。

はっきりとは意味が分からないのですが、映画を観ながら私なりにニュアンスが掴めたかな?
ある種の音楽的高揚と捉えました。

※※※

私の初「天籟」は、中学3年のときです。

文化祭で、クラス劇をやることになり、私は音楽監督を務めることになりました。
劇の題名は『緑の鳥の歌』。
少年兵の奏でるフルートの主題曲が重要なウエイトを占めます。
既存の楽曲を使っても構わないのですが、「俺が作曲する!」と断言してしまいました。
初めての作曲であるにもかかわらず…

毎夜ピアノの前に座り、悪戦苦闘の日々が続きました。
ピアノ伴奏付きのフルート・ソロという単純な曲ですが、弾けども弾けども、書けども書けども、全くいいのができません。
これが生みの苦しみなのでしょう。
徹夜に近いことも多く、寝坊、学校に遅刻で「本末転倒や!」と親にも先生にも叱られてばかり。
かなり追い込まれていました。

そんなある深夜、1分20秒の曲が、1分20秒で出来上がりました。
ピアノの上を勝手に動いた指の跡をトレースして楽譜を書くのに5分くらいはかかったかも知れませんが。
それは自分の指が弾いたとは全く思えない出来事でした。
「降りてきた」という感覚なのです。