オマージュ2016年1月29日
現在、せせらぎで取り組んでいる曲の一つに『 M.ルグランの世界』があります。
フランスの作曲家、ミシェル・ルグランの書いた映画音楽のメドレー。
超有名どこでは『シェルブールの雨傘』が入ってます。
『 M.ルグランの世界』を横文字にすると “ Hommage a M.Legrand ” となるそうです。
ミシェル・ルグランに尊敬の念を込めた作品、という感じになるのだと思います。
素敵なメロディの連続ですが、音にするのも、表現を深めていくのも、とても難しい楽曲です。
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さてさて、松竹系の映画館で今、『の・ようなもの のようなもの』という映画がかかっています。
故・森田芳光監督のデビュー作『の・ようなもの(1981)』の35年後を描いた作品。
「森田組」のスタッフ・キャストが結集して制作されました。
私は『の・ようなもの』を観ていません。
存在すら知りませんでした。
パンフレットによると、森田芳光さんが監督した長編映画は27本あるそうです。
私が観たことがあるのは『家族ゲーム』『失楽園』『39 刑法第三十九条』『間宮兄弟』『椿三十郎』『武士の家計簿』『僕達急行 A 列車で行こう(遺作)』の7本。
大したことありまへんな。
『の・ようなもの のようなもの』には、敬愛の気持ちから、森田作品にちなんだ「お遊び」が沢山仕込んであります。
その中で、私にとって一番面白かったのは、松山ケンイチくんとピエール瀧さんの絡み。
人を探して日本中を駆けずり回っている松ケンは、手がかりを持っているらしいピエールさんに伊豆で会います。
ピエールさんは渋々会ってやっている感じ。
ビールを勧められても呑まない松ケンが気に食わない様子がありあり。
「どうやってここまで来たんだ?」と怖い顔で聞くピエールさんに、「伊豆急のリゾート21で来ました」と答える松ケン。
すると一瞬、ピエールさんがニヤッとします。
これは『僕達急行 A 列車で行こう』に引っ掛けているのです。
『僕達急行 A 列車で行こう』で、松ケンは若手のサラリーマンを演じます。
取引先の社長役がピエール瀧さん。
二人とも「鉄ちゃん」ということで意気投合、それまでうまく行っていなかったビジネスが順調に動き始めます。
ちょっと違うかも知れませんが、『釣りバカ日誌』の三国連太郎さん(スーさん)と西田敏行さん(ハマちゃん)みたい。
実は映画を観ているときには「ピエールさん、なんでニヤッとしたんやろ?」と分かってなくて、後でパンフを読んで、「ああ、そうやった!」と気付きました。
パンフも愛に溢れています。
映画のパンフレットって、大体、ええことしか書いてなくて、ちょいと食傷気味になることがあります。
が、このパンフは何だか自然体なんです。
森田監督を敬愛する気持ちがこもっていると思いました。