『題名のない音楽会』で、岩井直溥さんの特集を…2013年5月5日

…ご覧になった方、どれくらいいらっしゃるでしょうか?

岩井直溥さんは、
吹奏楽でポップスを演奏することがまだまだ珍しかった約40年前から、
多くのポップスを吹奏楽に編曲したり、
ポップな吹奏楽曲を作曲したりして来られました。
90歳になる今もなお現役。
4月に発売された『ニュー・サウンズ・イン・ブラス2013』でも、
2曲の編曲と指揮を担当しておられます。

私が中学で吹奏楽部に入った頃、
岩井直溥さんの編曲は既に当たり前になっていたように思います。
おそらく『ニュー・サウンズ・イン・ブラス』シリーズ展開数年だと思いますが、
それくらい熱狂的に受け入れられたのでしょう。

ホルン吹きの私にとっては、
岩井直溥さんの編曲は吹き伸ばしの和音が多く、
最初はもう一つ面白くないと感じました。
しかし、だんだん和音のことが分かってくると、
ホルンで和音を吹くのが面白くなり始めました。
というのは、3声に分かれる他の楽器と違い、
ホルンは4声に分かれるからです。

3声だと、通常「ド・ミ・ソ」に分かれて終わりですが、
4声だと、「ド・ミ・ソ」に加えて
「ラ」だったり「シ♭」だったり「レ」だったりが加わるのです。
「シックス」や「セブンス」や「ナインス」というコード(和音)を経験できたことで、
ちょっとした響きの違いで音楽のムードが大きく変わることを
身をもって感じとることができました。

今、せせらぎでは、岩井直溥さん編曲の
『サウンド・オブ・ミュージック』に取り組んでいます。
やっぱり岩井さんの音だな、と懐かしく思いつつ、
今もって古さを感じさせない編曲の腕に驚かされます。
この曲の、ラスト3小節が特に難しく、
かつ、コード進行が最も面白くてやりがいを感じるところです。
何とかうまくいくように頑張りたいと思います。