化学反応、再び2014年6月7日

ユーフォニアム。
吹奏楽や金管バンドでなければ、
ほぼ編成されない楽器。
管弦楽では限られた楽曲でしか使われません。

私たちは「吹奏楽団せせらぎ」ですので、
ユーフォニアムが編成されるのは当然のことです。

長年、M月さんとF地(旧姓・K田)さんのお二人で、
せせらぎのユーフォニアムを守ってきてくださいました。

…っていう風に「過去進行形」で書くと、
今はそうじゃないように響くかも知れませんが、
実は今も二人で守っていてくれるのです。

ただ、年嵩のM月さんの体調がすぐれず、
もしかすると管楽器であるユーフォニアムが吹けなくなる、
そんな心配があったのです。

ある日、
M月さんはストリング・ベースを抱えてスタジオに登場しました。
「なるほど、管楽器が駄目でも、その手があったか!」
みんなでナ~ルホドとうなずいたのでした。

せせらぎにはストリング・ベース奏者がおらず、
毎年、どう対応するか頭を痛めていたのです。
自らストリング・ベースを弾くことにより、
楽団の懸案事項を解決しようとしてくださったのでした。

と、こういう書き方をすると、
いかにも簡単にストリング・ベースを弾くことができるようになった、
と錯覚されるかも知れませんが、
そんな訳がありません。
物凄い苦労があってのことなのです。
簡単に弾くことができる楽器などありません。

「その手があったか!」と気付いたのは私だけではなく、
打楽器のK原リーダーもそうでした。
「うちも人手不足で困ってるんですけど、手伝ってもらえません?」

かくしてM月さんは、
ストリング・ベースを弾き、
さらには打楽器もこなしていただくことと相成りました。

そしてそして、ユーフォニアムもプレイされます。
演奏する曲は限られますが。

M月さんのユーフォニアムの安定感には、
定評がありました。
というか、普段から評価なんて言葉がないくらい、
当たり前のようにプレイされていました。
イチロー選手がヒットを打つのなんて当たり前すぎて、
ニュースにならないようなのと似ていました。

最近、F地さんはM月さんに隠れている訳にいかず、
矢面に立っています。
それで息切れしてしまっているかといえば、
さにあらず。
度胸の据わった、いいプレイをしているのです。
マー君9勝目!みたいな感じです。

ユーフォニアムというと、
アルト・サックスみたいな花形ではないかも知れませんが、
私から観れば(聴けば)明らかに化学反応が起こっています。
全く音をはずさず、
しかも音色が美しいというのは、
奇跡的な出来事なんです。
レーザー・ビームみたいに凄いのです(⇒イチロー選手の送球)