東京佼成ウインドオーケストラ第130回定期演奏会を聴く2016年9月26日

9月22日、秋分の日。

東京佼成ウインドオーケストラ( TKWO )第130回定期演奏会を聴きに、
東京は池袋の東京芸術劇場コンサートホールへ行ってきました。

指揮は、正指揮者の大井剛史さん。

大井さんの指揮する TKWO を初めて聴いたのは、
「アルフレッド・リード作品集」という CD だったと思います。
その1曲目、『春の猟犬』でいきなり心臓を射抜かれた思い!
こんなにクリアーな『春の猟犬』は聴いたことがないと思ったのです。
しかもこのアルバム、全曲が定期演奏会のライヴなのです。
ライヴでこの質はビックリ!

大井剛史さんと TKWO をナマで聴くのをとても楽しみにしていました。

「巨匠たちを奏でる」と銘打たれたこの日のプログラムは、

・吹奏楽のための交響曲第1番/クロード・トーマス・スミス
・交響曲第2番「三法印」/ロバート・ジェイガー
・交響曲第3番 作品89/ジェイムズ・バーンズ

吹奏楽の超有名どこばかりです。

スミスやバーンズでは決めどこが一音も外れず、
タイミングもバシッと決まり、
実に気持ちいい。

仏教思想を基に作られたジェイガーの作品は、
やや眠気を催すものでもありましたが、
寝落ちスレスレで何とか起きてる時の、あの何とも言えない感じ、
不思議な快感と集中力とが相俟って、
素晴らしい精神世界に連れていってくれました。
(少しアブナイか?)

ただ、大井 & TKWO への期待値を上げ過ぎたせいか、
木管のうねりと、金管のゆったりとした旋律とが交錯する場面で、
縦の線の揃いが甘かったのが少し気になりました。

とはいうものの、バッチリ大満足の演奏でした。

TKWO は音がいいのはもちろんですが、
演奏中はもちろんのこと、舞台上にいる楽員の皆さんの「姿」を観るのも楽しいのです。
グルーヴ感が心地よいし、演奏後の笑顔や、楽員同士が握手している様子が実に気持ちいい。

桂冠指揮者フレデリック・フェネルが他界され、
多くの楽員が若手に入れ替わった今でも、
「和」の伝統が受け継がれている。
それがとても嬉しいのです。