『おくりびと』2021年8月6日
松竹映画100周年記念作品『キネマの神様』の上映が、
今日から始まりました。
それを機に、
松竹の名作を厳選して、
アップリンク京都でリバイバルされています。
「寅さん」は見逃してしまいましたが、
木下恵介監督の『カルメン故郷に帰る』、
小津安二郎監督の『東京暮色』、
そして滝田洋二郎監督の『おくりびと』を観ることが出来ました。
『カルメン故郷に帰る』と『東京暮色』は初めて観ました。
特に『カルメン故郷に帰る』は観たい作品だったので、
いい機会に巡り合えました。
『おくりびと』は何回観たことでしょう?
おそらく3~4回は観ていると思います。
2008年の公開前から、
映画館スタッフの間で話題になっていました。
映画界における「本屋大賞」みたいな感じだったのです。
私も予告篇段階から見たくてうずうずしていました。
1回観て、
年末に2008年最後に観る映画として2回目、
年明けに3回目。
そんなペースで観たと思います。
結構お客さんが入って人気になったけれど、
一旦終映。
その後、
アカデミーで外国語映画賞を受賞して人気が再燃し、
上映が再開されるという異例のロングランとなったのでした。
再開後にもう一度観たときは、
おそらく平日だったと思いますがほぼ満席。
私はいつものように早めに席について、
呼吸を整えて上映開始を待っていたのですが、
私の前の席の3~4人のおばちゃんたちが、
上映開始後にドヤドヤ言いながら入ってきたのです。
上着を脱いで荷物を置いて、
落ち着くまでにやっぱり数分はかかりますわな。
イヤ~な気持ちを我慢して映画に集中しようと努力したのを思い出します。
映画の内容は少しも損なわれるものではないのですが、
出来ればもう一度、
ゆっくり落ち着いた環境で観たいと思い続けていたので、
その機会に恵まれて幸せです。
モックン、山崎努さんの乗るバンが吹雪の中を走るトップシーンから、
生き別れの父(峰岸徹さん)を納棺してあげつつ、
その手に握られていた石文を妻(広末涼子さん)のお腹の中の我が子に託すラストシーンまで、
ずーっと泣きっぱなし。
ハンカチじゃ足りない。
泣ける映画がいい映画という訳じゃない。
常々そう思っていますが、
『おくりびと』はお涙頂戴の薄っぺらいドラマじゃない。
やはりマイ・トップ5の一つです。
(他は『男はつらいよ』シリーズ
『ある日どこかで』
『1001グラム』
『メッセージ』)
(いや、ちょっと待てよ、
『かもめ食堂』は?
『フラガール』は?
『海街diary』は?
『耳をすませば』は?)