Vol.28 ~2012.7.13(金)の合奏風景(+α)〜2012年7月16日

今日の音階&アルペジオはAs-Dur。
吹奏楽の基本であるB-Durから全音1つ分下の調で、
調号はフラットが2つ増えただけだからそんなに難しくない
…はずなのですが、これがなかなか合わない。
基準音では合っていても、その他の音ではそれぞれの楽器の特性で
音程が高くなったり低くなったりしてしまうのですね。
それから今日は、いつも低音をささえてくれているテューバパートが
2人とも欠席ということもあって合わせにくかったのかもしれません。

音階練習のあとは「コラール in Es-Dur ver.2」。
7月7日の「指揮者のひとりごと」にも書いてありますが、
せせらぎコンサート前までは同じ曲のB-Durバージョンを練習していました。
こちらも調が違うだけで演奏のしやすさが随分変わります。

B-DurでもEs-Durでも、この曲を演奏するときに
個人的に気を付けている箇所は、練習番号[B]冒頭の音程です。
ここで急に人が少なくなって、しかもメロディがユニゾンなので
音程が合わないととても目立ってしまうのです。
日頃気を付けている成果があったのか、今日はこの箇所が
トロンボーンとテナーサックスでぴったり合っていると
指揮者から誉めてもらって、ひそかに嬉しかったのでした。

コラールのあとはフィリップ・スパーク作曲の「テームサイド序曲」。
先週から練習を始めたばかりの曲です。
この曲は、冒頭が「四分音符=84」のMaestosoで始まり、
途中から「二分音符=84」のAllegro vivoとちょうど倍のテンポになります。
しかし今日はAllegro vivoの個所でも倍のテンポにはせずに、
そのままのテンポで練習をしました。
おそらく来週からもこのテンポ(=半分のテンポ)での練習が
しばらく続くのだろうなあ、と思います。

演奏者としては、半分テンポでの練習は一般に楽しいものではありません。
楽譜に指定してある通りのテンポで演奏することには憧れがありますし、
できることならば、やはり指定テンポでの演奏が一番楽しいのだと思います。
しかしながら今の段階で指定テンポにしてしまったら、
きっと本当の意味では演奏を楽しむことができないだろうな、とも思います。

建築や美術の分野で「神は細部に宿る」という言葉があります。
「細かいところをきちんと仕上げないと良いものはできませんよ」
というような意味で使われる言葉のようです。
音づくりにおいてもこれは真実ではないでしょうか。
音楽において「細かいところをきちんと仕上げる」ための手段として、
とても有効なのが「テンポを半分にして練習する」ということなのだと思います。
プロの演奏家の人や、とてもセンスの良い人であれば、
わざわざテンポを落として練習しなくても、
指定テンポで細部を仕上げることができるのかもしれません。
でも僕達アマチュアが良いものを作ろうと思ったら、
やはりしんどくてもテンポを落としての練習は必要なのでしょう。

…と、こんなことを書くと「テームサイド序曲」のAllegro vivoの箇所を
「嫌々ながら」「仕方なく」半分テンポで練習している、というふうに
見えるかもしれませんが、この曲に限っては実はそうでもありません。
特に85小節目から130小節目までの、臨時記号が山のように出てくる部分は、
半分のテンポでもこれはこれで何だか自然に聞こえます。
テームサイド序曲という曲は今回の練習で初めて触れたのですが、
この臨時記号ゾーンは早くも気に入ってしまいました。
合奏中は「どうしてスパークは調号を変えずに臨時記号でこの部分を
書いたのだろう」ということについて、いろいろ想いを巡らせながら
楽器を吹いています。
自分なりの仮説が見つかったら、誰かと意見交換したいなあ。

さて練習が終わった後は、近くの居酒屋に行って
ビール(またはウーロン茶)で乾杯!
別に何かの打ち上げとかではありません。
単にお腹が空いた人たちが集まると、こういう流れになってしまいます。
何か美味しいものをたくさん食べたような気がするのですが、
何を食べたのか覚えていないのが残念。
途中から、本日欠席していたテューバ奏者のうち1名が合流し、
普段飲みなれない日本酒でノックアウト。
こうやって今日も金曜の夜は更けていくのでした。

サックス やました