『平清盛』最終回2012年12月24日

NHK大河ドラマ『平清盛』が遂に最終回を迎えました。
視聴率低迷が続いた番組でしたが、
私にとっては最高に面白いドラマでした。
吉松隆さんの音楽も素晴らしかった(サウンドトラックも買ってしまった!)
皆さんにとってはどうだったでしょうか?

視聴率が低い原因の一つとして、
人間関係が分かりづらいということが言われました。
確かに、難しかったと思います。
このドラマが大好きだった私とて、
把握できている訳ではありません。
でも、考えてみれば、人間関係などというのは、
そもそもが複雑なのではないかと思うのです。
また、一人の人間がそもそも複雑だと思うのです。
生い立ちからして、清盛は実に複雑な人物です。
そう考えれば、私にとっては『平清盛』を敬遠する原因にはなりませんでした。
むしろ興味深く観続けることができたのです。

さて、
最終回で清盛は熱病のためこの世を去り、
その後の平家滅亡も描かれました。

清盛の妻・時子を演じてきた深田恭子さん。
清盛と結ばれる若かりし日から安徳天皇とともに壇ノ浦で入水する時まで、
ありえないほどの美しさを保ち続けてきました。
清盛を演じる松山ケンイチさんがどんどん老けメイクを施されていくのに、
時子の深田恭子さんはずっと若々しいのです。
いくらなんでもこれは不自然だと思い続けていました。
画面が汚い、埃っぽいと非難され続けてきたドラマなので、
視聴率対策で時子のメイクに気を遣ったんだろうかと思っていました。

しかし、最終回で、私なりにその理由が分かりました。

美しい時子が幼い安徳天皇を抱いて入水することで、
哀しみ、儚さ、諸行無常なることをより強く感じさせられました。
深田恭子さんの老けメイクが控えめだったのは
壇ノ浦での表現のためだったのではないかと私は思います。

全編終了後、
「清盛紀行」で壇ノ浦を紹介する井上あさひアナウンサーの誠実なナレーションとともに
『平清盛』は幕を閉じました。