ソロ2013年1月7日

ソロ。独奏。独唱。
一人で奏でるというのは大変なことですが、
うまくいけば大変気持ちの良いものです、
プレイヤーにとっても、聴いている人にとっても。

せせらぎでは、
メンバー内からソリストを立てて協奏曲を演奏したことはありますが、
外部からソリストを招いての協奏曲は経験していなかったと思います。
それはさておき、
楽団員が務めるのであれ外部からソリストを呼ぶのであれ、
コンチェルトを演奏する際のソリストは、
オーケストラと対峙するものと思います。
「対峙」といっても、
喧嘩したり張り合ったりするという意味ではなく、
それぞれ別のユニットとして協力しあい演奏するという意味で用いた言葉です。
つまり、コンチェルトのソリストは、
もう一つのオーケストラとも言えるかも知れません。
(といっても、音量的には、ソリストの音量がオーケストラに飲み込まれてしまう場面もあります。
なかなかニュアンスを表現するのが難しいですが…)

しかし、協奏曲ではなく、ある楽曲中で出てくるソロ。
それが長いものであれ短いものであれ、
大きい音で奏でるものであれ小さな音で奏でるものであれ、
コンチェルトのソリストのソロとは違うと思うのです。
楽団の代表として演ずるものだと思うのです。
その場面で作曲者が選んだ表現の手段がソロであるというだけで、
一人で演奏するのは事実ですが、
でも、一人じゃないんです。

ソロを担当することになる方、
おいしい場面を持っていきましたね。
でも、ただおいしいだけではないことを肝に銘じましょう。
あなたをソロに送り出してくれた楽団員の思いを背負っていることを。

また、そのソロを伴奏する方々、
あるいはその場面では出番がなく聴いている方々、
あなた方のバックアップがなければソロは成り立ちません。
ソリストを応援してあげてほしいと思います。

ソロ、それは華やかで甘美なもの。
でも、演奏は常に一人ではできないものだと思います。
それを忘れてはいけないと思います。