楽譜修理2013年1月22日

昨年10月の「バンビオLIVE」で演奏した『オール・アバウト・ユー』。
ユーフォニアム奏者でありエレクトーン奏者でもあるカヨさんの編曲作品です。
既に本番を終えて3ヶ月経ちますが、
実は今でも楽譜の「修理」作業中です。

「手直し」とか「編集」とかはよく用いる言葉ですが、
敢えて「修理」という言葉を使うのは、
楽譜そのものが間違っている訳ではないからです。

いや、厳密にいうと間違った「書き方」をしている箇所を「手直し」してもいます。
例えば、ある小節で♭(フラット)を付けて半音低くした音があるとします。
次の小節も引き続き半音下げなければならないのに♭を書き漏らしたようなケースです。
気持ちは♭なのに、書くのを忘れたのでしょうね。

また、強弱記号やスラーのかけ方が楽器によってバラついていたりすることもあります。
そういった箇所は、確かに「編集」しています。

しかし、大部分の作業は、やっぱり「修理」という言葉がピッタリきます。
というのは、印字が薄くなってしまっている箇所を、
濃くなぞり直しているのです。

プレイヤーにとって、印字の薄い楽譜を読むのはかなりつらいもの。
手書きであろうがコンピュータ浄書であろうが、
濃く読み取りやすい楽譜はとてもありがたいのです。

先日、木管楽器のパート譜の修理が終わったところ。
ようやく金管楽器に移ったところなので、
全体が終わるのは3月末くらいになるかと思います。
楽譜係さん、原譜を借りっぱなしで済みません。
ここまで来たら最後までやらないと気が済まないので、
もうちょっと貸しておいてください。

ところで、何で手書きでなぞり直しているのかって?
コンピュータで打ち直したほうが早いのじゃないかって?
そりゃ、仰ることもわかりますが、
もともとが手書きの楽譜なんです。
それをコンピュータ浄書にしてしまったら、
「味」ってもんがなくなるんとちゃうか、
と思いまして…