シェイクダウン2015年11月7日
11月6日(金)は、
フルート × 2
B♭クラリネット × 7
アルト・サックス × 1
テナー・サックス × 1
バリトン・サックス × 1
トランペット × 4
ホルン × 5
トロンボーン × 3
テューバ × 1
パーカッション × 3
そして私の計29人で合奏を行いました。
さらにアルト・サックスの見学の方お一人にも参加していただきました。
この日は、テューバ奏者、前団長、現在も練習指揮者(僕は副指揮者と思っています)で、作・編曲家(お勤めは某大学職員)のK藤さんの新作『コラール・ソノラメンテ(響き渡るコラール)』の初合奏でした。
8月末だったか9月初旬だったかに、まずは出来上がったスコアを受け取りました。
『序曲1812年』と、10月の大住中学校さんでのミニ・コンサートの準備と並行して、譜読みしていきました。
難儀している『序曲1812年』とは大違いで、記譜ミスは一箇所しかありませんでした。
私がK藤さんにお願いした手直しは …
(1)音域
コラールを練習に組み込むようにしたのは、いろんな調の、いろんな和音感覚に慣れるため。
また、基礎合奏後、いきなり楽曲合奏ではなく、一旦コラールを挟んだほうがスムーズに進むので。
さらに、基礎合奏をする時間がない時でも、コラールで楽曲合奏前の息を合わせるため。
となると、各楽器にとって音が高すぎたり低すぎたりしない方がスムーズなのです。
オーボエで気になる低さの音があったので、それをオクターヴ上げてもらいました。
(2)出番
作曲家としては、「この場面は、このくらいの音の薄さで … 」という想いがあり、休んでいる楽器が多いという箇所もあるかと思います。
が、「練習」の音頭取りをしている指揮者としては、出来るだけ出番を多くしてほしいと要望しました。
オーボエ、トランペット、ホルン、トロンボーン、ユーフォニアム、グロッケンシュピールの音符が増量されました。
(3)和音
K藤さんが書いてくれたコラールは、これで5曲目。
B♭からスタートし、E♭、A♭、D♭ときて、『コラール・ソノラメンテ』は in G♭(変ト長調)。
全12調のコラールをお願いしているので、あと7曲作ってもらう手筈です、何年かかろうとも。
5曲目である『ソノラメンテ』は中間地点ではありませんが、in C(ハ長調)から数えれば中間点。
というのは、ピアノと同じ C 管にとっては、調号の♭が6つ付く調。
イコール、♯に置き換えても調号が6つ。
基音となるソ♭ = ファ♯で、in G♭だと♭6個だし、in F♯だと♯6個なのです。
「コラールは、まだまだ続くよ」という想いを込めて、最終小節の和音を、「終わったのかな、あれ? それとも終わってないのかな」という響きにされました。
具体的には半音当たる音を書いてはるのですが、割と低い音域でぶつかっていました。
大雑把にいって、ヘ音記号の音域では、音の間隔を広くとった方が、よい響きとなります。
「ド・ミ・ソ」という和音でも、「ミ」を書くことはあまりありません。
(特に効果を狙って書いてあることもありますが。最低音(根音)が「ミ」というケースも)
『ソノラメンテ』では、最初、ヘ音記号の音域で「ファ♯」と「ソ」が当たっていました。
なので、この音域では「ファ♯」のみを鳴らし、「ソ」はオクターヴ上げることを提案しました。
アルト・クラリネット、4th.ホルン、2nd.トロンボーンの音は、この曲の締めくくりを実に印象的にしてくれます。
※※※
♭が沢山付くと、何だか曲調も難解なのでは … いえいえ、そんなことはありません。
「ソ」⇒「ミ」⇒「レ」と心地よく音が重なってスタートします。
皆さん、しっかり譜読みをしてきてくれたようで、難しい調でありながら、美しい響きで進んでいきました。
でも、そろそろ半音間違いが起こりそうやな、と思っていたらその通りになってしまいました。
実音 C♭ が鳴らなければならないところ、C♮ を鳴らした人がいて、響きがグチャッとなりました。
これはこれで、いい注意喚起になりました。
in G♭ では、C には♭が必要なことが実感できました。
大切なのはミスを繰り返さないことですな。
途中、短調になる辺り、また最終小節の和音に向かっていくところのベース・ラインが特徴的。
言葉にすると「不穏な感じ」と言えばいいのでしょうか。
が、残念ながら、作曲者でありテューバ奏者でもあるK藤さんは『ソノラメンテ』の合奏に間に合わず、他の低音楽器奏者もまだ来ることができない時間帯だったため、低音が全くありませんでした。
特に最終小節の和音への「繫ぎ役」が低音楽器なので、ラストの響きが唐突な感じになりました。
おそらく、プレイヤーの皆さんにとったら「不安」だったでしょう。
次回期待です。