耳の錯覚2016年3月16日

ミシェル・ルグランの名曲4つをメドレーにした『ミシェル・ルグランの世界』。
その中の1曲目、『キャラバンの到着』の演奏が大変です。
いわゆる “ ジャズ・ワルツ ” で、3拍子が続くのですが、時に拍子感がどっかへ行くようで。

編曲者の真島俊夫さんによると、テンポの速いモダン・ジャズは決してハネないそうです。
でも、ハネてるように聴こえる場面も多々あります。

原典である映画『ロシュフォールの恋人たち』のサントラを聴くと、曲の冒頭で、
ストリング・ベースが刻む特徴的な8分音符の連続音型が出てきます。
ピチカート奏法なので、ハネていないことが一目(聴?)瞭然。
が、バス・クラリネットが重なると、ハネているように聴こえるんですね。
音の長短、強弱によってハネてるような錯覚を生むのでしょう。

これが、天才ミシェルの狙いなんでしょうか?