『奇蹟がくれた数式』を観る2016年10月31日

『奇蹟がくれた数式』を観ました。

『スラムドッグ$ミリオネア』で大ブレイクしたデヴ・パテルが、
天才的なインド人数学者であるラマヌジャンを演じます。
実話に基づいた映画です。

と、最初から詳しく知っているみたいな書き方ですが、
映画を観て、上映後にパンフレットを読んで、
「はぁ~、そんな偉人がいたのか~」となったのです。
毎度のことですが。

でもまあ、こうして映画を通して全く知らなかった世界と触れ合うことができるのも、
映画を観る醍醐味ではあります。

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さて、題名に “ 数式 ” と付く映画というと、
私にとっては何と言っても『博士の愛した数式』が思い出されます。

時に2006年。
鳥取の温泉を立つ前、
何の気なしに NHK の『生活ホッとモーニング』(現在の『あさイチ』の枠)を観ていたら、
ゲスト・インタビューのコーナーに寺尾聡さんが登場。
そこで紹介されたのが、寺尾聡さん主演の映画『博士の愛した数式』でした。

何に惹きつけられたのかよく分からないのですが、
久しぶりに映画館に足を運んでみようか、と思ったのです。

数日後の夜勤明けで、当時、開館すぐだったと思われる MOVIX 京都へ行きました。
上映開始すぐ、
ふかっちゃん(深津絵里さん)が千曲川の畔を自転車で駆けていくシーンがあまりにも美しく、
それからずっと、
あらゆるシーンが「素晴らしい!素晴らしい!素晴らしい!」と思えて、
ずっと泣きっぱなしでした。

子供の頃から映画が好きな私でしたが、
長らく映画を楽しむという習慣から離れていました。
が、『博士の愛した数式』のおかげで、
私の中の「映画の火」は完全に復活したのです。

以来10年、私の映画熱はエスカレートするばかりです。

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『奇蹟がくれた数式』に話を戻しましょう。
数学の研究に没頭するラマヌジャンに、妻が、
「あなたにとって数式って何なの?」と質問するシーン。
ラマヌジャンは、ふと考えて、
「絵のようなもの」と答えます。

高校1年生で数学を諦めた私が言うのも何なんですが、
その感覚、分かるような気がしました。

ちなみに、『博士の愛した数式』を観たとき、
「数式」って美しいなと感じました。
『博士の愛した数式』では「素数」が大きく扱われました。
「数式」もそうだけど、
「数字」そのものが美しく思えました。

本当に感覚的な話で恐縮なのですが、
「数式」の美しさと、
「楽譜」の美しさには、
何か共通するものがあるように感じます。

手書きであるとか、
コンピュータ浄書であるとかは関係ありません。
見ただけで美しく感じるもの、そうでないものがあるのです。

私にとっては、
ストラヴィンスキーの『ペトルーシュカ』のスコアがとても美しく感じます。
最近見ていませんでしたが、
たまには手にとってみようかな。