追悼2021年10月9日

すぎやまこういちさんが亡くなりました。

テレビのニュース等では、
「ドラクエ」の作曲家、
JRA のファンファーレの作曲家というばかりで、
まるで他の仕事はしてないみたいな受け取られ方をしかねない報道が多かったと思います。

やっぱり新聞を読むと、
ちゃんと書いてはるんですな。
東京大学卒で、
フジテレビのディレクターを務めた後、
作曲家としてフリーに。
代表曲には『亜麻色の髪の乙女』や『学生街の喫茶店』。

そして『帰ってきたウルトラマン』『サイボーグ009』と。

まずは『帰ってきたウルトラマン』から語りましょう。

実は、主題歌と『 MAT チームの歌』の作編曲をしたのはすぎやまこういちさんなんですが、
それ以外の劇中音楽(いわゆる劇伴)を書いたのは冬木透さんです。
有名な “ ワンダバ ” コーラスを書いたのも冬木透さん。
前作の『ウルトラセブン』すべての音楽を担当したのも冬木透さんです。

にもかかわらず、
すぎやまこういちさんが『帰ってきたウルトラマン』の作曲家として新聞に書かれるということは、
主題歌があまりにも名曲であるからでしょう。

宮内國郎さんの書かれた初代『ウルトラマンの歌』の旋律を引用しつつ、
すぎやまさん独自の旋律を導かれた『帰ってきたウルトラマン』は、
マーベラスとしか言いようがありません!

トランペットやティンパニの使い方がカッコよく、
エレキギターのアルペジオが華やかで、
ハープのグリッサンドが贅沢。
シロフォンがキレッキレ。
そして何よりホルンのオブリガートにシビレル!

次に『サイボーグ009』。
こちらは逆に、
主題歌『誰がために』と、
エンディング『いつの日か』の作曲は平尾昌晃さん。
編曲がすぎやまこういちさん。
劇伴はすぎやまこういちです。

原作者である石ノ森章太郎さんの詩「涙で渡る血の大河 夢みて走る死の荒野」と、
オーボエの哀切な音色が絡まる『誰がために』。
「吹きすさぶ風がよく似合うサイボーグ戦士」を表現しているのでしょうか、
グリッサンドしたホルンはすぐにフォールダウン。
こんな音型、『誰がために』でしか聴いたことがない。

『交響組曲サイボーグ009』がこれまた素晴らしく、
私の愛聴盤です。

あと、忘れてならないと思っているのは、
『交響組曲科学忍者隊ガッチャマン』と『交響曲イデオン』。

ガッチャマンと言えば、
小林亜星さん作詩でボブ佐久間さん作曲の主題歌が有名です。
テレビシリーズの劇伴もボブ佐久間さんでした。

が、映画版ではすぎやまこういちさんが音楽を担当されたのです。
(数年前の実写版とは違います。アニメです)

私はその映画を観たかどうかの記憶が定かではないのですが、
何かの機会に音楽は聴いたと思うのです。
えらくアバンギャルドで印象に残りました。
演奏が NHK 交響楽団だったというのも衝撃でした。

それ(映画版)が『交響組曲科学忍者隊ガッチャマン』なのですが、
今やなかなか手に入りません。
もう一度聴いてみたいと思い続けているのですが。

『交響曲イデオン』ももう一度聴いてみたい楽曲です。

『伝説巨神イデオン』の音楽を交響曲にしたものですが、
やはり主題歌が秀逸でした。
ホルンのオブリガートがワンダフル!

『交響曲イデオン』はカセットテープで所持していることはしているのですが、
カセットデッキが今や手元にないこと、
あったとしても録音フォーマットが特殊で通常のデッキでは聴けないので、
やはり音源を探しています。