2012年12月

「おくりびと」を聴きながら2012年12月31日

2012年も大晦日となりました。
新年を迎える準備で大忙しという方、きっと多いだろうと思います。

私はというと、昨日がやっと仕事納め。
12/27(木)で職場全体として一旦締めがあったあと、
12/28(金)は数人が出社して最後のデスク作業。
12/29(土)と12/30(日)は、なおも残った仕事のため一人で出社。
この二日間、てんてこ舞いの忙しさ。
(と書きつつ、人が休んでいるときに働き、人が働いているときに休む。個人的には大好きです)
ようやく大晦日になって「ひとりごと」の原稿に向き合っています。

今、映画『おくりびと』のサウンドトラックを聴いています。
ラックに並べてあるCDを順番に聴いてきたら、
たまたま今日は『おくりびと』だったということなのですが、
何かそういう巡りあわせだったのかなという気がします。

今年を振り返ると、やはり、
せせらぎコンサートの一ヶ月前に母を見送ったことが一番大きかった。
いろいろと確執のあった母ですが、
やはり死なれてしまうととポッカリ穴が開いたようです。

演奏会前の忙しいときに会葬してくれたせせらぎプレイヤーズの皆さん、
本当にありがとう。
皆さんの支えがあったからこそ、
一ヵ月後のせせらぎコンサートで、
何とか指揮することができました。
『組曲「宇宙戦艦ヤマト」』、楽曲の仕上がりとして評判が良かったですが、
すごく念を込めることができた凄い演奏でしたね。

せせらぎコンサートの翌日、
私は47歳になりました。
思えば、今から22年前の1990年、
姉が47歳で亡くなりました。
姉が死んだ年齢に追いついたかと思うと、
何だかとても感慨深い。

2013年、せせらぎコンサートの頃には48歳になっている筈です。
健康に気をつけて元気にタクトを振ることができるようにしたいと思いつつ、
2012年はこれで筆を置かせていただこうと思います。

※※※

吹奏楽団せせらぎのホームページを訪ねてくださった方、
そして「指揮者のひとりごと」を読んでくださった方、
今年もどうもありがとうございました。

2013年もどうぞよろしくお願いいたします。

指揮者の「地味で地道な」日常をお伝えしていこうと思います。
(ん?映画観すぎとちゃうの?)

風が吹いている2012年12月26日

昨日、『火曜曲』で、
いきものがかりの『風が吹いている』を聴きました。
素晴らしかった!

深夜、『クリスマスの約束』で、
再び『風が吹いている』を聴きました。
こちらは、
小田和正さん、
スターダストレビューの根本要さん、
大好きなスキマスイッチの常田くん、大橋くん、
そして、いきものがかりの水野くんの合計5人での、
スペシャルなアンサンブルでした。
これはこれでまた素晴らしい!

今年、せせらぎでも『風が吹いている』を演奏しました。
練習の際、よく、メインボーカルの吉岡聖恵さんの話をしました。
勝手に、「吉岡ッ!」と呼び捨てにしたりしました。
済みません。
凄く親近感があったもので…

※※※

高校卒業、大学受験玉砕、予備校進学…
そのとき、同じクラスになったのが、
吉岡聖恵さんによく似た女の子だったのです。
吉岡聖恵さんと違って、凄くショートヘアでしたが、
顔立ちはそっくりでした。
彼女の名前も素性も知りません。
声をかける勇気がありませんでした。
でも、浪人時代の私の憧れでした。

※※※

今年、紅白歌合戦の赤組のトリはいきものがかりの『風が吹いている』だそうです。
ちょいとセンチメンタルな気分で聴こうかな…

寒い日だからこそ…2012年12月25日

12/24、クリスマス・イヴ。
カレンダー上、振替休日。
自分自身にとっても珍しく休みの日。
だからといって何もありません。

実に難しい『テームサイド序曲』の中間部を
すべてC調に合わせてまとめる(コンデンスする)作業、
ようやくあと3小節で完成するところまで来ていたので、
まずはこいつに取り掛かります。
ああっ、やっとできた!
複雑怪奇に見えていた楽譜も、
コンデンスするとスッキリすることが多いのです。
それにしても、よく書けている楽曲です。

それじゃ、映画、観に行く?
いやいや、こんな混みそうな日に街に出るなんて…
やっぱり人の少なそうな方向に向かっての散歩じゃろ~
ということで、
敢えて北に向かって歩き始めました。

賀茂川の土手から比叡山を眺めると、
何やら空から霧が降りてくるように見えるのです。
あれはきっと、雪に違いない。
と思っていると、みるみる雪が。
耳あて付きの帽子、雪除けの意味で掛けたサングラス。
自分自身にとっては実用的なスタイルなのですが、
人から見たら怪しいに違いない。

松ヶ崎の浄水場を経由して高野川沿いに宝ヶ池に至るお気に入りのコース。
この日はそこから引き返してくるのではなく、
さらに北西を目指しました。
京都精華大学まで歩いてみようと思ったのです。

自分自身が卒業した同志社大学、もちろん誇りに思っています。
しかし、もし今から大学生活をやり直すことができるとしたら?
音楽大学・芸術大学で音楽の勉強をしっかりやりたい、
あるいは下宿して、東北大学や信州大学に通いたい、
いろんな夢がありますが、
京都でならば京都精華大学で勉強したい、と思うのです。

勝手なイメージかも知れませんが、
山あいの素晴らしい環境にある京都精華大学、
きっと何かあると思ってしまうのです。
憧れって奴ですね。

で、仮に入学できたとして、何を勉強する?
いやいや、実はそこまで考えてなくて…

※※※

帰りは叡山電車の京都精華大前駅から電車に乗ったのですが、
その手前の木野駅周辺を歩いていたときのこと。
家々の表札を何の気なしに眺めていると、
藤原・藤本・藤木・木村・荒木・小林などなど、
藤原氏の末裔といわれている苗字のオンパレード!
周辺案内板を見ても、やっぱりそうなのです。
ここは隠れ里なのでしょうか?

『平清盛』最終回2012年12月24日

NHK大河ドラマ『平清盛』が遂に最終回を迎えました。
視聴率低迷が続いた番組でしたが、
私にとっては最高に面白いドラマでした。
吉松隆さんの音楽も素晴らしかった(サウンドトラックも買ってしまった!)
皆さんにとってはどうだったでしょうか?

視聴率が低い原因の一つとして、
人間関係が分かりづらいということが言われました。
確かに、難しかったと思います。
このドラマが大好きだった私とて、
把握できている訳ではありません。
でも、考えてみれば、人間関係などというのは、
そもそもが複雑なのではないかと思うのです。
また、一人の人間がそもそも複雑だと思うのです。
生い立ちからして、清盛は実に複雑な人物です。
そう考えれば、私にとっては『平清盛』を敬遠する原因にはなりませんでした。
むしろ興味深く観続けることができたのです。

さて、
最終回で清盛は熱病のためこの世を去り、
その後の平家滅亡も描かれました。

清盛の妻・時子を演じてきた深田恭子さん。
清盛と結ばれる若かりし日から安徳天皇とともに壇ノ浦で入水する時まで、
ありえないほどの美しさを保ち続けてきました。
清盛を演じる松山ケンイチさんがどんどん老けメイクを施されていくのに、
時子の深田恭子さんはずっと若々しいのです。
いくらなんでもこれは不自然だと思い続けていました。
画面が汚い、埃っぽいと非難され続けてきたドラマなので、
視聴率対策で時子のメイクに気を遣ったんだろうかと思っていました。

しかし、最終回で、私なりにその理由が分かりました。

美しい時子が幼い安徳天皇を抱いて入水することで、
哀しみ、儚さ、諸行無常なることをより強く感じさせられました。
深田恭子さんの老けメイクが控えめだったのは
壇ノ浦での表現のためだったのではないかと私は思います。

全編終了後、
「清盛紀行」で壇ノ浦を紹介する井上あさひアナウンサーの誠実なナレーションとともに
『平清盛』は幕を閉じました。

年内最終回2012年12月23日

2012年の締めくくりとなるのが12/21(金)の合奏。
年内最終となるこの合奏に今年こそ参加できるかと思ったのですが、
やっぱり駄目でした。
ごめんなさい。

12月は、仕事柄、本当に忙しい。
毎週金曜日が特に忙しく、
それも押し詰まっていけばいくほど忙しくなります。
せせらぎの最終日にあたる金曜日の仕事を、
毎年毎年なんとか早く片付けようとするのですが、
毎年毎年片付かないのです。

今年は夜勤明けの12/20(木)にかなり居残って仕事を進めました。
なので12/21(金)の午前中、そして昼食後の午後帯、
順調に仕事が進んでいました。
ところが午後4時頃から電話が鳴り始め、
あるいは他部署の人が直接に仕事の依頼を持ち込み始め、
遂にはその処理でてんやわんやになる、
例年のパターンにはまっていきました。
なんで、みんな後の方に後の方に仕事をまわすんでしょうか?
締め切り意識ってもんがないんでしょうか?

あっ、済みません。
ついつい愚痴と言い訳に終始しておりました。
とにかく今年も失敗しました。
申し訳ありませんでした。
来年は、この日に風邪ひいてやろうかな…
(ウソです)

100,000年後の安全2012年12月20日

今年も押し詰まってまいりました。
「今年はどんな映画を観たかなぁ…」
と思って映画の半券ノートをめくっていました。
(どんな映画を観たか忘れてしまうので、
昨年から半券を貼るスクラップ帳を作ったのです)
すると、今年ではなくて昨年ですが、
京都シネマで観た『100,000年後の安全』の半券が目にとまりました。

原子力発電所の安全対策についての議論、
よく耳にします。
存続させるにせよ廃止するにせよ、
現在進行形で原発は存在しているのだから、
その安全性を確保するのは当然のことです。

しかし、「核のゴミ」についての議論をあまり聞きません。
『100,000年後の安全』は、
もしも人類の子孫が、
あるいは未来のあらゆる生命が、
そして地球上に存在するあらゆる事物が、
現在の人類が廃棄した「核のゴミ」に被爆しない保証はあるのか?
を問いただすドキュメンタリー映画でした。

※※※

核のゴミをどうやって廃棄するか?
いろんな方法が映画の中で提示されますが、
驚いたのはロケットで宇宙に向けて廃棄するやり方でした。
永遠の彼方へ飛ばしてしまうのか、
太陽に向けて飛ばすのか忘れてしまいましたが、
とにかく「臭いものは遠くへぶっ飛ばす」やり方です。

しかし、ロケットが打ち上げの際に爆発したら?
放射性廃棄物が広範囲に撒き散らされてしまうのです。
これは危険極まりないということで凍結されたそうです。
(でも、遠い将来、もしも「宇宙へ行くエレベーター」が実現したら、
宇宙への廃棄が可能となるかもしれない、
という提示もあったような…)

いずれにせよ、宇宙に捨てるなんて方法、感心しませんな。
空に吐いた唾が顔にかかるのでは?
太陽に捨てるとして、悪影響はないのでしょうか。
そもそも、ゴミ捨てのマナーとしてなってないと思います。

いろいろな提示があったと思いますが、
結局は地下深くに埋めてしまうのが一番安全だと言われている、
と紹介されました。
いわゆる「地層処分」という奴です。

フィンランドで核のゴミの最終処分地が決まり、
地下保管施設の建設が進んでいるそうです。
その施設を「オンカロ」と呼びます。
もちろん日本語ではないのですが、
「オン」という発音が「隠」という漢字を連想させ、
不思議と記憶に残ったのでした。

仮に、今後、原発を襲う地震も津波もテロも起こらず、
原発での放射能漏れ事故が起きないとしましょう。
そして、そのまま世界中の原発がすべて安全に廃炉され、
すべての放射性廃棄物が埋め立てられたとしましょう。
ああ、よかったよかった、ではないのです。
地層処分は本当に安全なのでしょうか。

放射性廃棄物が無害化するのにかかるのが10万年だそうです。
地下保管施設は10万年維持できるのでしょうか。
廃棄物が漏れ出すことはないのでしょうか。
いまだかつて、
人類は10万年もつ建造物を作ったことがないのです。

そこに放射性廃棄物が埋まっていることが、
未来の人類に正しく伝わるでしょうか。
核廃棄物のマークの意味が「危険」を表すということが伝わらず、
現代人が古墳を発掘するように、
未来人が好奇心の赴くまま核のゴミを掘り出してしまったとしたら?
映画は、そこで終わりました。

※※※

私は数年前に観た『不都合な真実』とともに、
この映画のことを反芻するようにしています。

真っ赤なフェラーリ2012年12月17日

京都国立博物館で開催された
「古代青銅鏡とフェラーリF1」
という展示を観てきました。

京都国立博物館の場所は知っていたのですが、
長年京都に住んでいるにもかかわらず、
これまで一度も中に入ったことがなかったのです。
こういう建物のことをレトロ・モダンというのでしょうか。
とっても素敵でした。

エントランスでいきなり真っ赤なフェラーリが迎えてくれます。

建物の前庭にもガン・メタリックのフェラーリ。

凄くカッコイイです。

中に入るとすぐ、
フェラーリのF1マシンが目に飛び込んできました。
磨き上げられた「赤」が印象的です。
凄い迫力!

なぜ、古代青銅鏡とフェラーリF1を一緒に展示したのでしょうか?
私が想像するに、
古代の技術の粋を集めた青銅鏡と
現代の最新技術の結集であるF1マシン。
どちらもその時代の最先端技術を誇るものと言えるのではないでしょうか。
そこに時代を超えた共通点を見出そうとする企画では?
だとすれば、なかなか壮大な発想だと感じました。

たまには展覧会・展示会といったものもいい刺激になりますね。

週末2012年12月16日

みなさんは土曜日、日曜日をどんなふうに過ごしておられるでしょうか?
せせらぎメンバーには、
普通の、と言ったら変なんですが、
(土)(日)お休みのサラリーマンは割と少ないように思うんですが、
いかがでしょう?
いや、そうでもないかな?

私は社会人になってから二十数年、
(土)(日)まるまる休みという勤務シフトになったことがありませんでした。
(大学時代のアルバイトもやはり(土)か(日)かは働いていました)
今年の夏の勤務シフト変更で初めて、
(土)=時短休日 (日)=公休日
になりました。

(土)(日)両方お休みっていうの、
それが当たり前と言う方はあまり感じられないかも知れませんが、
私は勘が狂ってしまいます。
(土)(日)特有の空気感とでもいうのでしょうか、
特に街に出たら分かると思うんですが、
妙に賑わっている感じ。
あるいは公園などに漂うゆったり感。
どうも私の居場所じゃない、と感じてしまうんです。
人ごみも辛いですし。

やっぱり私には、
せめて(土)か(日)かどちらかだけでも出社するほうが性に合います。
平日にこなせなくて溜まった仕事も、
電話も鳴らない静けさの中で片付けられますし。
そして平日、空いている平日の映画館で遊ぶ。
やっぱりナイスです。

…ってなことを書いておきながら、
今日12/16(日)は予定変更でお休みとなってしまいました。
そういえば、選挙でしたな。
でも、仕事の腹積もりだったので期日前に投票を済ませてしまいました。
行くのは無理だと思っていた京都国立博物館に行ってみようかな。
フェラーリのF1マシンが展示されているらしいので。
やっぱり休日の空気が漂っているのかな~
人ごみかな~

新譜を合奏する緊張感2012年12月15日

『日本の情景【夏】』という曲を初めて合わせました。
転調やテンポ変化に富んだメドレーです。
プレイヤーにとっては対応に追われる難しい曲。

しかし、
初合奏はかなりうまくいきました。
いい緊張感に包まれていました。

だれることなく、
精度アップできればいいのですが。

冬に聴く音楽2012年12月12日

秋が終わったかと思うと、
いきなり真冬ですね!

中学生のとき、
ストラヴィンスキーの『バレエ音楽「ペトルーシュカ」』のレコードを聴いて、
何だか冬の感じがすると思いました。
偶然にも、
ライナーノートを書いた音楽評論家さんも、
「寒い冬の朝にしば漬けを食べた感じがする」
と表現しておられたのを思い出します。

不思議とマッチするように思います。

もう一つ、
冬に合うといえば、個人的には
ラヴェルの『ピアノ協奏曲ト長調』。
特に雪の降り積もる夜にピッタシ。

みなさんは、
冬にマッチすると感じる楽曲を持っておられますかな?