2013年01月
小津安二郎監督の『東京物語』。
名作だとは聞いているけれども未だ観たことのない作品でした。
(2012年に世界の映画監督358人が投票して、
史上最高の映画として『東京物語』が選ばれたそうです。
ちなみに第2位は『2001年宇宙の旅』)
ようやくDVDで観させていただきました。
私にとっては『男はつらいよ』の御前様の印象が強い笠智衆さんの、
何があっても笑顔を絶やさない姿が印象的でした。
そして伝説の名女優・原節子さんの姿を初めて観たのでした。
その上で、
山田洋次監督の『東京家族』を観に出掛けました。
もちろん、映画館へ、です。
優しく、母の慈愛に満ちた吉行和子さんの笑顔がとても印象的でした。
ああ、そんなこと、あるある、とうなずく場面がたくさんありました。
声を出して笑ってしまう場面もたくさんありました。
『男はつらいよ』や『釣りバカ日誌』を思い出すような場面もありました。
(実際、葛飾柴又でのロケもありました)
久石譲さんの音楽が、役者さんに寄り添うように優しく静かでした。
※※※
わたくし、映画を観てもそう簡単には泣きません。
以前は簡単に泣いてしまうほうでしたが、
長年の映画鑑賞によって涙腺が鍛えられたのでしょうか、
ほろりとすることはあって、
おいおい泣くことはありません。
しかし、『東京家族』では顔がグシャグシャになってしまいました。
嗚咽をもらすのを耐えるのがやっとでした。
泣けるからいい映画というふうには思いませんが、
『東京家族』は出演者・スタッフの力がこもった凄い作品だと思います。
この作品を最後に映画作家としての筆を置くつもりなんじゃないかと思うくらい、
特に山田洋次監督の強い念を感じました。
映画にここまで強い力を感じたのは『おくりびと』以来かも知れません。
『おくりびと』は3~4回観に行ったと思いますが、
『東京家族』もきっとそれくらいリピートしそうな気がします。
雪2013年1月27日
仕事を終えて大阪・中崎町の馴染みの店に向かう途中、
なにやらちらほらと白いものが舞っているなぁ、
まさか雪ではないやろなぁ、
と思いましたが、
街灯や車のヘッドライトに照らし出されているのは
間違いなく雪でした。
大阪で雪が舞っているなら、
京都に帰ったら物凄いことになっているかも、
と思いましたが、
実際はうっすらと雪化粧している程度でした。
この週末、
アンサンブル合宿に行っている楽員さんが何人かおられます。
この雪の影響を受けていないでしょうか。
くれぐれも無理のないように。
事故もありませんように。
さぶい!2013年1月26日
1/25(金)、朝はそんなに寒くなかったと思います。
出勤後はずっと社内にいたので外気温が分からなかったのですが、
退社時に「えらい冷えとるなァ~」と思いました。
大阪・梅田から阪急電車に乗って、
京都・四条大宮で降りた途端に私の口をついて出た言葉が、
「さぶっ!」
思わず声に出してしまいました。
やっぱり京都は寒い。
特に昨日の夜は寒かった。
中はユニクロさんのヒートテックやら
ミズノさんのブレスサーモやらで武装し、
外は革ジャンで固めていても、
昨日はホントに寒さが滲みこんでくるようでした。
こんな日の合奏は大変です。
音が合わないのです。
それぞれがしっかりウォームアップして、
頃合いをみて一緒に揃えることができればいいのですが、
仕事が終わり次第駆けつけてくるメンバーが殆どですから、
楽器や体が温まっている人、
まだまだ冷えている人とバラバラなのです。
冷えている=音が低い、という状態なので、
ホントに合わない。
加えて、
現在の合奏は演奏会用の楽曲の「譜面づら」を読み取ることを優先しているので、
音楽にあまり深く入っていっておらず、
プレイヤーのみなさんの「心の熱」も入りづらいことと思います。
寒い日々が続きますが、
「練習に来て温まったな」と思えるよう努力せんとな、
そう思いながら熱燗が飲みたくなる夜でした。
楽譜修理2013年1月22日
昨年10月の「バンビオLIVE」で演奏した『オール・アバウト・ユー』。
ユーフォニアム奏者でありエレクトーン奏者でもあるカヨさんの編曲作品です。
既に本番を終えて3ヶ月経ちますが、
実は今でも楽譜の「修理」作業中です。
「手直し」とか「編集」とかはよく用いる言葉ですが、
敢えて「修理」という言葉を使うのは、
楽譜そのものが間違っている訳ではないからです。
いや、厳密にいうと間違った「書き方」をしている箇所を「手直し」してもいます。
例えば、ある小節で♭(フラット)を付けて半音低くした音があるとします。
次の小節も引き続き半音下げなければならないのに♭を書き漏らしたようなケースです。
気持ちは♭なのに、書くのを忘れたのでしょうね。
また、強弱記号やスラーのかけ方が楽器によってバラついていたりすることもあります。
そういった箇所は、確かに「編集」しています。
しかし、大部分の作業は、やっぱり「修理」という言葉がピッタリきます。
というのは、印字が薄くなってしまっている箇所を、
濃くなぞり直しているのです。
プレイヤーにとって、印字の薄い楽譜を読むのはかなりつらいもの。
手書きであろうがコンピュータ浄書であろうが、
濃く読み取りやすい楽譜はとてもありがたいのです。
先日、木管楽器のパート譜の修理が終わったところ。
ようやく金管楽器に移ったところなので、
全体が終わるのは3月末くらいになるかと思います。
楽譜係さん、原譜を借りっぱなしで済みません。
ここまで来たら最後までやらないと気が済まないので、
もうちょっと貸しておいてください。
ところで、何で手書きでなぞり直しているのかって?
コンピュータで打ち直したほうが早いのじゃないかって?
そりゃ、仰ることもわかりますが、
もともとが手書きの楽譜なんです。
それをコンピュータ浄書にしてしまったら、
「味」ってもんがなくなるんとちゃうか、
と思いまして…
音密度2013年1月20日
成人の日の臨時練習で、
「金管の音、充実してるなァ」
と、実は思ってました。
この日のリハーサル会場は京都こども文化会館の小ホールで、
そのおかげでいい響きなのかなと想像したのですが、
その次の金曜日、いつものスタジオでも充実した音だったので、
金管のまとまりがよくなってきたのは事実のようです。
もちろん、あくまで私の感想です。
音の充実というのはどういうことかというと、
言葉で表現するのはなかなか難しいのですが、
音がスカスカではない、というか、
ちゃんと唇が震えた音になっている、というか、
音が濃密である、というか、
いい響きである、というか、
音が重層的である、というか、
和音がよく合っている、というか…
表現に困ったのですが、
本日のタイトルは「骨密度」ならぬ、「音密度」としてみました。
金管の「音密度」が高いと感じました。
その肝となっているのは、
どうやらホルンの響きの良さではないかと思いました。
中音域のホルンがしっかりしていると、
高音域と中音域の受け渡しがすんなりいくのではないでしょうか。
正に、
1番バッターとクリーンナップを繋ぐ、
「2番イチロー」的な素晴らしさです。
あんまり褒めるとホルン・チームのハードルを上げてしまうかな?
でも、とにかくホルンがナイスなチーム・プレイをしていること、
これは確かです。
放射能汚染で滅亡寸前の地球を救うため、
宇宙の彼方イスカンダル星まで惑星再生システムを求めて旅するヤマトの物語。
1974年に放送されたヤマト・ファーストシリーズをリメイクした13時間にも及ぶ大作が
7つの章に分けて順次劇場公開されています。
1月12日から第4章が開映しました。
「旅」は人を磨くものだと思います。
ヤマトの作品としての素晴らしさは、
その「旅」の真っ只中に生きる「人」を描いていることです。
ガミラスとの戦闘は避けられませんが、
そればかりを描くのではなく、
「旅」を通して語られる、
乗組員ひとりひとりの「過去」「心の葛藤」「思慕」…
そういった人間ドラマに迫っていくのが素晴らしいと思います。
『宇宙戦艦ヤマト2199』で描かれる群像劇は、
1974年のファーストシリーズを凌ぐ深まりを見せています。
観るたび、かなり唸らせていただいております。
それにしても主人公の古代進、
ちょいとカッコ良すぎるくらいカッコいいです。
立ち位置がいいです。
ストライカーがディフェンスの裏に走りこむように、
いいポジションを取るのです。
だからこそ、モテる。
ちょっとモテ過ぎじゃないかと思うくらい、モテる。
あの感じは、男から見ても魅力的です。
やがてヤマトを率いていくリーダーの資質が垣間見えます。
※※※
『宇宙戦艦ヤマト2199』は、
現在は劇場で公開されつつ、
ブルーレイやDVDの販売も進んでいます。
そして遂に、
この4月からはテレビ放送も決まりました。
劇場で全7章の公開が終わってから、
ボチボチと深夜枠で放送されるのかなと想像していたのですが、
劇場公開と並行する時期に、
日曜夕方5時の全国ネットでの放送です。
一ファンとしては、
地道な劇場公開とディスク販売(あるいはレンタル)で、
知る人ぞ知るの楽しみでいいんじゃないかと思っていたのですが、
全国ネットですか…
ちょいと複雑な心境です。。。
18年2013年1月18日
阪神淡路大震災から18年経ちました。
あの日のことを皆さんは覚えておられますか?
※※※
1995年1月17日5時46分。
京都でも震度5の揺れがありました。
自宅やご近所に異常がないか見て廻ってから、
兎にも角にも勤務先の大阪に向かおうとしました。
地下鉄で四条烏丸に出ることはできたものの
阪急電車が動いておらず、
仕方なく一旦帰宅。
テレビは火災が発生した神戸の様子を伝えています。
もう一度トライで、
出町柳から京阪電車に乗ろうとしたら、
こちらは各駅停車が動いています。
2時間半かけて淀屋橋に到着。
大阪の地下鉄は動いておらず、
梅田までは徒歩でした。
社員の半数が出勤不可能で、
出勤できた者たちだけで仕事に追われました。
主幹コンピュータは被害を受けていないものの、
それを動かす人手がなく、
多くの物事が人の手だけで動いていきました。
それから約2週間、
会社に泊まり込んで働き続けたと記憶しています。
被災地に初めて行ったのは、
発生から4ヶ月後の1995年5月17日でした。
毎月17日に
三ノ宮と摂津本山で
街の変化を定点観測をする仕事が私に廻ってきたのです。
もの凄く緊張しました。
それから3年間、
毎月という訳ではありませんが
しょっちゅう神戸を訪れました。
3年間、更地のままだった場所もあれば、
再建された場所もあり、
復興の進み具合は様々でした。
今も時折、
神戸にお伺いします。
もう殆んど震災の傷跡は見られなくなりました。
しかし、
心の復興はどうなのでしょうか。
目には見えない人々の心の内はどうなのでしょう。
※※※
昨日は震災を静かに振り返る一日となりました。
折に触れ、思いを寄せたいものです。
連続合奏2013年1月17日
といっても、
毎日合奏したわけではなく、
1/11(金)に合奏をした次の合奏が1/14(月)の成人の日と、
1/18(金)までに1回臨時練習が挟まっただけのことですが、
基本的に週イチでしか合奏できない私たちにとっては
連続に近い感じとなりました。
個人的なことですが、1/10(木)に38.5℃の発熱。
1/11(金)も37.5℃ありました。
発熱しているので体中がだるくて重いのですが、
それ以外の風邪っぽい症状がありません。
1/14(月)には熱も引いていて、
一体なんだったのか分からないまま治ってしまいました。
今の季節、特に気をつけないといけませんね。
そんなこんなでちょいとばかし体調不良のまま臨んだ連続合奏ですが、
こうして休日の臨時練習が入ると、
ああ、年が改まったんだな、
演奏会まで半年だな、
と感じます。
例年、ここからあっという間に時間が過ぎていくような気がします。
気持ちを引き締めていかないと、です。
1/14(月)には、せせらぎ初の試みも行われました。
それについては近いうちにホームページ上で発表されると思いますので、
ここに書き記すのは控えます。
この試みのおかげもあってか、
この時期の臨時練習としては、
多くの楽員のみなさんが何とか都合をつけて集まってくれました。
他に仕事や学業を持ちながらの音楽活動ゆえ、
演奏会まで時間のあるこの時期の集まりはあまり良くないのが現実なところ、
約7割の楽員が集合できました。
練習内容も中身の濃いものとなったように思います。
難しい箇所の継続練習もうまくいったし、
新譜への取り組みもスムーズでした。
事前の譜読みも浸透してきているようだし、
それができていない人にも必要性が伝わりはじめている感じです。
本番が遠い時期の練習は地味で地道ですが、
本番で花咲くことを夢見て、
じっくりやっていきましょうかの。
楽員2013年1月13日
唐突ですが、
せせらぎでは、ほぼすべてのパートの楽員を募集しています。
(詳しくは「団員募集」を参照してください)
急募中のうち、
とりわけ急募しているのが打楽器奏者です。
あらゆる意味で太っ腹のパートリーダー・K氏がお迎えいたします。
見学も随時受け付けております。
「団員募集」のページにお問合せフォームに行くボタンがありますので、
事前にお知らせくださると助かります。
よろしくお願いいたします。
練習を進めていく「過程」が大切か、
本番での「結果」が大切か。
よく議論になりますが、
アマチュアであってもプロであっても、
「過程」が大切であるというのが私の意見です。
ただし、練習すればそれでいい、とは思いません。
工夫が必要だと考えています。
例えば、とても高い音を一発だけ当てなければならない場面があったとしましょう。
そのまんまの音型をただただ練習して、的中確率が5割。
これでは、いい過程を踏んだとはいえないと思います。
オクターヴ下の比較的発音しやすい音を当ててみる、
そこから少しずつ当てる音を高くしてみる、
つまり音階練習をする、
分散和音の練習をする。
一例ですが、こういった過程が必要だと思います。
あるいは、どうしても引っ掛かってしまうフレーズがあるとします。
途中でうまくいっていない箇所があるのに、
そこを修正せず、
ただひたすら数だけこなす。
これでは引っ掛かったままです。
引っ掛かる2~3個の音符だけを抜き出す、
フレーズを覚えておいて楽器を組み立てなくてもイメージ・トレーニングする。
工夫をすれば少しずつでも演奏が美しくなっていく筈です。
それだけやっても本番で音をはずすことはあります。
でも、裏付けのある音は、
結果が悪くても、
良い結果なのです。
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