当たり年2016年12月28日

『ニコラス・ウィントンと669人の子どもたち』というドキュメンタリー映画を観ました。

私が観る映画を決めるのは、大概、予告篇によってです。
何か映画を観て、その前にかかる予告篇を観て、それで決める。
その映画を観て、また予告篇を観て、決める。
その繰り返しです。

が、『ニコラス・ウィントンと669人の子どもたち』は予告篇で観た記憶がありません。
紹介記事もフライヤーも読んでいません。
ただ何となく京都シネマのホームページを見ていて、
第二次世界大戦でのユダヤ人救出を扱った映画だということが分かり、
上映時間と自分自身のスケジュールが合っているので、
さっと出掛けた次第です。

1938年、友人の誘いでチェコスロバキアのユダヤ人難民キャンプを訪れたニコラス・ウィントン。
後に「イギリスのシンドラー」と称されるようになる彼は、
ユダヤ人の子供たちをナチの脅威から救い出す活動に邁進していきます。
日本では全くと言っていいほど知られていないのではないでしょうか。
もちろん私も知りませんでした。

今ではおじいちゃんおばあちゃんとなっている救われた子供たちへのインタビュー、
当時の再現ドラマなどで構成されていくのですが、
実に見応えのあるドキュメンタリーでした。
涙なくして観ることはできませんでした。

ウィントンの活動が、今では多くの人々の善意の活動を促すなど、
未来への希望を感じさせてくれます。
と同時に、子供たちの親の殆どは殺されてしまったのです。
未だに実の親がどうなったのか分からず、行方を調べ続ける子供の様子も描かれ、
「良かった良かった」で終わらせないのも見事。

それにしても今年はドキュメンタリー映画の当たり年だったと思います。

『ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る』
『ジョーのあした 辰吉丈一郎との20年』
『 FAKE 』
『 TSUKIJI WONDERLAND 』
そして
『ニコラス・ウィントンと669人の子どもたち』

一つ一つが大切な思い出です。

もちろん、世間でよく言われているように、アニメーション映画も名作揃いでした。

『君の名は。』
『聲の形』
『この世界の片隅に』
ハズレなしでしたな。

洋画では
『ズートピア』
『ファインディング・ドリー』
もやっぱり良かったな。

そして忘れてはいけないのが
『レッドタートル』

また、アニメではないのですが、似たジャンルとさせていただいて
『シン・ゴジラ』
考えさせられることの多い映画でした。