2012年11月

退役、そして就役2012年11月14日

私って物持ちがいいようです。
大学時代に買った革ジャンを
もう20年以上着ています。
ただし、毎年冬が終わってクリーニングに出す前、
何がしかの修理を「洋服の病院」に頼むのですが。

ラジオのディレクターをしていた約15年前、
梅田LoFtでビジネスバッグを買いました。
毎日毎日いろんなところへ取材に出掛けます。
きちっとした名刺交換を伴う会社の取材であったり、
ただひたすら山陽道を歩く取材であったり。
毎日のことなので、
TPOに応じてかばんを取り替えるのは面倒くさいし、
入れ換えをすると忘れ物をする可能性も高くなる。
なので、一つのかばんで、
手提げ、
ショルダー、
リュック、
の3ウェイで使えるものを買ったのです。

本当によく使い込んできました。
使い古された表現ですが、
雨の日も風の日も。
黒いかばんなのに白っ茶け、
四隅は擦り切れ、
いくつか小さな穴が開いてきました。
今年、遂にファスナーが壊れ、
かばんが閉まらなくなってしまい、
専門店で修理しました。

それから騙しだまし使ってきましたが、
最近、どうもファスナーの動きが再び怪しくなってきました。
閉まらなくなる前の感じに似てきたのです。

長年使ってきた結果、
手提げやショルダーで使うことは全くといってよい程なくなり、
専らリュックとして使っています。
もしも歩いているときなんかにファスナーが壊れると、
かばんの中身を道にぶちまけることになってしまいます。
スコアを入れて持ち運んでいるのです。
それはマズイ。

今度、ファスナーが壊れたら修理では効かず、
ファスナーそのものの交換になるというのが専門店の見立てです。
ファスナー交換すると、強度は落ちてしまうんだそうです…

泣く泣く、かばんを新調することを決意しました。

15年前にはスーツにリュックといういでたちの人は殆ど見掛けませんでしたが、
今ではそれが当たり前のようになってきたようです。
(そもそもスーツなんか着ませんが…)
もはや3ウェイにこだわる必要もないので、
やっぱり梅田LoFtでリュック・タイプのビジネスバッグを購入しました。

これまで使ってきたビジネスバッグは2012年11月13日をもって退役しました。
長年にわたり、本当に本当にお世話になりました。
どうもありがとうございました。

そして11月14日、新しいビジネスバッグが就役しました。
これから大切にお付き合いさせてもらうよ。
よろしゅうに。

『北のカナリアたち』を観る2012年11月13日

MOVIXで本編上映の前、
「映画って楽しいね~」と歌う6人の子供たち。
彼らが出演する映画『北のカナリアたち』を観てきました。
意に反して、非常に重たい映画でありました。
そして、とっても素敵な映画でした。

阪本順治監督の人間の内面をえぐる演出は素晴らしいし、
撮影の木村大作さんのこだわりも凄い。
でもやっぱり、
主演の吉永小百合さんが凄い!

俳優さんっていうのは、
どんな役でもこなせるように、
普段から様々なトレーニングを積まれているのですね。
本当に美しい吉永小百合さん、
でも、きちっとトレーニングされているのがよく感じとれました。

話が飛びますけれども、
ジョディ・フォスターさんもよ~く鍛えておられるのが分かるのです。
名優に通じるものがあります。

身近なところでも、
劇団俳優をやっている会社の後輩の、
知られざる努力っていうのが、
実は舞台を観ていて感じとれるのです。

私にとっては大きな刺激です。

「よーし、俺もコツコツ積み上げるゾ」
こういう素晴らしい作品と出会う度、
心新たにするのであります。

凱旋公演2012年11月12日

長らく遠ざかっていた母校(高校)の吹奏楽部の定期演奏会を聴きに行きました。
同期のプレイヤーが、
ソリストとして共演するからです。

高校時代はトロンボーン奏者だったO君。
大学でクラリネットにコンバートされましたが、
修行を積み、
プロのクラリネット奏者となりました。

それはそれは凄い演奏でした。
鍛えに鍛え上げた演奏でした。
惚れ惚れしました。

それを支える現役高校生の演奏もまた、凄い!
惜しむらくは強奏での金管楽器の音色が硬かったこと。
力みを抜いてすんなり響けば、
さらに素晴らしい演奏となることでしょう。

たまには真面目に、音楽作りのことを…2012年11月11日

じっくりゆっくりのテンポで取り組んできた
『マーチ「南の島のハメハメハ」』
をテンポ・アップしてみました。

練習番号Aの8小節目、トランペット・ホルン・ユーフォニアムの音程が取り辛そうですね。
もう少し慣れる必要がありそうです。

Bのフルート、アーティキュレーションの「罠」にひっかかってしまいますね。
いやらしいアーティキュレーションですもんね。
やはり慣れないといけませんな。

Eのトランペットもアーティキュレーションに苦労してきましたが、
かなり成果が上がりましたね。
音楽作りにいそしんできた甲斐がありましたな。
(加えて、Eでの転調にも注意しましょう)

Fのサックスは歌い過ぎに注意が必要でしたな。

…と細々書きましたが、
私の抱いた全体的な印象としては、
楽しいマーチになっていました。

プレイヤーおひとりおひとりが積極的に取り組まれるとともに、
私も要求をぶつけていくのが大切だなぁと思いました。
というのも、
Kのマルカートについての指示など、
ちょいと示唆を与えるだけで皆さんの演奏がころっと変わったりするのですから。

音楽作りのためには、
演奏会まで時間のたっぷりある冬の時期の積み重ねが大切ですね。
ゆっくりしたテンポで積み重ねて、
初めてテンポ・アップを行った回で、
特に思うことでした。

お薦めの散歩コース2012年11月10日

歩くことについてよく書いていますが、
今回はお薦めの散歩コースを紹介してみようと思います。
それは蹴上散策です。

近代化遺産であるインクラインの遺跡を登っていくと、
琵琶湖疏水の出口に行き当たります。
「ああ、ここに流れ着くのか…」

 

山沿いを流れる疏水分線に沿って歩くと、
右は疏水、
左は断崖絶壁。
人とすれ違うとどちらかに落っこちるんじゃないか
と心配になるくらいの狭い道幅。
「おお、こわっ…」

しばらく行くと南禅寺の水路閣に至ります。
現役の水道橋です。
すごい迫力です。

南禅寺を抜け、
東山高校の前を通って、
少し山のほうにいくと哲学の道。
感想を述べるまでもないでしょう。
難点はいつも人が多すぎることで、
もはや思索の道ではないように思いますが…

このルートを自宅からすべて歩くと、
ちょうど2時間。
時速6kmで歩きますので、
12kmの道程です。
脳も体もリフレッシュされる、
気持ちのいい散歩です。

テンポ・アップ2012年11月9日

演奏が荒れてしまわないように、
初めて取り組む曲は
できるだけゆっくりしたテンポから入るようにしています。
充分に慣らしてからテンポ・アップしていくのですが、
私の経験から、
このテンポ・アップで以下のどちらかの現象が発生することが多いです。

(1)想定したテンポ以上に速く、転がってしまう

(2)速くしたつもりなのに、ゆっくりしたテンポに戻ってゆく

まず(1)ですが、
充分慣らしたつもりでも、かなり難しい曲でよく起こります。
あるいは、
難易度はそれ程ではなくても、あまり慣れていない場合にも転がってしまいがち。

そして(2)ですが、
私の経験では(1)と同じ場合によく発生しているようです。

まあ結局は、
どちらもよくある話ですな。

要するに練習不足が原因なんだろうと思いますが、
私は(2)のケースはあまり追求しないようにしています。
緊張感のある本番では発生しないように思いますから。

心配なのは(1)のほうで、
余裕のなさに起因していると思うのです。
本番の緊張感が加われば、
もっともっと転がっていきそうで、
これは早めに手を打つ必要があります。

現在、
せせらぎの合奏は概ねスロー・テンポですが、
ぼちぼちテンポ・アップしてみようかと思うのです。
はてさて、
どんな感じになるでしょうか?

小さな旅に出る~その2~2012年11月8日

ずっと前のことですが、
祇園を始発として
五条通から老坂峠を抜けて(つまり国道9号線を走って)亀岡に至り、
それから能勢に入り妙見口を終着点とするバスがありました。
子供の頃、
このバスに乗って能勢へお墓参りに行ったことがありますが、
それはそれは長大な旅でした。

いつの頃からか、
この直通路線は分断され、
亀岡市の西の端、
大阪府のすぐ東にある
本梅(ほんめ)車庫で乗り継がなければならなくなりました。
車庫といっても、
田畑の真ん中にバスが数台停められる広場と
3~4人座れるくらいの長椅子があるだけ。
亀岡駅から乗ったバスを本梅車庫で降ろされると、
次の妙見口行きのバスの発車まで1時間くらいあり、
のんびりとお弁当をいただいたものでした。
それはそれは長閑な旅でした。

大人になってからは自分で車を運転していくようになり、
バスがどうなったのか分からないのですが、
どうも運行している気配がないのです。
本梅車庫は荒地になっていたような…
多くの人が自家用車で移動するようになり、
ローカルなバスは時代遅れの代物になってしまったのでしょうか。

今の私はといえば、
まるで時代を逆行するかのように、
マイカーを手放してしまいました。
家に車があるのに酔っ払ってタクシーで帰るなんて、
馬鹿馬鹿しくなってきたのです。
歩くのが大好きで、
京都市内で暮らすのに自家用車の必要性を感じなくなってもいましたし。

せせらぎにも若い人たちが増え、
楽器運搬のために車を運転してくれる人も沢山います。
もう、私が運転しなくてもいいだろうということで、
運転そのものも2年くらいしていないのではないでしょうか。

そんなこんなでレンタカーを借りることすらせず、
今回のお墓参りは亀岡駅からタクシーで能勢に行きました。

17年前に父を見送った際、
石材店に墓所を整理していただき、
新たに父を筆頭とした累代墓を建てました。
今回のお墓参りは、
今年亡くなった母の納骨を前に、
霊標に刻んでいただいた母の戒名の確認と、
墓所のお掃除が主たる目的でした。

晴れ男の面目躍如、
時雨の一日だというのに
私がお墓参りしている間は一滴たりとも雨が落ちてきません。
ほったらかしにして申し訳ないと思いつつも、
枯葉を掃いていくのは気持ちの良いものです。
お花を活け、お線香を供えると、
凄く清々しい気持ちになりました。
私って、勝手な人間やなと思いつつ…

近々、納骨のため戻ってまいります。

小さな旅に出る2012年11月4日

大昔(平安時代くらい)、
ご先祖様は東北地方で暮らしていた、
というのが我が家の伝承なのですが、
はっきりしたことは分かりません。
ずっと時代が下がって、
江戸時代には能勢で暮らしていたのは確かなようです。
現在の大阪府豊能郡能勢町。
大きなお寺の裏山に、
江戸時代から続く我が家の墓所があるものですから。
(祖父か曽祖父の代、
時代は明治に京都に移り住んだようです)

めっきり冷え込むようになって、
晴れていたかと思うと急に雨が降ってくる、
典型的な時雨模様の11月2日(金)。
たとえ天気が悪くとも
この日をはずすといつ行くことができるかわからないお墓参り。
意を決して出掛けました。

能勢といいますと、
今はせせらぎを辞めておられるコッサンの故郷でもあります。
コッサンというのはニックネームで、
本当はコサカさんです。
(今はご結婚されて姓はかわっておられますが)
彼女の故郷と私の故郷は地図で見ると近いし、
実際、車で走れば十分かかるかどうかだと思います。
けれども、一山か二山越える筈です…

そういや、コッサンはティンパニが上手やったなぁ。
コッサンが叩くと美しい音が響くんやなぁ。
また聴きたいなぁ~

さてさて、能勢町に向けて出発です。

子供の頃、父と母に連れて行ってもらった能勢へのお墓参りは、
丸一日かかる、ちょっとした旅でした。
まず、国鉄・山陰本線の二条駅から亀岡へ向かいます。

二条駅は、
今の高架ではなく、地べたに建っていました。
古めかしくて重みのある駅舎(今は梅小路蒸気機関車館に移設されている)、
駅の西に広がる広大な操車場。
単線・非電化の路線。
何もかもが旅情をそそるものでした。

保津峡も、
今のようにトンネルだらけでストレートな路線ではありませんでした。
現在はトロッコ列車が走る、渓谷沿いのカーブだらけの路線でした。
鉄道にとっての難所と言ってよく、
京都市と亀岡以北を隔てる感が強かったのです。

気動車のキハ58系でゆっくり走る旅路は、
それはそれは長閑なものでした。
時に急行・丹後(当時、特急は走っていなかったと記憶する)に乗ったとしても、
二条⇔亀岡間は40~50分かかったのではないでしょうか。

今回は京都駅から乗りました。
ダイヤなど調べず、出たとこ勝負で行ったら、
ちょうど特急はしだて・まいづる(綾部まで連結)が出るところだったので、
自由席に飛び乗りました。

京都市内の山陰本線の殆んどが高架化されているので、
見晴らしもよく、快調に走ります。
複線化・電化がどこまで進んだのか知りませんが、
最低限、亀岡までは完成しています。
前述のように、保津峡もあっと言う間に抜けてしまいます。

京都⇔亀岡で20分乗ったかどうかという感じでした。
昔のことを懐かしむ時間もなく、
旅情を味わうこともなく亀岡に着いてしまいました。

亀岡駅も、かつての味わいある駅舎ではなく、
近代的なものに変わっていました。
地方都市でよく見る、ちょっと冷たい感じの駅舎。
トイレは綺麗で助かるんですけど。

便利になったのは有難いことですが、
日本人は大切な何かを置き忘れてしまったのでは…
そんな大袈裟なことを、ふと感じました。

ようやく亀岡まで着いたところでかなりの字数を使ってしまいましたので、
続きは稿を改めさせていただこうと思います。

新譜だけど、新譜じゃない2012年11月1日

「バンビオLIVE!Vol.2」が終わって、
新しい曲の練習が始まりました。
そのうちの一曲は、
今年の夏に練習曲として採用した
フィリップ・スパーク作曲『テームサイド序曲』。
再びトライすることとなりました。

せせらぎでは、
指揮者だからといって本番用の曲が決められる訳ではありません。
もしかしたら、
私が決めた曲を奏者の皆さんは受け入れてくれるかもしれませんが、
そうはしないようにしています。
やっぱり各演奏会の実行委員さんが決めてゆかれるのが良いと思うのです。

けれども、
せせらぎコンサート終了後しばらく取り組む練習曲は
私が決めるようにしています。

『テームサイド序曲』は昨年の5月くらいに準備していました。
つまり、昨年の第24回せせらぎコンサート後に取り組むつもりだったのです。
が、昨年は9月に本番が2つ決まっていて、
せせコン後すぐにその準備に取り掛かったので、
『テームサイド序曲』が日の目を見ることはありませんでした。

今年の第25回せせらぎコンサートのあと、
10月の「バンビオLIVE!Vol.2」開催が決まっていましたが、
諸々の事情から選曲が二転三転し、
練習に取り掛かるのが8月半ばと見込まれました。
そこで、せせコン終了からの一ヵ月半、
『テームサイド序曲』に取り組むことになったのです。

せせらぎコンサート実行委員の方々がこの曲を選んでくれて、
「ああ、私の感覚もまだまだ大丈夫かな」とホッとしました。
私としては強くお薦めしたい曲ではありましたが、
押し付けになってはいけないと思っていたので、
実行委員さんのほうから選んでくれたことが嬉しかったです。

楽しいけれども、
合わすとなるとなかなか難しい曲です。
しばらくぶりとはいえ、
一度は練習に取り組んだ曲だから
早々にテンポ・アップしたいところですが、
様子を見ながら慎重に進めていこうかなと思っています。