俺は野球が大好きだ!~その9~2番イチロー2012年10月21日

我が師匠(もちろん勝手に私淑)、
仰木彬さんが近鉄バファローズの監督に就任された1988年。
前年まで下位に低迷していたバファローズを押し上げ、
当時黄金期を迎えていた西武ライオンズとデッドヒートを展開。
10月19日。
私が仰木彬さんを師匠と仰ぐのを決定的にした日である。
ロッテ・オリオンズとの最終戦に勝てばパ・リーグ優勝だったが、
無念の引き分け。
僅差の2位となった。
(なお、翌1989年、
やはりライオンズとの接戦を繰り広げたバファローズは、
阿波野投手やブライアント選手などの活躍で、
悲願のリーグ優勝を果たすこととなる)

「仰木マジック」と言われた、
日ごと猫の目のように変わる打順。
その中でも私の印象に強く残っているのは、
1番 大石
2番 新井
3番 ブライアント
という打順である。

初回、
1番・大石がヒットで出塁。
2番・新井がバントで大石を得点圏に進める。
1死2塁。
ここで3番・ブライアントが2ラン・ホームラン!
2点先制!
このパターン、よく見た。

仮に1番・大石が凡退しても、
2番・新井が出塁。
3番・ブライアントが凡退しても、
4番(鈴木貴久が多かったと思う)がタイムリーを放ち、
やはりバファローズ先制!
これも多かったと記憶している。

どうしても1番や3番に目が行きがちとなるが、
私は2番・新井の存在が重要だと思っている。
彼が「繋いで」くれたからこそ、
単なる「打点」ではなく、
「打線」が生まれたのだと思う。

※※※

アメリカン・リーグ優勝決定シリーズで
デトロイト・タイガースにまさかの4連敗を喫し、
今シーズンが終了してしまったニューヨーク・ヤンキース。

今年の夏、そのヤンキースに
シアトル・マリナーズから電撃移籍したイチロー。
彼の打順といえば1番、という強烈な印象がある。
が、移籍当初、
7~9番という打順を与えられた。
先発メンバーから外されることもあった。

やがて好成績を出し始め、
しばしば1番を任されるようになってきた。

しかし、ヤンキースには不動の1番打者、
デレク・ジーターがいる。
右打ち・左打ちの関係性もあり、
今シーズン終盤のヤンキースの打順は、
1番 ジーター(右打ち)
2番 イチロー(左打ち)
3番 A.ロドリゲス(右打ち)
4番 カノ(左打ち)
  またはタシェアラ(スイッチヒッター、つまり右でも左でもOK)
に落ち着いていった。

アメリカン・リーグ東地区で、
ボルチモア・オリオールズとの熾烈な優勝争いを繰り広げたシーズン終盤。
この打順が見事にはまった感があった。

ジーターが出ればイチローが送ってA.ロドリゲスが還す。
ジーターが凡退してもイチローが出て3番以降のクリーンナップで還す。

正に仰木監督指揮下のバファローズ打線を見る思いである。

ちなみに、先述の2番・新井選手だが、
仰木さんがオリックス・ブルーウェーブの監督を務めた際、
仰木さんのもとで打撃コーチを務めた。
その新井コーチのもとで指導を受けたのが
イチロー選手なのである。

※※※

吹奏楽では様々な楽器が登場する。

例えば、トランペット。
大概、3つのパートに分かれている。
3人で同じ音を演奏することもあるが、
ほとんどの場合、
1番奏者(ファースト)の音、
2番奏者(セカンド)の音、
3番奏者(サード)の音
は別々である。

話を単純にするために、
ファースト・トランペットが「ソ」を吹き、
セカンド・トランペットが「ミ」を吹き、
サード・トランペットが「ド」を吹いて
「ド・ミ・ソ」の和音を作るとしよう。
セカンドの「ミ」がないと、
和音のムードが決まらないのである。

また、「ミ」を半音下げて「ミ♭」にすると、
「ド・ミ♭・ソ」=「ラ・ド・ミ」のマイナーコードとなる。
和音のムードが一変するのである。

かくも2番は重要だと思う。

※※※

高音域のフルート、
中音域のB♭クラリネット。
この二つの楽器群を繋ぐのが、
中高音域のE♭クラリネット(通称エスクラ)だと思う。

E♭クラリネットがいてくれるからこそ、
フルートもB♭クラリネットも活きてくるように思う。

またE♭クラリネットは、
単なる繋ぎ役だけに留まらない。
イチロー選手がホームランをかっ飛ばすように、
ソロもお手の物である。

E♭クラリネットを担当してくれたミサキちゃんが
あまりの忙しさに退団されて以来、
せせらぎでは久しくE♭クラリネットを編成していない。
久しぶりにE♭クラリネットの音を聴きたいものである。