ディテールにこだわる2012年10月22日

恐縮ですが、
また『宇宙戦艦ヤマト』にまつわるお話です。

1974年のオリジナル・シリーズでは、
設定上の矛盾も多く、
物語の大筋として素晴らしいので、
まぁ矛盾には目を瞑っておくか、
という感じだったのです。

けれども、
『宇宙戦艦ヤマト2199』では
多くの矛盾点を一つ一つ丁寧に解消しています。

そもそもがフィクションではありますが、
こうしたディテールにこだわった設定の練り直しは、
物語に深みやリアリティを与えてくれます。
(きっと音楽作りにも繋がるものがある筈…)

具体例を紹介してみましょう。

☆「艦長!」と呼びかける際の語尾☆

職場で「社長!」とか「部長!」と呼びかけるとき、
語尾を上げますわな。
なので、「沖田艦長!」と言うときも
やはり語尾は上げるものなんだそうです。

『ヤマト』オリジナル・シリーズでは語尾が下がっていました。
そして、それが普通だと思ってきました。

が、役所広司さんが潜水艦の艦長役を務めた映画『ローレライ』で、
乗組員が「艦長!」と語尾を上げていたのを聴き、
いろいろ調べるうちにこちらが普通なのだということが分かりました。

『ヤマト2199』では、
ちゃんと「沖田艦長!」と語尾が上がっています。
オリジナル・シリーズで聴きなれた響きとは違いますが、
これがディテールにこだわった結果なのだと思います。

☆階級☆

オリジナル・シリーズでは「地球防衛軍」、
『ヤマト2199』では「国連宇宙海軍」という設定。
いずれにせよ、ヤマトは軍事組織が運用する軍艦です。
良し悪しは別として。

にもかかわらず、
オリジナルでは登場人物の階級が全く分かりませんでした。
もしかすると設定としては存在したのかもしれませんが、
表に出てくることはなかったのです。

が、『ヤマト2199』では、
はっきりと階級が出てきます。
沖田艦長の階級は「提督」。
古代進は初め「三尉」で、
ヤマト乗艦時に戦時特進し「一尉」となります。
「少尉」から、「中尉」を飛ばして「大尉」になるのですが、
『ヤマト2199』では自衛隊の階級制を採ったそうです。

☆日本人以外の乗組員はいないのか?☆

はい、いません。
(ロボットのアナライザーはいますが…)

オリジナルではそれが不思議でならなかったのですが、
『ヤマト2199』でハッキリしました。

西暦2199年、
謎の星ガミラスの遊星爆弾攻撃を避ける人類は、
地下に逃れて細々と生き延びている状態。
他国との連携をとるのが非常に困難なのです。

日本の南部重工(←もちろんフィクションですぞ)が建造したヤマトに、
本来なら全世界の国連宇宙海軍の、
最優秀な士官を集めて乗せたかったところですが、
もはや日本人以外が乗り組むことができなくなっていたのです。

では、なぜ日本が代表してヤマトを建造したのか?
これは今のところ明らかになっていませんが、
南部重工の一人息子・南部康雄がヤマトに乗り組んでいますので、
今後の物語の中で明らかになっていくと思われます。

なお、もしかすると地球人以外が乗り組んでいるかも…

~書きたいことは山ほどありますが、これくらいにしておきます~