バンビオ・ふらっとコンサート2011年9月15日

2011年9月10日(土)は、
9月4日(日)に続いての本番となった。
JR長岡京駅すぐのバンビオ3階メイン・ホールでの
「ふらっとコンサート」である。

そもそも、3月12日(土)に行う筈だったコンサートである。
が、東日本大震災発生の翌日なので、
中止となったコンサートだった。
半年延期し、ようやく開催にこぎつけたコンサートである。

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3月11日(金)も12日(土)も、私にとっては本来ならば勤務日であった。
が、何らかの突発事件が発生したら、仕事を抜けられなくなってしまう。
それを恐れて、予め両日とも年次有給休暇を取得しておいた。
しかし、まさか、本当に有事となるとは思ってもいなかった。

テレビ中継で津波の映像を目の当たりにする。
今、自分は出勤すべきなのか、楽団の練習に行くべきなのか…
答えは出ないものの、
この時点で翌日のコンサートは中止になっていないので、
職場のみんなには申し訳ないと思いつつ、楽団の練習参加を選択する。
動揺を押し隠して、兎にも角にも本番前日の練習を終えた。

帰宅後、再びテレビ中継を観る。
慟哭する。

今回の演奏会は私達せせらぎの主催ではない。
演奏会を開催するか否かを判断する権限はない。
しかし、今、演奏会などやっている場合なんだろうか?
答えが出ないまま、明け方まで悶々とする。

そんなとき、トランペットの中川さんから、
演奏会開催を疑問視するメールが流れてきた。
これで私の気持ちは固まった。
「喪に服す」べきである、と。

3月12日(土)、私は朝イチでバンビオに向かった。
そして演奏会を中止してもらいたいとお願いした。
交渉の末、中止要請を受け入れていただいた。

あの時、何とかして演奏会を開催したいと思っていた楽員の方もいらっしゃったことだろう。
その意見を一つ一つ聞くこともなく、
私の独断でバンビオに中止を申し入れたのだ。
申し訳ない気持ちが、今もある。
が、あの時、自分にできることは、
演奏会を中止する決断しかなかった。

※※※

9月9日(金)、通常通りの日勤をこなし、練習に向かった。
9月10日(土)は、演奏会を終えてすぐ、夜勤のためにバンビオを飛び出した。
予め休暇を取得するなどという、特別なことをしたくなかった。