メドレーは、とっても難しい2012年3月3日

かつて、おおしたさんが団長だった頃、
「演奏会の曲目が、メドレーばかりにならないよう気をつけません?」
と提唱してくれたことがありました。
いや~、本当にそう思います。

おおしたさんがそう言ったのは、
「メドレーばかりだとお客さんにとって面白くない」という意味合いだったと思いますが、
僕がそう思うのは、
「メドレーばかりだと演者(指揮者も含めて)が疲れる」からです。

『みんなのうたセレクション』は、まさにメドレーです。
「NHKみんなのうた」で放送されてきたいろんな曲のメドレーです。
それぞれの曲をどう切り替えていくか、
とても気を遣います。

でも、『みんなのうたセレクション』は、
テンポの切り替えがあって、
曲の雰囲気を変化させやすいから、まだいいんです。

これまでで一番大変だったメドレーは、
『フックト・オン・クラシックス~のだめカンタービレ・セレクション』でした。
二十数曲ものクラシックの名曲を、
ずーっと同じテンポで演奏しなければならないのです。

「同じテンポなら楽なんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、
それぞれの曲にはそれなりのテンポ・イメージがあるもんです。
それを無視して同じテンポを貫きつつ、
表現もしていくと言うのは、
堪らなく辛い精神活動なんです。
(本当ですよ…)

考えてみれば、メドレーっていうのは、
あとから作曲者以外の誰かが、
何らかのテーマのもとではあっても、
全く別々の曲を並べていくものと捉えていいかと思いますが、
そもそも無理があるのかも知れません。

しかし、メドレーはメドレーでも、
『メイン・ストリート・エレクトリカル・パレード』は、
しっくりくるんです。
同じテンポでいろんな曲を繋いでいるにもかかわらず、
精神的に楽なんです。
不思議ですね。
(プレイヤーの皆さんにとっては大変な曲なのですが…)

※※※

最後に、誤解のないように書きますが、
決して「メドレーはイヤ」という訳ではありませんから。
ぼそっと「ひとりごと」言っているだけですからね。
大河ドラマの音楽だって、選曲されれば、
何とかいい演奏になるよう無い知恵を絞るのであります。