2016年09月
自制心2016年9月30日
ちょいとお堅いタイトルで始めましたが、
今日は『ハドソン川の奇跡』の感想です。
クリント・イーストウッド監督、トム・ハンクス主演。
アカデミー賞の何部門かで受賞すること間違いなしだと確信します。
2009年1月15日、離陸間もない旅客機がバードストライクにより全エンジンの推力を喪失、
空港に戻ることは不可能と判断した機長が近隣のハドソン川に不時着水を決断、
乗客乗員全員が生還するという奇跡のニュースは記憶に新しいと思います。
しかし、運輸安全委員会により、その判断は間違いだったのではないかと疑われます。
全員の命を助けたにもかかわらず、です。
この映画、ほぼ裁判ストーリーと言ってもいいのではないかと思います。
観ていて、大変苦しい映画でした。
心情が機長にどんどん近づいていくのです。
心拍数が上がっているのが自覚できるくらいです。
公聴会で機長の主張が認められるまで、それは続きました。
自暴自棄になってしまうんじゃないかと思える役どころですが、
危うい場面がありつつも何とか自制心を保ち続ける姿が印象的。
自分自身をコントロールすることの難しさを考えさせられる作品でした。
『青空エール』を観ました。
高校野球と吹奏楽が相俟った映画です。
ってことは、観なきゃならんでしょ。
が、ええ歳したオッサンが観に行くのには逡巡があります。
そんなん、真っ暗になってしまえば関係ないんですけど、
なんとなくねェ~
ってな訳で、公開からかなり経った平日に行きました。
シアターには私を含めて6人。
私以外は全員女性でした。
おそらく皆さん年下です。
(気にし過ぎやなぁ~)
主演の土屋太鳳さんが高校に入学して、
初心者だけれども憧れの吹奏楽部に、
しかも志望通りのトランペット奏者として入部して、
同じように全国大会を夢見るクラスの野球部員に恋して、
でも振られて …
しかし、お互い3年生になった夏には、
応援し続けた彼の野球部は甲子園出場!
土屋太鳳さんの吹奏楽部も全国大会出場!
そして二人は …
ああ~、オジサンの心をえぐりよる!
土屋太鳳さんが先輩(なんと志田未来さん!)からマウスピースでの発音を習う場面、
金属や唾の匂いまで思い出しました。
俺も、始めた頃はあんな感じやったんやと。
二人が3年生の時の吹奏楽コンクールの課題曲が『ブルースカイ』。
設定が2016年なんですけど、
この曲、数年前にせせらぎで採り上げてますがな!
吹奏楽コンクールの全国大会が普門館って、
それ、何年前の話?
今では耐震強度の問題で、普門館は使わなくなったんとちゃいましたか?
ってな細部の演出はどうでもいいと思える、
青春・直球ど真ん中ムービーでした。
『タッチ』もビックリ!と俺は思います。
9月22日、秋分の日。
東京佼成ウインドオーケストラ( TKWO )第130回定期演奏会を聴きに、
東京は池袋の東京芸術劇場コンサートホールへ行ってきました。
指揮は、正指揮者の大井剛史さん。
大井さんの指揮する TKWO を初めて聴いたのは、
「アルフレッド・リード作品集」という CD だったと思います。
その1曲目、『春の猟犬』でいきなり心臓を射抜かれた思い!
こんなにクリアーな『春の猟犬』は聴いたことがないと思ったのです。
しかもこのアルバム、全曲が定期演奏会のライヴなのです。
ライヴでこの質はビックリ!
大井剛史さんと TKWO をナマで聴くのをとても楽しみにしていました。
「巨匠たちを奏でる」と銘打たれたこの日のプログラムは、
・吹奏楽のための交響曲第1番/クロード・トーマス・スミス
・交響曲第2番「三法印」/ロバート・ジェイガー
・交響曲第3番 作品89/ジェイムズ・バーンズ
吹奏楽の超有名どこばかりです。
スミスやバーンズでは決めどこが一音も外れず、
タイミングもバシッと決まり、
実に気持ちいい。
仏教思想を基に作られたジェイガーの作品は、
やや眠気を催すものでもありましたが、
寝落ちスレスレで何とか起きてる時の、あの何とも言えない感じ、
不思議な快感と集中力とが相俟って、
素晴らしい精神世界に連れていってくれました。
(少しアブナイか?)
ただ、大井 & TKWO への期待値を上げ過ぎたせいか、
木管のうねりと、金管のゆったりとした旋律とが交錯する場面で、
縦の線の揃いが甘かったのが少し気になりました。
とはいうものの、バッチリ大満足の演奏でした。
TKWO は音がいいのはもちろんですが、
演奏中はもちろんのこと、舞台上にいる楽員の皆さんの「姿」を観るのも楽しいのです。
グルーヴ感が心地よいし、演奏後の笑顔や、楽員同士が握手している様子が実に気持ちいい。
桂冠指揮者フレデリック・フェネルが他界され、
多くの楽員が若手に入れ替わった今でも、
「和」の伝統が受け継がれている。
それがとても嬉しいのです。
9月23日(金)は、
ピッコロ × 1
フルート × 3
B♭クラリネット × 8
アルト・クラリネット × 1
アルト・サックス × 3
トランペット × 5
ホルン × 3
トロンボーン × 3
ユーフォニアム × 1
パーカッション × 2
そして私の計31人で合奏を行いました。
この日はフィリップ・スパーク作曲『 Merry-Go-Round 』の初合奏。
読みは「メリー・ゴーランド」なんでしょうか?
それとも「メリー・ゴー・ラウンド」でしょうか?
まあ、どっちでもいいですかな。
翻訳の問題だけだろうし。
もしかして、読み方によって意味が変わってしまうこと、あるのかな?
『 Merry-Go-Round 』に取り組むにあたり、
珍しく事前に You Tube でチェックしました。
観たのは一つか二つだけなんですが、
どちらもパート・ソリの箇所でスタンド・プレイしてはりました。
ただ立つだけでなく、いろんな遊びをかませていました。
楽譜にもちゃんと「 Stand 」と書かれています。
元から想定してある楽曲なんですな。
とても演奏しやすい曲で、
テンポはゆっくりめですが、
初合奏としてはかなりいい感じ。
来年の演奏会に向けて、実行委員さんがどんどん演奏曲を決めていかはるでしょうから、
『 Merry-Go-Round 』だけにとどまっていないで、
次回は『風になりたい』にも取り組んでみましょうか。
午前中に用事があった帰り。
MOVIX 京都で『君の名は。』を観ようと思ってチケット・カウンターの列に並んだら、
ターゲットにしていた13時台の表示に「×」
つまり満席。
端から端まで、観にくい前の方の列まで、ビッシリ埋まっているということです。
時間の都合上、この日の鑑賞は諦めました。
それからというもの、『君の名は。』の混み具合はどうなっているのか、
ちょくちょく映画館のホームページを覗くようになりました。
時間のいい午後帯は「△」
つまり残りわずかという表示が出ることが多いです。
まがいものではない、本物の大ヒットですな。
指定席制のシネコンですから、予約できればいいのです。
でも、できたらもうちょっと空いてから観に行こうと思っていました。
が、京都を大雨が見舞いました。
急きょ、その翌日の朝イチを狙って観に行こうと思い立ちました。
いざ行ってみると、ほぼ満席でした。
(その日の13時台はやはり「×」表示でした)
この映画、なぜこんなにヒットしているのか?
おそらく、観れば誰の心にも響くのではないかと思います。
私はボロ泣きしてしまい、
エンドクレジットが流れるまでに長めの黒味があって救われました。
また、RADWIMPS(ラッドウインプス)の音楽が素晴らしかった!
私は音楽家の端くれでありながら、音楽を多用する映画が好きではありません。
もちろん、『ジャージー・ボーイズ』のように、
音楽そのものが主役であるような場合は別ですが、
できれば音楽はあまり主張せず、
そっと寄り添っていてくれるくらいが好きです。
『君の名は。』では、歌(当然、歌詞がある)が何回も挿入されるのですが、
全く邪魔にならない。
どころか、映画の世界観を拡げてくれていると思いました。
歌詞の連なりまでは分かりませんでしたが、
パッと飛び込んでくる一語一語がピタッと嵌るのです。
これは見事というしかありません。
パンフレットで新海誠監督のフィルモグラフィーを読みましたが、
これまでの作品を知っているような、知らないような …
不明を恥じております。
ふっと時間が空いたので、よし、映画を観に行こう!
いつものノリで映画館のホームページをチェックしはじめたら、
MOVIX 京都でかかっている『レッドタートル』が時間的にちょうどいい。
タイトルを聞いたことある気もするし、ないような気も …
で、作品詳細のボタンを突っついてみたら、
なんと、ジブリの高畑勲さんや鈴木敏夫さんも関わっているとの由。
あらすじにも惹かれるものがあったので、ほぼ衝動的に決めました。
早目に着いたので、毎度の如くお馴染みのスタバで一息。
「おはようございます。いつもどんな時に来てくださるんですか?」
と聞かれたので、
「大概、出勤途上か映画を観る前ですよ。今日は映画ですけど」
「そうなんですか。で、今日は何を観はるんです?」
「『レッドタートル』というのが面白そうで、それを」
すると男女ふたりのバリスタさんが目を合わせて、
「あっ!あのジブリの奴ですね。無声映画の」
私はビックリ!
(無声映画!?寝てまわへんかな … )
実際は無声映画ではありませんでした。
また、スタジオジブリ作品とクレジットされますが、
ジブリ単独の製作ではなく、
複数のプロダクションが参加した作品でした。
映画が始める前、いろんな製作会社のロゴが次々と出てくることが多いですが、
まさにそれ。
音楽も効果音もちゃんとあります。
が、セリフはゼロでした。
登場人物が声を発する場面はあるのですが、言葉はありません。
会話はするのです。
が、言葉のやり取りではないのです。
ある男が無人島に漂着して、
何度も脱出を試みるも何ものかに阻まれ、
それが真っ赤なウミガメであることが分かり …
これ以上はやめときます。
言葉がない分、観る人の想像力を掻き立てる作品。
とても詩的だと思いました。
あれこれ思いめぐらしたかったので、
敢えてパンフレットを買わずに帰りました。
9月18日(日)、金管五重奏メンバーが依頼演奏に赴きました。
(トランペット K & F、ホルン H、トロンボーン Y、テューバ K )
沓掛寮デイサービスセンターで行われる
「第5回沓掛デイ秋祭り・敬老祝賀会」での演奏を頼まれたのです。
せせらぎとして参加させていただくのは、これが4回目か5回目。
5回目なら、皆勤ということですな。
もちろん、アンサンブルの組み方は毎回違うので、
全メンバー皆勤という訳ではありませんが。
私個人としては2回目の参加。
ただし、今回はそもそも行くことができないと思っていました。
他のスケジュールとの絡みで。
が、予定を見間違えていて、実は行けるのが分かりました。
応援 兼 取材で飛び込んだら、金五メンバーを驚かせてしまいました …
あじさいガーデン伏見での依頼演奏も「敬老会」でしたが、
こちらは入所者の方と職員の方が聴いてくださる形。
沓掛寮も「敬老会」ですが、家族の皆さんも参加され、
賑やかな昼食会の中での演奏。
かつての経験からそれは知っているので、
沓掛寮では音量の大きい金管楽器でアンサンブルを組んだ訳です。

人気の高い『川の流れのように』を皮切りに、
『もみじ』『ふるさと』『東京ブギウギ』といったお馴染みのナンバー。
さらに T-スクエアの『宝島』や、ボサノバの『イパネマの娘』を演奏する、
なかなかに凝ったプログラムを展開しました。
楽しんでいただけたのではないかと思います。
この9月は敬老会での依頼演奏を2件、経験させていただきました。
(と言っても私は演奏していないのですが)
一ミュージシャンとして、純粋な喜びを感じることができました。
とても感謝しています。
また、楽団としても、社会の一員としてお役に立てているのではないかと思います。
定期演奏会の演奏を聴いて楽しんでいただくことも大切ですが、
こうして依頼を受けたところにお伺いして演奏するのは、
とてもダイレクトな形で力を尽くせているのではないでしょうか。
9月16日(金)は、
ピッコロ × 1
フルート × 4
B♭クラリネット × 9
アルト・サックス × 3
テナー・サックス × 1
トランペット(コルネット) × 2
ホルン × 4
トロンボーン × 3
ユーフォニアム × 2
テューバ × 2
パーカッション × 3
そして私の計35人で合奏を行いました(見学の方も含みます)
この日は『キャンディード序曲』の4回目。
まずはゆっくりしたテンポで、ミスがあってもとにかく通し。
次はゆっくりのまま小返し。
気になる箇所はあり得ないくらい遅いテンポで、
アーティキュレーションも変えたりしながらのおさらいです。
そしてテンポちょい上げでもう一度通しました。
個人レベル、あるいはパートレベルで、
こういう練習を普段からやってくれたらいいなぁ、
というのを提示できたかなと思います。
聴衆の皆さんに披露するレベルには至っていませんが、
本番に向けての着実なステップとなったことは確かだと思います。
積み上げていきたいものです。
次回はフィリップ・スパークの『メリー・ゴー・ラウンド』に取り組んでみましょうか。
坂本冬美さんが洋装でポップスをカバーする『 Love Songs 』。
そのアルバムに収録されている『また君に恋してる』が大ヒットしたのは6年くらい前でしょうか。
私も買って何回も聴いたものです。
その後、第2集・第3集と発売されました。
いつか買おうと思いつつ放置していたら、
いつの間にか第6集まで出ていました。
大慌てで第2集から第6集まで買いました。
どれも素晴らしいのですが、
特に第5集の『秋桜』が響きましたな。
第6集で最後らしいのですが、
そんなこと言わずに、
どんどん続きを出してくれたらいいのになぁと思います。
シカゴ交響楽団の首席テューバ奏者、ジーン・ポコーニの CD がなかなか見つかりません。
アマゾンで探したら一発なのかも知れませんが、どうも苦手で。。。
人間が古いのですな。
テューバ専門店のグランド楽器に行けば見つかるかも知れません。
が、そこまでしようとは思っていません。
JEUGIA やタワー・レコードなどで渉猟する範囲でいいのです。
それに、グランド楽器に行ったら、テューバを衝動買いしてしまうかも!?
ってな訳でタワレコをぶらぶらしておりましたら、
『シカゴ交響楽団の首席奏者たち』という CD を見つけました。
ホルン、バスーン、オーボエ、トランペット、テューバそれぞれの協奏曲を、
シカゴ交響楽団の首席奏者たちが弾いているのです。
オーケストラはもちろんシカゴ響。
指揮はアバドとバレンボイム。
超豪華なアルバムなのです。
でもって、テューバのソリストは言えば、
ジーン・ポコーニの前任、アーノルド・ジェイコブズでした。
なかなかポコーニとは出会えませんが、まあ、いいか、とは失礼ですな。
ジェイコブズさんだって超一流なんですから。
レイフ・ヴォーン=ウィリアムズのテューバ協奏曲。
高校時代、同期の O 君が冒頭のフレーズをよく吹いていました。
冒頭だけですが。。。
全曲通して聴くのは初めてだと思います。
音が跳躍しまくる、難しい曲ですな。
が、ジェイコブズさん、軽々と吹いてはります。
機動戦士ジェイコブズ!!
(⇒動きまくるのが上手なことへの称賛です)
デール・クレヴェンジャーがモーツァルトのホルン協奏曲を吹いてはります。
高校時代から好きなプレイヤーでよくレコードで聴いたものです。
久しぶりに聴きましたが、やっぱ、いいですな。
あと、アドルフ・ハーセスの吹くハイドンのトランペット協奏曲も素晴らしかった!
ハーセスさん、お名前を聞いたことはあるような、やっぱりないような。。。
済みません。。。
でも、軽やかな演奏で、素敵でした!!
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